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平成二十年六月十八日提出
質問第五六〇号

生活保護の通院移送費に関する質問主意書

提出者  山井和則




生活保護の通院移送費に関する質問主意書


一 「通院に要する交通費の負担が医療機関に受診することを阻害するものでない」と福祉事務所に判断され、移送費が支給されない場合、結果的に生活扶助費から通院交通費を捻出することになる。生活扶助基準に通院交通費が含まれているという解釈をとらなければ、このような運用を正当化することは不可能である。
 しかしながら、ホームレス自立支援施設や養護老人ホーム等のいわゆる医療扶助単給施設入所者は通院に使う交通費を持ち合わせていない。また、保護施設入所者や介護老人福祉施設入所者等、生活扶助基準が低い者は通院交通費を捻出することが困難である。さらに、医療移送費は生活扶助基準等とは別に生活保護開始時の要否判定に用いられる費目となっている。これらのことは生活扶助基準には通院交通費は含まれないものとして制度設計されていることの証左であると考えるが、この点についての厚生労働省の見解を明らかにされたい。
二 「高額」の基準額を具体的に示すことは困難である理由として「電車、バス等の料金は地域によって異なるものであり、実際に最寄りの医療機関に行くまでの交通費の負担も地域によって様々である」ことを挙げている。
 しかし、生活扶助基準が同額である自治体間において「高額」の基準が異なり、生活扶助費の中から捻出しなければならない通院交通費の額が異なれば、生活に必要な需要は同じであるにもかかわらず、たまたま住んでいる地域の福祉事務所の判断により最低生活保障の水準に差が生じることとなり、憲法二五条および生活保護法の理念に著しく反する事態が生じることとなるが、この点についての厚生労働省の見解を明らかにされたい。
三 厚生労働省としては、福祉事務所が「通院に要する交通費の負担が医療機関に受診することを阻害する」かどうかをいかなる基準・要素によって判断すべきと考えているのか、具体的に示されたい。
四 「通院に要する交通費の負担が医療機関に受診することを阻害する」場合は所要の交通費が「高額」でなくても移送費が支給されるものと考えてよいか。
五 四において、たとえば五〇〇円、一〇〇円でも必要な通院と認められれば、支給されるものと考えてよいか。
六 前回答弁書(内閣衆質一六九第三九九号)には「従来より、通院に要する交通費の負担が医療機関に受診することを阻害するものでない場合は、当該交通費は「移送に必要な最小限度の額」に該当せず、医療扶助の移送費を支給しないこととして」いるとあるが、その証左となる過去の通知や会議等での説明資料などの文書があればその内容を示されたい。無いとすれば、その理由は何か。
 また、平成二十年三月二十一日に七都県市の生活保護担当課長が発した要望書や平成二十年五月九日の疑義照会などにもあるように、多くの自治体において、今回の移送費通知は従来の取扱を大幅に変更するものと受けとめられているが、厚生労働省としてはこれらの自治体の認識は間違っていると考えているのか。
七 今回の移送費通知に関して、自治体から受けている文書での疑義照会について、照会を発した自治体とその内容およびそれに対する厚生労働省の回答内容を詳細に示されたい。未だに回答をしていないものについては、いつ回答をする予定であるのか、また回答が遅れている理由を示されたい。

 右質問する。



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