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平成二十年六月四日提出
質問第四七六号

一九九六年五月のビザなし交流で起きたとされる暴行事件に対する外務省の説明に関する第三回質問主意書

提出者  鈴木宗男




一九九六年五月のビザなし交流で起きたとされる暴行事件に対する外務省の説明に関する第三回質問主意書


 一九九六年五月二十五日から二十七日までの日程で国後島を訪問したビザなし交流(以下、「ビザなし交流」という。)による北方四島訪問団(以下、「訪問団」という。)に同行した、現在外務省国際情報統括官第四担当の任に就いている加賀美正人氏が、同じく顧問として「ビザなし交流」に参加した当方より暴行(以下、「暴行」という。)を受けたとされている件について、これまで累次に渡り質問主意書を提出してきたが、これまでの答弁書でも、また「前回答弁書」(内閣衆質一六九第四二八号)でも、残念ながら外務省より何ら明確な答弁を得られていない。外務省においては、曖昧な内容の回答をもって無理矢理答弁となすのではなく、質問の趣旨をきちんと踏まえた上で答弁することを求め、再度質問する。

一 当方が保管している「訪問団」の日程表の写しと、外務省において保管されているものは同じものであり、またどちらにも「記念樹の贈呈」という文言が書かれていることがこれまでの答弁書で明らかになっている。また、外務省はこれまでの答弁書で、「ビザなし交流」五周年を記念した桜の植樹(以下、「植樹」という。)と、その「植樹」のために苗木を事前に持ち込むこと(以下、「苗木の持込」という。)については、事前に承知しておらず、また北海道庁からも事前の協議はなされなかったとしている。しかし、確かに「訪問団」の日程表には「植樹」、「苗木の持込」という文言が明記されているわけではないにしろ、「記念樹の贈呈」という文言から、何らかの樹木を北方領土に居住するロシア人等に渡すことを意味し、またそれを贈呈するために、その樹木を北方領土外から持ち込むことが想定されるのではないかと前回質問主意書で問うたが、「前回答弁書」では何の答弁もなされていないところ、再度質問する。
二 「植樹」及び「苗木の持込」について外務省が北海道庁から事前に協議を受けていなかったにせよ、一九九六年四月三十日付の「訪問団」の日程表を手にした時点で、「記念樹の贈呈」という文言に、外務省として当時何の疑問も抱かなかったのか。「前回答弁書」では何の答弁もなされていないところ、再度質問する。もし外務省が、当時から既に十年以上の時間が経過していることを理由に、当時の対応の詳細がわからないとするならば、現時点より判断して、当時の対応には不手際があったか否か、外務省としてどう認識しているかを明らかにされたい。
三 「前回答弁書」で外務省は、「質問主意書に対しては、その内容を理解し答弁しているものと認識しており、先の答弁書(平成二十年五月二十三日内閣衆質一六九第三九一号)九、十四及び十五について等で述べているとおり、報告書には、御指摘の議員の御指摘の者への対応が具体的に記載されており、御指摘の事実は十分な客観性を有していると考えている。」と答弁している。確かに、当方が入手した、後に加賀美氏が外務省に提出した「暴行」の詳細等について書かれた報告書(以下、「報告書」という。)の写しによると、「植樹」及び「苗木の持込」等をめぐる、当方と加賀美氏のやり取りが詳細に書かれている。しかし、当方が問うているのは、「報告書」の写しの七頁には、「暴行」について「(リ)これに対し加賀美補佐が拒否し、『書け』『書かない』の言い合いとなった結果、激昂した鈴木議員は『何をいうか』と言いつつ、加賀美補佐の足を蹴り、また顔面を殴った(鈴木議員は飲酒していた)。」と、生々しい「暴行」の様子が書かれているのにもかかわらず、本年四月十一日の政府答弁書(内閣衆質一六九第二五六号)において、「暴行」とは具体的にどの様なものであったかという質問に対して「『報告書』からは明らかではない」旨の答弁がなされているのはなぜかという点である。右は、「報告書」の客観性云々ではなく、なぜ「報告書」にきちんと書かれていることについて外務省がウソを言ったのか、その理由を明らかにせよということである。「報告書」の写しには、「暴行」の様子が生々しく書かれているのにもかかわらず、外務省が「『報告書』からは明らかではない」と、人を欺く答弁をしたのか、その理由を明確に述べられたい。
四 当方は断じて加賀美氏に対して「暴行」を働いていないが、外務省は当方がウソを言っていると認識しているか。
五 これまでの質問主意書で重ねて述べている様に、当方は「暴行」が本当にあったのかどうか、「訪問団」団長である辻中義一羅臼町長、野村義次北海道議会議員、中津俊行根室支庁長、大濱芳嗣総務庁北方対策本部参事官補佐(いずれも当時)の四名に対し、弁護士を通じて二〇〇二年三月十三日、十四日の二日間にわたり聞き取り調査を行っている。右四名の聞き取り調査に対する回答の内容を、聞き取り調査を記録した文書(以下、「文書」という。)にある通りに前回質問主意書に掲載したが、外務省は四名の回答内容に目を通したか。「前回答弁書」では何の回答もなされていないところ、再度質問する。
六 「文書」の中には、大濱芳嗣総務庁北方対策本部参事官補佐による以下の回答がある。
