質問本文情報
平成二十年三月二十一日提出質問第二〇九号
外務省における白紙領収書作成についての質問に対する外務省の対応に関する第三回質問主意書
提出者 鈴木宗男
外務省における白紙領収書作成についての質問に対する外務省の対応に関する第三回質問主意書
「前回答弁書」(内閣衆質一六九第一四六号)を踏まえ、再度質問する。なお、外務省においては、「前回答弁書」にある様に、「確認されていない」という文言で質問をごまかすのではなく、以下のそれぞれの質問の趣旨を正確に捉え、答弁されることを求める。
二 外務省においては、各職員の外務省入省後の経歴をまとめた外務省職員名簿があると承知する。それを見れば、現在外務省幹部名簿に氏名が記載されている者のうちどの者が以前報道課に務めていたかについて明らかにすることは可能であり、「前回答弁書」にある様に「確認」についての記録が作成されていないことを理由に一の問いに答えられないとするのは全く理由にならないと思料する。「前回答弁書」では、一の問いに対して何ら明確な答弁がなされていないところ、外務省が一の問いに答えられない理由があるのならば、その法的根拠について説明されたい。
三 「確認」が行われた時に、外務省大臣官房長、監察査察官、官房審議官、官房参事官、大臣官房長補佐、大臣秘書官、考査・政策評価官、総務課長、人事課長、調査官、情報通信課長、会計課長、在外公館課長の大臣官房幹部の職に就いていた者の氏名をそれぞれ明らかにされたい。もし「確認」が行われた時期を明確に特定できないと外務省が言うのならば、外務省による同行記者団に対する白紙領収書の供与に関する質問主意書(平成十八年四月二十七日提出質問第二四二号)が提出されてから本年三月二十一日現在までの間に、右の任に就いていた者の氏名を全て挙げられたい。
四 本年二月五日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一六九第三一号)によると、外務省において記録が作成されていない案件についての質問に対し、外務省職員が記憶に基づいて答弁することを禁ずる内規はないとのことである。その一方で、@「確認」が行われた日にち、A「確認」を行った人物、B「確認」の対象となった人物の官職氏名、CBの人物の回答内容の四点について、記録が作成されていないのは承知しているので、外務省大臣官房所属職員の記憶に基づいてせめて@とAだけでも明らかにする様これまで重ねて求めているのに、「前回答弁書」でも何ら明確な答弁がなされていないのは、右四点について外務省大臣官房所属職員の誰一人として既に記憶にないということか。明確な答弁を求める。
五 「確認」を行った責任者は、三に挙げた当時の外務省大臣官房幹部のうち誰か。
六 「記述」の中に「一九八八〜八九年、在ソ連邦日本大使館政務班で筆者の直属の上司は原田親仁氏(現欧州局長)だった。当初、一等書記官だった原田氏はプレスアタッシェ(報道担当官)をつとめ、日本から外務大臣が訪問する際の同行記者団のアテンドを担当した。同行記者団には幹事がいるが、原田氏から、『大使館の管理班(日本からの来客に対する便宜供与や現地人スタッフの労務管理を担当する班)に行って、大使館の用箋の左上に Embassy of Japan,Moscow と書かれているレターヘッドの右下に、他人に見られないようにスタンプを押して書類を作ってこい』と命じられた。筆者が『口上書(外交上の公式文書)に用いる文書班が保管する公印でなくていいのですか』と質すと原田氏は『口上書用のスタンプではなく会計班のスタンプにするんだ』と明示的に指示した。筆者が指示された通りの書類を作り、封筒に入れて原田氏に渡すと、原田氏はこの封筒の中身を確認し、『これでいいよ。サンキュー』と筆者に告げた後、幹事社の記者に封筒を渡していた。」と、佐藤優氏と原田親仁欧州局長による、「白紙領収書」作成を巡る当時のやりとりが詳細に書かれていることについて、「前回答弁書」を含むこれまでの答弁書では「確認されていない」の一点張りだが、「確認されていない」とは具体的にどの様な意味を指すのか。例えば本年二月二十九日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一六九第九八号)では、「先の質問主意書(平成二十年一月三十日提出質問第四〇号)が提出されてから武藤顕外務省欧州局ロシア課長が、電話にて御指摘の者に確認を行ったところ、御指摘の者から、御指摘のような事実は記憶にない旨の回答があった。」と、確認に対する本人の回答が具体的に示されている。当方が求めているのも右答弁にある様な、原田局長の「確認」に対する具体的な回答内容であるところ、「確認」に対して原田局長はどの様に回答したのか、明確に示されたい。
七 六で、もし原田局長の回答内容についての記憶が、外務省大臣官房所属職員の中で既に失われているのなら、その旨答弁されたい。
八 「調査」の中に「記述」を書いた佐藤優氏が含まれていないことにつき、「前回答弁書」でも「御指摘の者が『確認』の対象に含まれていない理由を含め、記録は作成されておらずお答えすることは困難である。」との答弁がなされているが、ではなぜ佐藤優氏が「確認」の対象から外されたのか、その理由を外務省大臣官房所属職員の記憶に基づき説明されたい。
九 八で、もし佐藤優氏が「確認」の対象から外された理由についての記憶が、外務省大臣官房所属職員の中で既に失われているのなら、その旨答弁されたい。
十 佐藤優氏は「記述」の中で、「白紙領収書」作成の事実関係について、原田局長と刺し違えてでも公の場で真実を明らかにしたい旨述べているが、右の佐藤優氏の呼びかけに原田局長並びに外務省はどの様に応えるか。
十一 一般に、ある事案についての真実を確かめる際には、その事案は正しいと主張する者と、正しくないと主張する者両方の言い分を聞いて判断を下すのが公平で公正なやり方であると考えるが、「確認」に佐藤優氏が含まれていないのはいかにも不自然であると思料する。佐藤優氏が「確認」の対象に含まれていない理由についても、外務省は記録を作成していないのでわからないと言うが、現職の外務省職員でありながら「記述」にある様に詳細に「白紙領収書」作成にまつわるやり取りを明らかにしている佐藤優氏を、外務省が「確認」の対象にしなかったのは適切か。高村正彦外務大臣の見解を示されたい。
十二 「前回答弁書」を含む「白紙領収書」についてのこれまでの答弁書に、麻生太郎、町村信孝、高村正彦歴代外務大臣はきちんと目を通しているか。
十三 「前回答弁書」を含む「白紙領収書」についてのこれまでの答弁書は、当方の質問の趣旨に正確に答えた、誠意あるものであるか。高村外務大臣の見解を示されたい。
右質問する。