衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十年十二月十一日提出
質問第三三三号

三年後に名目成長率を二〜三%にするための財政出動に関する質問主意書

提出者  滝  実




三年後に名目成長率を二〜三%にするための財政出動に関する質問主意書


 麻生首相は三年後に景気回復を前提として消費税増税をお願いすると発言され、前提とする景気回復とは、名目成長率が二〜三%であると報道されている。このことに関して質問する。

一 「一〇〇年もつ年金改革」で前提とされた名目成長率は三%であるが、これまでこの成長率が達成されたことはない。しかし、景気の落ち込みにより今後一〜二年間、名目成長率がマイナスになれば、三年後の名目成長率二〜三%の数値を容易に達成することができる。したがって、名目成長率の数値は消費税増税に踏み切る前提条件を示す数値としては意味のないものであり、意味のない数値を消費税増税判断の厳格な基準のように受け取れる発言は不適当ではないのか。
二 仮に、今後三年間連続して名目成長率が二〜三%であること、または消費税増税の前提として平成十九年のGDPを基準に名目成長率を二〜三%まで引き上げることなどの基準を設定するのであれば、そのための経済対策として今後三年間の財政出動はどの程度の規模なのか、そのための財源としての国債はどの程度の規模なのかを政府は国民に示すべきではないか。
 また、そのためには計量経済モデルを使って試算した結果を明らかにすべきではないか。
三 最近の内閣府発表の名目成長率の予測を見ると、実際より大幅に高い成長を予測し、後で下方修正を繰り返している。二〇一一年度の基礎的財政収支の予測も何回も悪化の方向に修正されてきたのは、内閣府の計量経済モデルに大きな欠陥があり経済の予測能力に問題があることを示しているのではないか。
 したがって、二で明らかにするよう求めている試算は、内閣府の計量経済モデルの欠陥を早急に修正して信頼できるモデルにした上で行うか、民間で使用されている多くの計量経済モデルにより行う必要があるのではないか。
四 第二次補正予算の財政支出五兆円のGDP押し上げ効果は〇・五%と言われている。三%の押し上げ効果を期待するには、単純比例計算で、五兆円の六倍の三十兆円の財政支出で達成できることになる。しかし、未曽有の経済危機に陥っている日本経済がこの程度の財政出動で回復できるかどうか疑問であろう。政府は、このような疑問に応えるためにも計量経済モデルを使った試算を行うべきだと思うがどうか。
五 十二月三日に麻生首相は「景気対策と財政再建は両立しないわけではない」と発言された。このことは、多くの計量経済モデルによる試算で正しいことが示されている。景気対策により、GDPが増加すれば国の債務のGDP比が減少し、税収が増えれば基礎的財政収支も黒字化することが示されている。このことを政府は数値で示し国民に正確に伝えるべきではないか。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.