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平成二十年四月二十四日提出質問第三二五号
知床における世界自然遺産区域を北方領土まで拡張させる構想に対する政府の見解に関する再質問主意書
提出者 鈴木宗男
知床における世界自然遺産区域を北方領土まで拡張させる構想に対する政府の見解に関する再質問主意書
二〇〇五年七月に世界自然遺産に登録された知床に関し、前回質問主意書で、知床と同様の生態系に属している北方領土までの世界遺産区域の拡張について、日ロが共同して申請することをロシアに働きかけてはどうか、また、知床の遺産区域の北方領土までの拡張が実現した際には、日ロ両国共同で北方領土の環境保全を行い、日ロ相互の信頼関係を構築していけば、我が国の国益に資する形での北方領土問題の解決に向けた一つの新しい手がかりになるのではないかと問うたところ、「前回答弁書」(内閣衆質一六九第二二〇号)では、北方領土を含む日ロの隣接地域の生態系の保全等に関する協力をロシアと進めることは重要であるとした上で、日ロが一緒になって北方領土までの世界遺産区域の拡張を目指し、拡張が実現した後に日ロが共同で北方四島の環境保全を行うことについては、「北方四島がロシア連邦によって不法占拠されている現状において、我が国が、ロシア連邦と共同で北方四島を含む地域を世界遺産として推薦することは、北方領土問題に関する我が国の立場とは相容れず、適当ではないと考えている。」と、我が国にとって望ましくないとする答弁がなされている。右を踏まえ、再質問する。
二 政府、特に外務省は、北方四島までの世界遺産区域の拡張を日ロ両国で目指し、拡張が実現した後に日ロ両国が共同で北方四島の環境保全を行うことが、何をもって右答弁で言う「我が国の立場」と相容れないものと考えているのか説明されたい。
三 北方四島は我が国の固有の領土であるが、例えば二〇〇六年八月に第三十一吉進丸の乗組員が、更に二〇〇七年十二月には第三十一吉定丸、第三十八翼丸、第三十八祐幸丸、第三十一豊佑丸の乗組員がロシア側に拿捕され、それぞれ船体が未だ返還されていない様に、政府、特に外務省が好むと好まざるとに関わらず、北方四島はロシアが実効的な支配を続けているのが現実であると考えるが、政府、特に外務省の見解如何。
四 三で述べた様に、ロシアが現実的に北方四島を支配していることを鑑みる時、知床の世界遺産をうまく活用し、その遺産区域を北方四島にまで拡張し、日ロ両国共同でその環境保全を図っていくことは、何も北方四島の我が国への返還を諦めるということではなく、少なくともロシアの実効支配に我が国が食い込んでいくという点で有効であると考えるが、政府、特に外務省の見解如何。
右質問する。