衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十年五月一日提出
質問第三四五号

自衛隊員の自殺防止に向けた防衛省の取り組み並びに組織のあり方に対する同省の認識に関する第三回質問主意書

提出者  鈴木宗男




自衛隊員の自殺防止に向けた防衛省の取り組み並びに組織のあり方に対する同省の認識に関する第三回質問主意書


 「前回答弁書」(内閣衆質一六九第三〇八号)を踏まえ、再度質問する。

一 本年四月十六日付の日経新聞夕刊が、「自衛官の自殺 後絶たず 他省庁公務員の二倍 防衛省、ケアに苦慮」との見出しで、国家公務員の中でも自衛官・防衛省職員の自殺件数が飛び抜けて多いことを取り上げ、防衛省が様々な対応策をとっているのにも関わらず、その傾向に歯止めがかからない旨報じた記事(以下、「日経記事」という。)を掲載している。防衛省では、自衛官・防衛省職員の自殺理由を主に「病苦」、「借財」、「家庭問題」、「職務」、「その他・不明」の五つに分類していると承知するが、年齢別に見た自衛官・防衛省職員の自殺について、過去十年間の推移を説明されたい。
二 一で挙げた防衛省における自衛官・防衛省職員の自殺理由の中でも、「その他・不明」が約六割と、最も大きい比率を占めていることにつき、いじめを苦にした自衛官・防衛省職員の自殺は「その他・不明」に含まれているのかと問うたところ、「前回答弁書」では「お尋ねの『いじめ』が『その他・不明』の区分に整理されるかどうかについては、一概にお答えすることは困難である。」との答弁がなされているが、ではいじめを苦にした自殺は、右の五分類のうちのどれに含まれていると防衛省は認識しているのか。
三 前回質問主意書で、自衛隊を含めた防衛省におけるいじめの問題について、防衛省としてその事例数、原因、加害者と被害者等、その具体的な内容を把握しているかと問うたところ、「前回答弁書」では「防衛省においては、例えば、上位の階級等にある者が、部下等に不法又は不当に精神的又は肉体的苦痛を与える行為を行った場合には、事実関係を把握した上で、私的制裁、傷害又は暴行脅迫として懲戒処分を行っているところであり、今後ともこのような行為に対しては厳正に対処していきたい。」との答弁がなされているが、当方が問うているのは、右答弁で言う「私的制裁、傷害又は暴行脅迫として懲戒処分を行っている」事例の件数や、誰から誰に対しての行為か等、その具体的な内容であるところ、防衛省として把握している過去十年間の、上位の階級等にある者が、部下等に不法又は不当に精神的又は肉体的苦痛を与える行為を行った場合に、私的制裁、傷害又は暴行脅迫として懲戒処分を行っている事例の件数、誰から誰に対しての行為か等につき、明らかにすることを再度求める。
四 「前回答弁書」によると、平成十五年七月十五日に防衛庁長官政務官(平成十九年一月九日からは防衛大臣政務官)を本部長として設置され、設置以来計十二回に渡り会議を開催してきた自殺事故防止対策本部(以下、「自殺防止対策本部」という。)において、これまで一度もいじめの問題についての議論はなされていないとのことであるが、例えば海自横須賀基地に所属していた一等海士が二〇〇四年十月に自殺し、両親が「自殺は上官のいじめが原因」として国と上官の元二等海曹を提訴している件をはじめ、自衛官・防衛省職員のいじめの問題が大きく取り上げられている中、「自殺防止対策本部」においていじめの問題について議論がなされていない理由を明らかにされたい。
五 「日経記事」で元航空自衛官の須賀雅則氏が「いじめは自衛隊では深刻な問題で、自分の在籍時にも自殺者は出ていた」「(いじめによる自殺は)管理責任に直結する。階級社会の自衛隊では上司が処分を嫌い、上層部に報告する際に(原因特定を)うやむやに済ませる傾向があった」と指摘する記述があることについて、「前回答弁書」で防衛省は「防衛省として、御指摘の記事については承知しているが、御指摘の記事で言及されている事実については確認されていない。」と答弁しているが、右の答弁は、防衛省において須賀氏が指摘する様な事実があるかどうか、然るべき調査をした上での答弁か。
六 五で、然るべき調査をした上での答弁でないのならば、防衛省において、須賀氏の指摘する様な事実はあるのかないのか、然るべき調査をした上で答弁することを求める。
七 防衛省は自殺防止対策の一環として、カウンセラーによる二十四時間体制の電話相談窓口の番号を自身の携帯電話に登録する様、本年四月から自衛官に周知していることに関連し、「前回答弁書」では「電話相談窓口の開設を委託している業者の選定については、…当該役務に対応可能な業者との間で…随意契約を締結したものである。」との答弁がなされているが、右答弁にある「当該役務に対応可能な業者」とはどの業者を指しているのか明らかにされたい。
八 七の業者が防衛省における自衛官・防衛省職員の自殺防止のための施策に対応可能であると防衛省が考えている根拠を示されたい。
九 七の業者に、旧防衛庁並びに防衛省から天下った者はいるか。いるのならば、その者の氏名と退職前の官職を明らかにされたい。
十 防衛省におけるいじめの問題について、それが「病苦」、「借財」、「家庭問題」、「職務」、「その他・不明」のどれに含まれるかも防衛省としてきちんとした答弁ができず、また、五で触れた様に、元自衛官が指摘する防衛省における深刻ないじめの問題についても、「確認されていない」として、真実を明らかにしようとする姿勢も見られない。自衛官・防衛省職員の自殺の理由が全ていじめによるものではないにしても、防衛省として今真っ先に取り組むべき事は、いじめ問題等、防衛省という組織の内部に蔓延る悪しき部分に正面から目を向けることであり、カウンセラーの電話番号等を自衛官・防衛省職員の携帯電話に登録させる等という小手先の対応をとることでは断じてないと考えるが、石破茂防衛大臣の見解を示されたい。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.