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平成十九年十二月三日提出
質問第二八五号

遺棄化学兵器処理事業に関する質問主意書

提出者  平岡秀夫




遺棄化学兵器処理事業に関する質問主意書


1 遺棄化学兵器処理事業の問題
 (1) (財)日本国際問題研究所(以下、「国問研」という。)への委託について
  @ 国問研は、中国の遺棄化学兵器処理事業に関し、いつから、どのような業務を行っているのか。時系列的に示されたい。
  A 前記@の業務に関しては、国問研は、どのような人員で業務を実施していたのか、出身別、専門分野別、経験年数など詳細に示されたい。
  B 国問研は、遺棄化学兵器処理事業に関する調査・研究業務の成果を、いつ、どのように取りまとめているのか。
  C 国問研に対する遺棄化学兵器処理事業に関する委託事業は、平成十五年度末に終了したと聞いているが、終了時に国問研にいた遺棄化学兵器処理事業関係人員は、どうなったのか。前記Aの人員について、それぞれ、現在の状況までの推移を示されたい。
 (2) (社)日米文化振興会(現在:日米平和・文化交流協会)の安全保障研究所について
  @ 福岡県の苅田港での遺棄化学兵器は、いつ、どのようにして発見されたのか。
  A 福岡県の苅田港での遺棄化学兵器処理事業に関し、「苅田港等老朽化化学兵器に関する調査等委託」が一般競争入札に付され、日米文化振興会・安全保障研究所(以下、「安保研」という。)に対して発注された経過を問う。
  B 防衛庁(当時)は、なぜ、「苅田港等老朽化化学兵器に関する調査等」を自ら行わなかったのか。防衛庁や自衛隊の組織を中心に、必要な専門家を加えれば、調査等は十分にできたのではないか。
  C 防衛庁は、なぜ、国問研が進めている中国の遺棄化学兵器処理事業に関する調査研究を利用することにしなかったのか。また、本件に関し、国問研又は外務省・内閣府とは何らかの協議、意見交換等を行っているのか。
  D 前記Aの入札での落札価格が八百六十五万円(消費税抜き)である入札において、その参加資格を「D等級以上」としていたのは、不当ではないか。「D等級以上」の基準では、「役務の提供等」契約の予定価格は、三百万円未満でなければならないのではないか。
  E 安保研が「役務の提供等」における関東甲信越地域の一般競争入札参加資格者名簿に記載されたのはいつか。
  F 安保研が落札者となった理由は何か。「苅田港等老朽化化学兵器に関する調査等」に関し、安保研の調査等の能力が十分であると評価した根拠を問う。
  G 安保研が受注した当時の安保研の人員体制を、専門分野別、出身別に示されたい。
  H 前記Aの入札において応札した「株式会社ケービーエフ」は、どのような会社か(創業、業務内容、資本金、従業員数など)。また、同社が「役務の提供等」における関東甲信越地域の一般競争入札参加資格者名簿に記載されたのはいつか。
  I 防衛省は、契約者が「有識者委員会」を設けることを入札条件としているが、落札者を決める段階で「有識者委員会」の具体的内容(メンバー等)が明らかとなっているのか。もし明らかになっていないとすると、どのような根拠で「有識者委員会」の妥当性を判断したのか。
  J 本件契約の入札において四回の札入れが行われ、「最後、商議を行って八百六十五万円で決定した」と答弁(十一月二十八日内閣委員会の防衛副大臣)されているが、その商議は、いつ、どこで、だれが出席して行われたのか。
  K 有識者委員会を含む安保研は、どのように調査を行ったのか。
  L 有識者委員会では、「二回目から入江功・九州大学工学部教授が名簿に上がっていて、同委員からの発言等々というものも記述が見受けられる」(十一月二十八日内閣委員会の防衛副大臣答弁)とされているが、安保研の報告書(平成十五年三月三十一日)の参考資料一「評価委員会記録」には入江教授に関する記述は何もない。答弁と食い違っているのではないか。
  M 安保研の報告書において、遺棄化学兵器の無害化処理技術に関する報告の内容はどのようなものか。また、前処理としての「爆破法」については、「制御爆破式」と「加熱爆破式」のうち、「制御爆破式」を採るべきであるとの報告の内容になっていると理解してよいか。
  N 安保研の報告書では、苅田港遺棄化学兵器処理事業に関する費用の見積りはどうなっているのか。
  O 神奈川県寒川地区の危険物質調査は、安保研に対して随意契約で発注している(平成十四年度千二百六十一万円、同十五年度二千二百七十万円、同十六年度二千三百三万円、合計五千八百三十六万円)が、随意契約で行った法的根拠及び安保研と随意契約で契約締結に至った経緯を問う。また、以上の契約の締結日はいつか。
  P 平成十四年に、国土交通省に対し、「平成十四年十一月に日米安全保障フォーラム二〇〇二年が開催され、そこにアメリカの国防省から化学兵器の専門家が来日する」との情報を提供したのは、どこの誰か。また、それはいつか。
