質問本文情報
平成十八年六月十四日提出質問第三三九号
難民認定等における出身国情報の翻訳等に関する質問主意書
提出者 郡 和子
難民認定等における出身国情報の翻訳等に関する質問主意書
改正入管難民法は昨年五月から施行され、すでに一年が経過した。改正入管難民法の最も大きな特徴は、難民審査に参加し、申請者が提出した資料を閲読し、申請者の意見陳述を聞き、所見を述べる難民審査参与員の制度が導入されたことである。
個々の申請者の出身国の状況に精通することは、難民申請者の一義的な立証責任を前提としても、調査側の誠実調査義務から考えて当然の前提である。しかし、そうした出身国情報はほとんどが外国語で書かれた文献である。したがって、こうした外国語で書かれた主要な文献を日本語に翻訳し、参与員に提供することが当然求められる。それがなければ、参与員にその公正で質の高い審査を期待することはできない。
また、参与員は非常勤である。職責に期待される労力と時間をどのように投じているかも、非常勤の参与員による審査の制度的妥当性を再検討するうえで重要と考える。
以上の観点から、以下の三点について回答されたい。
(1) 国名
(2) 文書の種類(例・米国人権慣行国務省報告、宗教の自由に関する報告、英国内務省報告など)と発行年
(3) 全訳か抄訳か
(4) 外注翻訳単価と外注翻訳料金総額
(5) これらのうち、参与員の依頼にもとづいて翻訳したものはどれか
(6) これらのうち、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)から提供を受けて翻訳したものはどれか
(7) これらのうち、訴訟上の必要から新たに翻訳したものはどれか
二 参与員の勤務について
(1) 参与員の報酬月額
(2) 昨年の改正入管法施行後、二〇〇六年五月末までに参与員の前で開かれた意見陳述の件数
(3) 参与員が出席を義務付けられている定例の会議、研修会の有無。かかる研修会、会議が存在する場合は、その会議・研修会の名称、趣旨、拘束時間、頻度を明らかにされたい。
三 以上を踏まえ、法務省は、参与員に対し十分な出身国情報を提供していると考えておられるか、また参与員が専門性を確保する知見を得る機会を提供していると考えておられるか、明らかにされたい。
右質問する。