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平成二十年十一月六日提出
質問第二一二号

「リアリティツアー2 六二億ってどんなだよ。麻生首相のお宅拝見」ツアー参加者の逮捕勾留に関する質問主意書

提出者  阿部知子




「リアリティツアー2 六二億ってどんなだよ。麻生首相のお宅拝見」ツアー参加者の逮捕勾留に関する質問主意書


 本年十月二十六日午後三時五十分前後、「麻生首相のお宅拝見」ツアー(以下「ツアー」という。)の参加者のうち三名が、突如警視庁渋谷警察署の警察官に現行犯逮捕される事件が発生した。右を踏まえ、以下質問する。

一 我が国における「集団示威運動」または「集団示威行動」、「集団行進」の定義、及び要件についての政府見解を明らかにされたい。
二 当日、渋谷警察署警備課課長は、「ツアー」参加者に対し麻生邸の規制区域に近づいたら「五、六名ずつ行く分には構わない」、「歩道を歩く分にはいい」旨を通知していたと聞いている。「ツアー」参加者はその指示通り行動していたにもかかわらず、同署は規制区域からはるか遠い地点で、警告もなしに参加者三名を逮捕した。
 @ 渋谷警察署警備課課長が参加者に通知した内容を把握しているか。また、同課長の通知内容は、当日の「ツアー」は集団示威運動または集団行進ではないと認識し許可したものと言えるが、政府の認識及びその根拠を明らかにされたい。
 A 何ら警告もなしに三名を逮捕した事実を把握しているか。
三 「東京都集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例」(以下「東京都公安条例」という。)第一条には、「道路その他公共の場所で集会若しくは集団行進を行おうとするとき、又は場所のいかんを問わず集団示威運動を行おうとするときは、東京都公安委員会(以下「公安委員会」という。)の許可を受けなければならない。但し、次の各号に該当する場合はこの限りでない。 1 学生、生徒その他の遠足、修学旅行、体育、競技 2 通常の冠婚葬祭等慣例による行事」と定められている。
 憲法第二十一条には、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」とあり、東京都公安条例第一条は、憲法第二十一条に違反すると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。もし憲法違反でないとするならば、その根拠を示されたい。
四 今回の「ツアー」参加者三名の逮捕は、憲法第二十一条に違反すると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。もし違反しないというのであれば、その根拠を示されたい。
五 東京都公安条例第四条には、「警視総監は、第一条の規定、第二条の規定による記載事項、前条第一項但し書の規定による条件又は同条第三項の規定に違反して行われた集会、集団行進又は集団示威運動の参加者に対して、公共の秩序を保持するため、警告を発してその行為を制止その他その違反行為を是正するにつき必要な限度において所要の措置をとることができる。」と定められている。今回の「ツアー」では、東京都公安条例違反として逮捕された被逮捕者に対し、警告も発せず、違反行為の是正をすることもなかった。にもかかわらず逮捕に及んだという事実を把握しているか。もし、警告を発したり、是正をしたというならば、何時何分、誰が、どのような警告を発したと把握しているか明らかにされたい。
六 今回の「ツアー」の現場において、被逮捕者三名の逮捕を指示したのは誰と把握しているか。所属、階級、氏名を明らかにされたい。
七 今回の「ツアー」において、通常、警備にあたる警察官以外に、私服警察官が三十人ほど動員されており「ツアー」参加者を監視していた。
 @ 私服警察官はどのような職務にあたっていたと把握しているのか。職務内容を明らかにされたい。また動員を指示したのは誰か。所属、階級、氏名を承知しているか。承知しているならばそれぞれについて明らかにされたい。
 A 「ツアー」への私服警察官の動員は、「ツアー」参加者の人数を超えるものであり、明らかに過剰警備と考える。このような事実を承知しているか。これは過剰警備と考えるかどうか政府の見解を明らかにされたい。過剰警備と考えないのであれば、その根拠を示されたい。
八 政府は、首相の私邸である麻生邸を拝見する今回の「ツアー」に関する情報を事前に把握していたと考えるが、この情報を把握したのはいつで、どの機関か。また、政府は、この「ツアー」が単に麻生邸を拝見するに過ぎないものであるということを事前に承知していたのか。更に、警備についてなんらかの指示をしたのか。したとすればいつ、どの機関の誰が指示をしたのか。指示をした根拠は何か。明らかにされたい。
九 政府は、今回の「ツアー」における被逮捕者三名に接見禁止がついていない段階で、弁護士が二時間あまりも被逮捕者に接見できなかったという事実を把握しているか。していたとすれば、二時間も弁護士に接見させなかったのは、人権問題と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
十 今回の「ツアー」での被逮捕者三名の押収品のすべては、被疑事実と関係のない衣服、靴、携帯電話、ノート、手帳、鍵などであった。これらを領置品とせず、押収品としている事実を把握しているか。押収品とすることは法的に問題があると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。法的に問題ないとすればその根拠は何か。
十一 今回の「ツアー」における被逮捕者のうち、アスペルガー症候群及び鬱病を罹患している一名に対する取り調べにおいて、取調官が、被逮捕者が携帯していた当人の悩みを綴った日記を当人の前で読み上げたが、このような事実を把握しているか。日記は、被疑事実とは関係ないものであり、取調官の行為は被逮捕者のプライバシーを侵害するものであり、かつまた被逮捕者に対する精神的拷問にあたると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
十二 警視庁は今回の「ツアー」での被逮捕者を勾留し続けている。被逮捕者は、現行犯逮捕されており、勾留を続ける根拠はないと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

 右質問する。



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