  Q 国土交通省の担当職員が、米国のステファン・リーブス准将と面談する機会を得たのは、どこの誰の紹介であったのか。その面談は、何回、それぞれ、どこで、どのくらいの時間をかけて行われたのか。
  R 前記の面談で、「リ」准将は、「安保研を通じてアメリカの現場を訪問すれば、アメリカの関係者から直接的な処理方法についての知見の提供を行うことも可能だ」と言った(十一月二十八日内閣委員会での国土交通副大臣の答弁)そうだが、その発言に関して次のことを明らかにされたい。
  ア 「リ」准将は、「安保研を通じてでなければいけない。」という趣旨で言ったのか。もしそうだとするとその理由は何であると判断したのか。
  イ 「アメリカの関係者」は、「アメリカ国防省の化学兵器関係者ら」(同答弁)を指すと思われるが、国防省の職員から知見の提供を受けるのに、なぜ、安保研を通じなければならないのか。国の機関を通じても可能なのではないか。
  S 国土交通省と安保研の契約において、安保研に対する業務委託の具体的内容は何か。
  21 「安保研への業務委託契約に先立って業務方針について打合せを行い、安保研から研究員五人が出席した。また、平成十四年度業務報告書によれば、この業務について七人の担当者が配置されている。」と答弁(十一月二十八日内閣委員会)されているが、「研究員五名」と「七人の担当者」の氏名、専門分野(出身、所属組織など)、担当分野を明らかにされたい。
  22 前記の安保研への業務委託で行われた調査検討業務の成果(報告書など)は、いつ、どのようなものとして出されているのか。
  23 本件に関し、国土交通副大臣は、「防衛庁、外務省などに相談いたしましたが、最終処理方法について具体的かつ有用な情報が得られない状況であった。」と答弁(十一月二十八日内閣委員会)しているが、防衛庁、外務省は、なぜ、国問研が進めている中国の遺棄化学兵器処理事業に関する調査研究や福岡県の苅田港での遺棄化学兵器問題への取り組みについてどのような情報提供をしたのか。
  24 神奈川県寒川地区の危険物質の処理作業は、どのように行われたのか(いつ、どのような手続で発注され、どこが、いくらで受注しているのか、等)。また、平成十五年度と平成十六年度に行われている調査検討業務との関係はどうなっているのか(本来であれば、調査検討が終わってから、処理作業が発注されるものなのではないか。)。
 (3) 中国案件と苅田港案件との差異について
  @ 中国での処理事業はどのような技術方式でやるのか。また、どのように発注していくことになるのか。
  A 中国での遺棄化学兵器に使用する処理方法(加熱爆破式、国問研の調査、外務省の発注、調査研究費百五十億円)は、苅田港の処理方法(制御爆破式、安保研の調査、防衛庁の発注、調査研究費九百万円、神戸製鋼の受注)に比べ違いが大きいが、国際的には、どちらが一般的か。
  B 平成十五年当時に、内閣府と防衛庁の連携はどうなっていたのか。
  C 両者の調査費用の差がありすぎるのではないか。説明を求める。
  D どちらの爆破方式を選定するかによって、どの企業に委託するかに大きな影響があるのではないか。
  E 苅田港の処理事業が神戸製鋼に発注された経緯を問う。
  F 苅田港の処理事業に関する入札では、神戸製鋼以外に、JFEエンジニアリングのみが応札したと聞くが、事実か。また、JFEが入札において使用することとしていた処理方法は加熱爆破式であったと聞くが、事実か。
  G 第二期以降、神戸製鋼へ随意契約で発注されていることの妥当性を問う。また、なぜ一括発注されていないのかの理由を問う。
  H 苅田港遺棄化学兵器処理事業を受注した神戸製鋼は、その事業を下請けに出しているか。下請けに出しているとすると、どの部分を、いくらで、どこに出しているのか。また、神戸製鋼が下請けに出す場合には、発注者(国土交通省、防衛庁)の了解(承認、許可等)を必要としているのか。
  I 前記に関し、発注者が了解をしているとすると、誰の、どのような判断で了解しているのか。
  J 「神戸製鋼から山田洋行への下請け契約は、平成十七年度(第二期)の途中で打ち切られた。」と報じられているが、事実か。また、事実とすると、どのような理由で打ち切られたのか。更に、打ち切りに当たっては、発注者は了解しているのか。
  K 制御爆破式と加熱爆破式との処理方法でコストはどのように違うのか(神戸製鋼では千万円〜三千万円/一発。中国ではどのくらいか)。
2 活竓化学兵器処理機構について
  @ 代表者・遠藤博之氏は、独立行政法人「国際協力機構」の環境社会配慮審査会委員になっているが、委員に就任した経緯を問う。
  A 平成十六年九月にJICA(国際協力機構)・外務省・国際協力銀行は、PCIに指名停止処分を行っているが、PCIの専務取締役を経験し、PCIの関係会社(活竓化学兵器処理機構)の社長であった遠藤氏が、平成十六年九月一日に前述の審査会委員になっているのはどういうわけか。

 右質問する。



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