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平成二十年四月二十二日提出
質問第三一七号

志布志事件を担当した鹿児島県警警察官に対する表彰についての警察庁の対応及び認識に関する再質問主意書

提出者  鈴木宗男




志布志事件を担当した鹿児島県警警察官に対する表彰についての警察庁の対応及び認識に関する再質問主意書


 二〇〇三年の鹿児島県議選において中山信一氏と志布志市の運動員ら十五人を公職選挙法違反容疑で逮捕したが、後に担当警察官(以下、「担当警察官」という。)による強圧的、非人道的な取り調べが行われたことが明らかになり、全員の無罪が確定した志布志事件(以下、「事件」という。)について、「担当警察官」の一人である浜田隆広氏は、容疑者となった方々に対して容疑者の親族の名前を書いた紙を踏ませる「踏み字」と言われる行為を強要していたことで、本年三月十八日、福岡地方裁判所において懲役十カ月、執行猶予三年の有罪判決を言い渡されている。その一方で、「担当警察官」の内四名(以下、「四名」という。)が二〇〇三年十月三十一日付で鹿児島県警察より表彰を受けていたことが明らかになっている。右と「前回答弁書」(内閣衆質一六九第二八六号)を踏まえ、再質問する。

一 「踏み字」行為を強要していたのは、「担当警察官」の中でも浜田隆広氏一人のみか。
二 「前回答弁書」では、「四名」が「踏み字」行為を知った時期について、「鹿児島県警察によると、御指摘の表彰を授与された警察官が御指摘の『踏み字』行為が行われたことを知った時期が当該行為が行われた後であることは判明しているものの、その正確な時期を特定することは困難であるとのことである。」との答弁がなされているが、右は「事件」で容疑者とされた方々に無罪判決が言い渡され、「事件」が終結する以前に、「事件」の取り調べが続行している間、「四名」は「踏み字」行為を承知しておらず、「事件」が完全に終結してから「踏み字」行為に気付いたと言うことか。
三 浜田氏が事前に「踏み字」行為を行うことを宣言でもしない限り、「四名」が「踏み字」行為を、当該行為が行われた後に知るというのは当たり前の話であり、当方が問題視しているのは、「事件」が終結する以前に、すなわち取り調べが日々続けられ、「踏み字」行為がまさに行われている最中に「四名」が当該行為に気付いていたか否かという点である。もし「四名」が、「踏み字」行為が一度行われた後に、「事件」の取り調べが続行している間に当該行為を知り、知ったまま浜田氏の「踏み字」行為の強要を止めようとしなかったのならば、「四名」が直接「踏み字」行為に関わったのではないにせよ、違法行為を見逃したという点で、浜田氏同様「四名」も責めを負うべきであると考えるが、警察庁の見解如何。
四 前回質問主意書で、警察庁が平成十六年四月の時点で「踏み字」行為について鹿児島県警から報告を受けた時に、鹿児島県警に対して警察庁より何らかの意見を伝える、または注意をしたかと問うたところ、「前回答弁書」では「平成十六年四月の時点で、既に同県警察において、当該行為を行った警察官に対して、当該行為は相手方への配慮を欠いたものであったとして指導を行ったとのことであったため、その時点においては、同県警察に対して、意見を伝えるなどしなかったものである。」との答弁がなされているが、右答弁で言う「当該行為を行った警察官」とは、浜田氏を指していると理解して良いか。確認を求める。
五 四の答弁にある指導とはどの様なものか。いわゆる懲戒処分にあたるものか、それとも単なる口頭による注意を指しているのか。
六 四の答弁からは、鹿児島県警が「踏み字」行為を「相手方への配慮を欠いたもの」と認識していることが窺い知れるが、浜田氏に有罪判決が下され、司法においても「踏み字」行為が違法であるとの判断がなされたのに、それをただ「相手方への配慮を欠いたもの」とする鹿児島県警の認識は妥当か。
七 四の答弁からは、「踏み字」行為、ひいては「事件」に対する鹿児島県警の真摯な反省が見られないと思料する。鹿児島県警から四の答弁にある報告を受けた時に、警察庁として「踏み字」行為、「事件」に対する鹿児島県警の認識に、当方と同様の問題意識を持たなかったのか。
八 前回質問主意書で、各都道府県警察を指導する立場にある警察庁として、鹿児島県警に対して「担当警察官」が「事件」で容疑者とされた方々に対して謝罪を行う様、厳しく指導すべきではないのかと問うたところ、「前回答弁書」で警察庁は、これまでの答弁書と同様、個別具体的な捜査に関してどの様な謝罪を行うかは、当該捜査を行った都道府県警察において判断すべきとの従来の認識を示す一方で、「鹿児島県警察によると、御指摘の『志布志事件』について、同県警察本部長が、同県議会において、元被告人の方々に対する謝罪の答弁を行うなどしたとのことである。」と答弁している。では、鹿児島県警本部長は、鹿児島県議会における答弁ではなく、「事件」で容疑者とされ、「踏み字」行為等、強圧的、非人道的な取り調べを受けた方々に対して直接面会して謝罪を行ったのか。
九 警察庁として、「事件」に対する鹿児島県警の謝罪は済んでいると認識しているか。
十 そもそも当方は、浜田氏と「四名」はじめ「担当警察官」が「事件」で容疑者とされた方々に直接謝罪を行うべきではないかと問うている。警察庁として、その判断を鹿児島県警に委ねるのではなく、浜田氏と「四名」はじめ「担当警察官」が直接謝罪を行う様、鹿児島県警に強く指導すべきであると考えるが、警察庁の見解如何。

 右質問する。



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