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平成二十年二月十三日提出
質問第八三号

米海兵隊員による女子中学生暴行事件に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




米海兵隊員による女子中学生暴行事件に関する質問主意書


 またしても米海兵隊員による女子中学生に対する極悪非道な暴行事件が発生した。事件は、二〇〇八年二月十日午後十時半頃、沖縄県北谷町において、在沖海兵隊キャンプ・コートニー所属タイロン・ルーサー・ハドナット二等軍曹が、女子中学生に対して強姦を働いた容疑で逮捕されたものである。ハドナット容疑者による今回の事件は、計画的かつ執拗な犯行であり、少女の尊厳と人権を無視する悪質で許し難い蛮行と言わざるを得ない。
 沖縄には、膨大な米軍基地が存在しており、沖縄県民は、基地あるが故の、軍隊が駐留するが故の事件・事故によって苦しめ続けられている。日米両政府は、事件・事故が発生するたびに「綱紀粛正」「再発防止」などと唱えるが、何ら具体策は提示されず、実効性を持たない事が、この種の事件が続発する実態に照らせば明らかである。今回のような少女の尊厳・人権を踏みにじる卑劣な事件の再発を防止する唯一、実効ある方策は、沖縄から全ての米軍基地を撤去する事である。今回の事件の特徴的な事実は、基地外の容疑者宅に関連して事件が発生した事である。日米両政府は、再発防止のための米兵に対する「教育プログラム」の充実などに言及するが、これらの方策は、もはや実効性を有しないものであると断言せざるを得ない。
 被害者少女とその家族の心痛を思うとき、胸が張り裂けんばかりであり、強い怒りを禁じ得ない。事件に関して、被害に遭った少女には何らの落ち度もない。責められるべきは、言葉巧みに少女を誘い出し、強制力を行使して犯行に及んだハドナット容疑者である。
 以下、質問する。

一 政府は、今回の極悪非道なハドナット容疑者による女子中学生への暴行事件発生をどのように認識し、米国政府並びに在沖米軍に対して、如何なる抗議と申し入れを行ったのか。また、今度の事件発生を契機に、如何なる実効性ある方策を取ろうとするのか、具体的に示した上で、政府の見解を示されたい。
二 今回の事件は、米軍基地外に居住するハドナット容疑者宅に関連して発生している。沖縄には、沖縄市をはじめ、北中城村、嘉手納町、北谷町、読谷村、うるま市など多くの市町村の住宅街に米兵が居住している。報道によると、米軍には、一定の階級や配偶者を有する者に対して、或いは年齢や性別によって、基地外居住を認める内規があるようだ。政府が承知する係る内規を明らかにした上で、これに対する見解を示されたい。
三 本来、軍人の居住空間は、軍隊の施設内に限られるべきである。在日米軍人の基地外居住要件は、NATO軍や在韓米軍等、他国の駐留米軍受け入れ国における要件や基準と比較した場合、その実態はどうなっているのか、具体的に明らかにされたい。
四 今回の事件の実態に照らし、基地外に居住する米軍人・軍属の行動規制や管理が必要と思われる。政府には、米軍に対して係る要求を行う意思があるのか、見解を示されたい。
五 二〇〇七年十二月末現在における在沖米軍の軍人・軍属とその家族の数を、陸・海・空軍、海兵隊の四軍別に類別し、これらのうち、基地内と基地外に居住する者の区別を明らかにした上で、基地外居住者に対する政府の見解を示されたい。
六 基地外に居住する米軍人・軍属は、住民登録を行う義務もなく、当該自治体にとっては、その実数を正確に掌握する事が不可能である。そのために、防犯対策や行政運営上、多大な支障を来たしている実態がある。政府は、この現状をどのように受け止め、改善策を講じていこうとするものか、見解を示されたい。
七 今回の事件を受けて最も重要なのは、被害少女に対する十分な精神的ケアである。現時点において、今回のような被害女性がカウンセリングを受ける事は、法制度上、担保されていない。政府は、今回の事件に鑑み、性的犯罪被害者に対する精神的ケア、カウンセリング等の方法について、法制度上どのように考え、如何なる対策を講じていくつもりか、見解を示されたい。

 右質問する。



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