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平成十八年四月十二日提出
質問第二二一号

大分県の日出生台演習場における米海兵隊の一五五ミリ実弾砲撃演習に関する質問主意書

提出者  赤嶺政賢




大分県の日出生台演習場における米海兵隊の一五五ミリ実弾砲撃演習に関する質問主意書


 本年二月、米海兵隊は大分県の日出生台演習場で一五五ミリ実弾砲撃演習を実施した。その際に、在日米軍副司令官は、実弾砲撃に加えて小銃、機関銃の実弾射撃演習も行いたい旨、大分県及び由布市、玖珠町、九重町に申し入れている。
 これに守屋防衛事務次官が同行し、また額賀防衛庁長官は、大分県知事に対して電話で受け入れを迫るという、まさに高圧的ともいえる対応を行っている。
 関係地方自治体をはじめ大分県民が、かかる演習の拡大・強化に対して厳重な抗議と反対の意思を示したのは当然のことである。
 今回の実弾砲撃演習においては、海兵隊は、小銃、機関銃の実弾射撃演習は行わなかったものの、引き続き米側は、日本側に対して同演習についての実施を強く求めてきている。
 米海兵隊は、キャンプ・ハンセンで実施していた県道一〇四号線越えの一五五ミリ実弾砲撃演習を、本土の五ヶ所、すなわち矢臼別演習場(北海道)、王城寺原演習場(宮城県)、東富士演習場(静岡県)、北富士演習場(山梨県)、日出生台演習場(大分県)で実施している。
 そもそも同演習は、国会でも何度となく議論されたように、夜間での実弾砲撃をはじめ射程距離、砲弾数のうえでも沖縄で実施されていた時よりも質・量ともに上回り強化されている。
 そのうえ米軍再編の下で、海兵隊の演習のさらなる拡大・強化は絶対に容認できない。
 従って、以下の事項について質問する。

一 小銃、機関銃の実弾射撃演習の米側の要請について
 1 額賀防衛庁長官は「一〇四移転訓練を効果的に実施したいとの米側の要請を踏まえ」と述べている。米側からいつ、どのような協議の場で、どのような要請があったのか、日米双方のメンバーも併せて、その経緯を詳細かつ具体的に明らかにされたい。
 2 この米側の要請に対して、日本側はいつ、どのような協議の場で、どのように回答したのか、日米双方のメンバーも併せて、その経緯を詳細かつ具体的に示されたい。
二 県道一〇四号線実弾砲撃演習の移転に関するSACO(沖縄に関する特別行動委員会)の最終報告等の合意について
 1 一九九六年十二月のSACO最終報告及び同年八月の日米合同委員会の「県道一〇四号線越え実弾射撃訓練の分散・実施について」の合意では、小銃、機関銃の実弾射撃訓練ができるとの取り決めにはなっていない。どこにそのような合意事項があるのか、あるなら示されたい。
 2 SACO最終報告等の合意は、あくまで一〇四号線越えの一五五ミリりゅう弾砲の実弾砲撃演習について合意がなされたものであることは明白である。だからこそ、一九九七年以降、本土五カ所での実弾砲撃演習は、SACO最終報告等の合意に基づいて、一五五ミリりゅう弾砲のみの演習を行ってきたのではないのか。
 この合意事項のどこを根拠に、小銃、機関銃の実弾射撃演習までできるというのか明確に説明されたい。
 3 日米間でSACO最終報告等の合意がなされた、一九九六年から一九九七年の衆参両院の安全保障委員会並びに外務委員会等で議論されているが、当時の防衛庁長官は、本土の五演習場で実施するのは、一五五ミリりゅう弾砲の実弾射撃訓練のみであるということを繰り返し答弁している。それは日米間の合意でそのように取り決めたからではないのか。
 4 本年二月二十七日の安全保障委員会での私の質問に対して、防衛庁は、一五五ミリりゅう弾砲の実弾射撃訓練が中心であるが、それと一体のものとしての実弾射撃を伴う砲陣地の防御訓練は、「一〇四の移転訓練の一部を構成するものである」ので、「SACO合意に含まれる」趣旨の答弁をしている。
 政府のいう、「一体のものとしての実弾射撃を伴う砲陣地防御訓練」とは、どのような訓練をいうのか具体的に明らかにされたい。
 5 SACO最終報告等の合意のどこに「砲陣地防御訓練」ができるという記載があるのか、また、合意事項のどこからそのような「解釈」ができるのか説明されたい。
 6 SACO最終報告等の合意から十年余も経過して、今この時期に、何故、小銃、機関銃の実弾射撃演習を本土に拡大して実施するというのか、その理由を明らかにされたい。
 7 現在、キャンプ・ハンセンで昼夜をわかたぬ激しい小重火器による演習が行われ山火事等を頻繁に起こしている。
 これらの訓練は、海兵隊が危機の際に必要な演習をはじめ練度向上のための演習であり、砲兵が行う演習等とは全く別の独自の訓練・演習ではないのか。
 8 政府は、一五五ミリりゅう弾砲の実弾砲撃演習の「一体のもの」という解釈を持ち出し、SACO最終報告等の合意に基づけば、実施できないこととなっている小銃、機関銃の小重火器の演習を、沖縄にとどまらず本土五カ所でできるようにし、演習の拡大・強化を図るというのが狙いではないのか。
 これは、SACO最終報告等の合意では認められていない訓練・演習であることは明白である。政府の見解を問う。
 9 この際、SACO最終報告における「県道一〇四号線越え実弾砲兵射撃訓練」の合意内容並びに日米合同委員会の「県道一〇四号線越え実弾射撃訓練の分散・実施について」の合意内容を改めて明らかにされたい。
三 日出生台演習場の米軍使用に関する協定等について
 1 日出生台演習場での海兵隊の小銃、機関銃の演習は、大分県知事、玖珠町長、湯布院町長、九重町長と福岡防衛施設局長との間で締結した「日出生台演習場の米軍使用に関する協定」(平成九年十月二十三日)では、認められていないのではないのか、説明されたい。
 2 額賀防衛庁長官、守屋防衛事務次官が、本協定では認められていない小銃、機関銃の訓練・演習について、米側の要請があったからといって、大分県知事をはじめ三市町長に対して受け入れを求めるというのは言語道断である。
 政府は、SACO最終報告等の合意並びにその合意を踏まえて締結されたこの協定を尊重し、かつ関係自治体、地元住民をはじめ大分県民の演習の拡大・強化への不安、憂慮、怒りを考えるならば、むしろ米側に対して小銃、機関銃実弾射撃演習には応じられないとの毅然とした態度をとるべきではないのか。
 3 日出生台演習場以外の他の四演習場についても、小銃、機関銃の実弾射撃演習を実施したい旨の申し入れを、関係自治体に行ったのか、自治体の意向を含めてその経緯を明らかにされたい。
 4 「日出生台演習場の米軍使用に関する協定」の内容について、この際、改めて明らかにされたい。
 5 日出生台演習場以外の他の四演習場においては、「日出生台演習場の米軍使用に関する協定」と同内容の協定を締結しているのか。締結していれば、その協定の内容を演習場毎に明らかにされたい。
 6 文書による協定が締結されていない場合には、防衛施設局と地方自治体の間で、口頭による約束事等があるのか、あればその内容を演習場毎に明らかにされたい。

 右質問する。



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