 「テーブル叩いて激昂されてたところはもちろん同じ部屋におりましたから、それはもうそこの場で感じ取っておりますけれども、先生がその立ち上がって加賀美氏を殴ったとか、足蹴にしたという場面、シーンというのは、私は見ておりませんから知らないっていうことですね。事実としては。」
 右の大濱氏の回答は、「暴行」についての「報告書」の記述の内容と食い違うが、外務省は大濱氏の回答はウソを言っているものと認識しているか。外務省の見解を明確に述べられたい。
七 「文書」の中には、辻中義一羅臼町長による以下の回答がある。
 「激昂されておりまして、机たたいたり、なんかしておられまして、私らはそういう事で、自分らの落度ですから、これは仕方のないことだと思っておりまして、ただね、私らいる時には、殴るとか、蹴るとかっていうのは無かったというふうに思ってます。そういう記憶が全く無いんですよ。そういう場面に会ったっていうのは。」
 右の辻中氏の回答は、「暴行」についての「報告書」の記述の内容と食い違うが、外務省は辻中氏の回答はウソを言っているものと認識しているか。外務省の見解を明確に述べられたい。
八 「文書」の中には、野村義次北海道議会議員による以下の回答がある。
 「だから私はあの今日の夕刊を見ましてね、こっちの夕刊にもそれ出てるんですよ、だから何を馬鹿なことを言っているんだと、鈴木先生にも言ったのは、行って話しするかっての、私が、そんなことはあり得ないことだから。それやったことはね、それは手打ちであったり、色んなことがありますよ。だからといって、政治家が一介の職員を殴ったり蹴ったりなんて、常識の問題ですよそんなことは。だから外務省そのものがおかしいよ、僕らに言わせると。」
 「だから、極端な言い方をするとね、テーブルを叩いて、手をあげてますからね。座って、テーブル叩くわけですから、その時に、あの、外務省もそうそばにいますから、それにふれたかふれないかという問題はあるのかもしれませんね。そんなことは殴ったとか何だとか言う問題とは全然違いますよ。」
 右の野村氏の回答は、「暴行」についての「報告書」の記述の内容と食い違うが、外務省は野村氏の回答はウソを言っているものと認識しているか。外務省の見解を明確に述べられたい。
九 「文書」の中には、中津俊行根室支庁長による以下の回答がある。
 「そのときですね、私、ずっとですね。最初の段階は、最初はいなかったと思うんです。私ね。それで途中も何度かですね、中座というかしてますんでですね、全部がですね、この場にいたわけじゃないんですけど。いわゆる暴行ということについてはあまり記憶がないんですけども。」
 「私がいた時間帯、まあどのぐらいいたかちょっと記憶にないんですけども、少なくとも一緒に全部、外務省の人といたわけじゃないんですけど、私がいた時間の中ではですね、今、言ってる蹴るとか何かというものは私は無かったと思います。」
 「ただ、先生もですね。激昂されてですね。テーブル叩いたりなんかしてですね。手を置いたりなんかされてね。あのテーブルを叩いておりました、そういうことはありましたけどもね。でもその我々の一般的に言う暴行というようなね、そういう行為はなかったという、私の知る限りではなかったと思います。」
 右の中津氏の回答は、「暴行」についての「報告書」の記述の内容と食い違うが、外務省は中津氏の回答はウソを言っているものと認識しているか。外務省の見解を明確に述べられたい。
十 「前回答弁書」では、「現在外務省において保管されている診断書の写しにおいては、当該部分は黒塗りされている。」と、「暴行」の後、加賀美氏が医師の診察を受けて書かれ、後に外務省に提出された診断書(以下、「診断書」という。)のうち、加賀美氏が診察を受けた病院並びに医師名が書かれた部分が黒塗りにされているとの答弁がなされているが、「診断書」は、始めから当該部分が黒塗りされた状態で提出されたのか。
十一 「診断書」の当該部分が黒塗りされたのはなぜか。
十二 十で、外務省が始めから病院名と医師名が明らかにされていない状態の「診断書」を受け取ったのなら、それは「暴行」を証明するものとして信頼に足るものか。
十三 そもそも「診断書」にある全治約一週間のけがとは、自分で転んだ程度の極めて軽微なものであり、仮に「報告書」にある通り、当方が加賀美補佐の足を蹴り、また顔面を殴ったのならば、もっと全治に時間を要する診断結果が出るものと考えるが、外務省の見解を明確に述べられたい。
十四 「暴行」について、外務省より当方に事情を聞いたことはあるか。
十五 十四で、聞いたことがないのなら、その理由を明らかにされたい。「暴行」の一方の当事者のみの話をもって「暴行」があったとする外務省の判断には全く信ぴょう性がないと考えるが、なぜ外務省は当方に事情を聞かないのか説明されたい。
十六 なぜ加賀美氏並びに外務省は、「暴行」について当方を刑事告訴しなかったのか。その理由を明らかにされたい。
十七 「報告書」は真に信頼に値するものか。現在加賀美氏は長期休暇を取得中であるが、いつ頃職務に復帰するかも明らかにせず、不可解な形で欠勤を重ねている者の言うことが信頼に足るのか。外務省の見解如何。

 右質問する。



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