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平成二十年十二月二十二日提出
質問第三七一号

医薬品のインターネット販売に関する再質問主意書

提出者  前原誠司




医薬品のインターネット販売に関する再質問主意書


 答弁書(内閣衆質一七〇第二四一号)を踏まえ、再質問する。なお、ここでの「医薬品のインターネット販売」とは、薬局としての許可又は医薬品の販売業の許可を取得している者がインターネットという手段を用いて行う販売を指すものとし、以下単に「ネット販売」と記述する。

一 答弁書の「一について」に関して再質問する。「インターネットにより一般用医薬品を購入したとの記載がある事例において入院を要する被害が生じた旨の副作用被害報告があることが確認された」との回答であるが、その内容(購入した医薬品の種類、名称及び成分、入院を要する被害の内容、被害に関わる副作用情報を薬剤師等が当該医薬品の販売の際に把握しうる状況にあったのか、事前抑止・再発防止のために講じた国民や販売業者への情報提供などの措置状況等)を詳細に教えていただきたい。また、本事例において、当該一般用医薬品の購入と副作用被害との間の因果関係と対面販売により当該副作用被害が防げたとするならば、その理由も併せて教えていただきたい。
二 平成十九年度の一般用医薬品による副作用報告は、本年七月二十四日に開催された「平成二十年度第一回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会」の資料として既に報告されているにもかかわらず、厚生労働省は、規制改革会議との公開討論(本年十月七日開催)の場では把握していないと答え、今回報告があることが確認されたと回答しており、矛盾している。これらの経緯に対する真摯な説明を求めたい。
三 答弁書の「五について」に関して再質問する。
 (一) 回答によれば、「情報提供は、対面販売の際に薬剤師等が行うこととし」とある一方で、本年九月十七日に厚生労働省が公表した省令案では、第一類医薬品の販売については、「薬剤師の管理及び指導の下で薬剤師以外の従事者に販売させる」方法も認められ、第二類医薬品の販売については、「薬剤師又は登録販売者の管理及び指導の下で薬剤師又は登録販売者以外の従事者に販売させる」方法も認められている。これは、「薬剤師等が、消費者に対して、直接、効能効果、副作用、使用取扱い上の注意事項を告げて販売する」との「対面販売」と矛盾するのではないか。
 (二) 回答によれば、「「郵便その他の方法」は、薬局又は店舗以外の場所に居る者に対して、薬局開設者等が販売又は授与を行う場合のすべての方法を指すものである」とのことなので、第一類及び第二類医薬品は、直接手渡しで販売するということになると思われる。そうであれば、ネット販売だけでなく、カタログ販売、電話注文による販売等の通信販売において、すべからく当該医薬品の販売はできない方針と解してよいか。
四 答弁書の「六の(一)について」に関して再質問する。回答によれば、「身体の状態等を把握した上で」とあるが、改正後の薬事法において、この条件を対面販売なら担保できるとし、ネット販売では担保できないとする理由如何。例えば、対面販売において直接顔を合わせるだけで購入者の身体の状態等を全て見通すことはできないのではないか、また、本人ではない代理人が購入に来店した場合、その代理人と顔を合わせても使用者である本人の身体の状態は分からないのではないかといった点が疑問のため、身体の状態等の把握につき「直接顔を合わせる」ことのみを必須の条件とすることには疑義があり、他のルール化が必要と考えるが、見解如何。
五 答弁書の「六の(二)について」の回答内容については、ネット販売でも達成できると考える。内容確認ボタン等により購入者の理解の確認は可能であり、電話・メール等の双方向性を持ったコミュニケーション手段を活用すること等で助言と助言に対する質問もできるので、「直接顔を合わせること」を必須とする理由はない。「円滑な意思疎通」につき対面販売では確保できる、ネット販売では確保できないとすることに合理性がないと考えるが、見解如何。
六 質問主意書の六の(五)についての回答は、他の問への回答と合わせる形での回答に過ぎず、この問自体への回答は全くなされていないので、再度質問する。
七 答弁書の「六の(六)について」に関して再質問する。「検査の時期やその時の状態等によって正しい結果が得られない場合」があり、その場合を前提とした「誤った使用方法等」を回避することが、直接顔を合わせる対面販売のみでしか可能ではない理由を明確に説明されたい。直接顔を合わせない限り、検査の時期やその時の状態等を薬剤師等専門家は把握できないという主張でなければ規制の合理性を説明できないと考えるので説明を願いたい。
八 答弁書の「七について」に関して再質問する。現状行われているネット販売について、対面販売と比較したときに対面販売でないことに起因とする副作用事故が多数発生しているなどの数値的データは存在せず、新たな規制を課すために必要なデータの裏づけを基にした説明は何も示されていないが、それに対する見解如何。
九 答弁書の「八について」に関して再質問する。
 (一) 回答では「情報提供が十分に行えない場合があり」とあるが、その内容を具体的に示していただきたい。
 (二) 回答では「購入者側が情報提供を求めた場合の対応に時間を要する場合」とある。そもそも質問主意書の八の(二)においてネット販売に即時性がないことを問題視することへの疑義を呈したが、その質問につき回答が全く無いので、明確に回答していただきたい。
 (三) 回答では「薬局又は店舗では、薬剤師等であることを掲示し、及び着衣又は名札により判別させる」とあるが、ウェブ上で薬剤師等の資格の情報を示すことで薬剤師等であることを掲示し、名前や顔等を公表させることで判別させることができる(薬剤師であれば厚生労働省のホームページ上で氏名を検索できる仕組みもある)ので、ネット販売では、薬剤師等が情報提供を行っているかどうかを購入者等が確認することは困難であることはないと考えるが、見解如何。
十 答弁書の「十及び十一について」は、新法第三十六条の五及び第三十六条の六の規定の具体的な内容として改正案があるということのみしか回答しておらず、ネット販売を制限する規定自体に関わる内容が全く書かれていない。したがって、左記の点につき、あらためて、政府(内閣法制局)の見解を聞く。
 (一) 「対面の原則」に関する法律上の根拠規定が存在するのか否か。
 (二) ネット販売を制限する法律上の根拠規定が存在するのか否か。
 (三) ネット販売に対して省令で制限を課す合法性はあるのか否か。
十一 一般用医薬品による副作用を防ぐため適切に情報提供を行うことは必要であり、高齢者、障害者、妊婦、育児中の方についてもそれらが確保されることはもちろん重要である。一方、前回の質問主意書の九の質問で明らかにしたように、これらの方をはじめ種々の方がネット販売での購入を必要不可欠とする消費者の声があることも事実である。答弁書の「十二について」の中でも、「「IT時代にふさわしい新たなルール」を検討していくことの必要性そのものを否定するものではない」ともある。したがって、政府としては、改正法施行に向けた準備としてルール化の検討の具体的工程を示すべきと思うが、厚生労働省及び規制改革会議の見解並びに政府全体としての見解如何。

 右質問する。



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