衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十九年十一月十九日提出
質問第二四三号

金正男氏と思われる者に対する政府の認識及び対応に関する再質問主意書

提出者  鈴木宗男




金正男氏と思われる者に対する政府の認識及び対応に関する再質問主意書


 「前回答弁書」(内閣衆質一六八第一九九号)を踏まえ、再質問する。

一 二〇〇一年五月、北朝鮮の国家指導者である金正日氏の息子である金正男氏と思われる者(以下、「金正男氏と思われる者」という。)が来日し、入国管理法違反で逮捕されるという事件(以下、「事件」という。)が起きたことに関連し、当時の田中外務大臣になされた経過報告について、「前回答弁書」では「田中外務大臣(当時)に対しては、御指摘の者の退去強制の過程において、同人の本名等を確認することはできなかったことを含め随時報告が行われたと承知している。」との答弁がなされているが、右答弁で触れている田中外務大臣に対する報告についての文書は、外務省において作成されているか。
二 一で、文書が作成されていないのならば、その法令上の根拠及び文書を作成しないと決定した者の官職氏名を明らかにされたい。
三 前回質問主意書で「事件」を受けて田中外務大臣が「そんな人間を日本に置いておいて、北朝鮮からミサイルが飛んで来たら大変なことになる。すぐ帰さないとだめだ。すぐに追い出すように」という旨の発言をしたという事実はあるかと問うたところ、「前回答弁書」では、「外務省において保管されている文書からは、御指摘のような発言について確認することはできなかった。」との答弁がなされているが、右の田中外務大臣の発言に係る文書が外務省において見つからないのならば、「事件」が起きてから二〇〇一年五月四日午前十時四十五分頃「金正男氏と思われる者」が我が国を強制退去させられるまで、田中外務大臣が右のような発言を行ったと記憶している外務省職員はいるか明らかにされたい。当時、大臣官房並びにアジア大洋州局に所属していた職員を始め、「事件」に関わった外務省職員に対して、田中外務大臣が右の様な発言を行ったか否かについて確認を行った上で答弁を求める。
四 前回質問主意書で、「金正男氏と思われる者」に当時の佐藤審議官らが同行したことについての報告に関する文書(以下、「文書」という。)が外務省において確認されなかったことについて、@そもそも「文書」が作成されていないA「文書」は作成されていたが破棄されたB「文書」は作成されたが紛失してどこにあるのかわからないの三つのうち、どれに該当するのかと問うたところ、「前回答弁書」では、「御指摘の外務省職員による同行は、御指摘の者による不法入国に関する取材等が加熱する中で不測の事態が起きることを避けなければならないという考慮もあり、移送中の混乱を防止し、かつ、中国側への引渡しを円滑に行うとの観点から行われたものであることから、また、先の答弁書(平成十九年十一月二日内閣衆質一六八第一四八号)六についてでお答えしたとおり、御指摘の報告は同行した外務省の職員が必要最小限度の範囲で会話を交わしたことを踏まえた内容であったと思われるが、報告文書が作成されていた場合であっても、同文書については、外務省文書管理規則(平成十八年外務省訓令第十六号)に基づき廃棄されたものと考えられることから、お尋ねについてお答えすることは困難である。」との答弁がなされているが、右の答弁は、「文書」が作成されたか否かについてすらも、外務省として把握していないということを指しているのか。
五 四で、そもそも「文書」が作成されたか否かについても外務省が把握していないとするならば、「事件」の重要性並びに「金正男氏と思われる者」が金正男氏であることの蓋然性が高いと政府が現在認識していること、そして「事件」への対応が北朝鮮による邦人の拉致問題(以下、「拉致問題」という。)解決の糸口となり得たこと等を考える時、外務省の行政処理の方法並びに行政処理に係る体制としては、あまりにいい加減であり、我が国の外交を司る外務省がこのような体制になっていることに多大な不安を覚えるが、外務省の認識如何。
六 前回質問主意書で、政府が「金正男氏と思われる者」をわずか三日あまりで我が国から強制退去させたことにつき、「当時は、政府として、御指摘の者が金正男氏である蓋然性が高いとは認識していなかったと理解している」、更に「また、先の答弁書(平成十九年十一月二日内閣衆質一六八第一四五号)五についてでお答えしたとおり、御指摘の者の退去強制については、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)に基づき必要な調査等が行われたものである。」と、「金正男氏と思われる者」に対する当時の対応は正しかったとする旨の答弁がなされている。しかし、当時政府が「金正男氏と思われる者」が金正男氏である蓋然性が高いと認識しておらず、「金正男氏と思われる者」をすぐ出国させ、現在になって確認は取れていないまでも「金正男氏と思われる者」が金正男氏である蓋然性が高いと認識しているのならば、当時その様な認識を持てなかった外務省始め政府に重大な瑕疵があったと考える。「金正男氏と思われる者」が「拉致問題」解決の一つの糸口となり得た可能性を鑑みる時、当時「金正男氏と思われる者」が金正男氏であることの蓋然性の高さを察知できず、易々と「金正男氏と思われる者」を出国させたことは、あまりに戦略性に欠ける対応であり、また、北朝鮮に拉致されている邦人を保護するという邦人保護の観点からも、極めてずさんな対応であったと考えるが、外務省の見解如何。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.