質問本文情報
平成二十年六月十七日提出質問第五四七号
外務省においてかつて存在したと言われている裏金組織「ルーブル委員会」についての質問に対する同省の不誠実な対応等に関する第三回質問主意書
提出者 鈴木宗男
外務省においてかつて存在したと言われている裏金組織「ルーブル委員会」についての質問に対する同省の不誠実な対応等に関する第三回質問主意書
「前回答弁書」(内閣衆質一六九第四六五号)を踏まえ、再度質問する。
二 「前回答弁書」で外務省は、「適切」と「十分」の定義についてそれぞれ「適切とは、一般に、ふさわしいこと、また、そのさまをいうものと承知している。」「十分とは、一般に、物事が満ち足りて、不足のないさまをいうものと承知している。」と述べている。その一方で、「ルーブル委員会」及び「調査」については「御指摘の在モスクワ日本国大使館における裏金問題に関する質問主意書(平成十七年十月十一日提出質問第一四号)が提出されて以降、大臣官房において当時在ロシア日本国大使館で勤務していた職員を中心に聞き取りを行う等適切かつ十分に調査を行い、その結果、『ルーブル委員会』なる組織が在モスクワ日本国大使館内において存在したことは確認されておらず、また、既にお答えした以上の調査の内容については、記録は作成しておらずお答えすることは困難である。」との答弁をしているが、記録が作成されておらず、誰が担当責任者となって行われたのかすら定かでなく、更には現職の外務事務官でありながら、「ルーブル委員会」の存在を公の場で訴えている佐藤優氏がその対象に含まれていない「調査」が、どうして「ふさわしいこと、また、そのさまをいうもの」、「物事が満ち足りて、不足のないさま」であると言えるのか。外務省が「調査」が適切かつ十分に行われたというのなら、きちんと記録を作成し、担当責任者を明らかにし、更には佐藤氏をその対象に含めるべきではなかったのか。
三 前回質問主意書で、外務省は「ルーブル委員会」に関する佐藤氏の言動は全くのデタラメで、ウソを言っているものと考えているかと問うたが、「前回答弁書」では何の回答もなされていない。外務省が右の質問に答えない理由を明らかにされたい。
四 前回質問主意書で、外務省は佐藤氏が「ルーブル委員会」の存在を公の場で訴えることが外務省の名誉を毀損するものであると認識しているかと問うたが、「前回答弁書」では何の回答もなされていない。外務省が右の質問に答えない理由を明らかにされたい。
五 外務省が「調査」に佐藤氏を含めなかった理由について、「前回答弁書」で「先の答弁書(平成二十年一月十一日内閣衆質一六八第三六五号)四について等で述べたとおり、外務省としては、本件について、特定の職員に対して処分を行う必要があるとは考えておらず、処分を行っていない。」と答弁している。右答弁からは、更に昨年十二月二十一日の政府答弁書(内閣衆質一六八第三二四号)に辿り着き、そこで外務省が佐藤氏に対して処分を行わない理由について「外務省としては、職員から寄稿(出版)届の提出があった場合、我が国の外交政策の在り方等に関する無用の誤解等を避ける観点から意見を伝えているが、当該意見の内容や当該職員とのやり取り等については、寄稿(出版)の準備段階に際し、当該職員の個人としての見解に関し、公表を前提としないで行われた部内のやり取りであること等から、外務省として、お答えすることは差し控えたい。外務省として、御指摘の出版社に対しては、御指摘の職員の個人としての見解について意見を伝える必要があるとは考えていないため、意見は伝えていない。また、外務省としては、本件について、特定の職員に対して処分を行う必要があるとは考えておらず、処分を行っていない。」との答弁がなされている。右答弁からすると、佐藤氏が現職の外務省職員でありながら、「ルーブル委員会」という裏金組織がかつて在モスクワ日本国大使館で存在し、原田親仁欧州局長等、現在外務省で幹部の任に就いている職員がそのしくみを利用して、不法な形で私的な蓄財に励んでいたということを公の場で訴えても、しかも国会の場で職を賭してでも明らかにしたいと訴えても、我が国の外交政策のあり方等に関して無用の誤解を招くことはなく、外務省にとって何の不名誉となることもないから、外務省として佐藤氏に処分を行う必要がないと考えているものと理解して良いか。確認を求める。
右質問する。