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平成二十一年一月二十九日提出
質問第七一号

北方領土への支援物資船が国後島への上陸を断念した件等に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




北方領土への支援物資船が国後島への上陸を断念した件等に関する質問主意書


 北方領土に居住するロシア系住民へ支援物資を届けるべく、本年一月二十七日に根室港を出港した支援物資船(以下、「支援物資船」という。)が、国後島到着後、ロシア側から出入国カードの提出を求められていた件につき、外務省は同月二十八日、「支援物資船」の国後島への上陸を断念し、根室港に引き返すことを発表したと報じられている。右を踏まえ、質問する。

一 今回ロシア側より出入国カードの提出を求められたことで、「支援物資船」が国後島へ上陸できず、北方領土に居住するロシア系住民へ支援物資を届けることが出来なかったが、右は今後のビザなし交流はじめ日ロ関係、北方領土交渉にどの様な影響を及ぼすか、外務省の見解を示されたい。
二 今回「支援物資船」には外務省職員を含め計七名が乗り込んでいたと承知するが、右七名の官職等及び氏名を全て明らかにされたい。
三 昨年十月二十日、ビザなし交流で日本を訪問していたロシア外務省在ユジノサハリンスク外交代表のノソフ氏が根室市で記者会見した際に、我が国国民がビザなし交流で北方四島を訪問する場合、来年度からロシアの出入国カードへの記入が必要になる旨述べる等、ロシア政府部内で出入国カードの提出を求める動きについては昨年十月のうちに既に報じられており、今回「支援物資船」が上陸を断念せざるを得なくなったという事態が発生することは、その際十分に予見できたと思料する。そのことを指摘した当方の質問主意書に対し、昨年十月三十一日と同年十二月二十六日の政府答弁書(内閣衆質一七〇第一五八号、第三五七号)で外務省は「御指摘の者の御指摘の発言にあるような手続については、これまでにロシア連邦政府から外務省に対して求められておらず、外務省として御指摘の発言についてコメントする立場にはない。」、「御指摘の者の御指摘の発言にあるような手続については、平成二十年十二月十七日現在までにロシア連邦政府から求められておらず、外務省として御指摘の発言についてコメントする立場にはない。」と、出入国カードの提出についてはロシア政府から正式な申し入れはなされていないとの答弁をしている。右答弁は、昨年の時点で外務省として出入国カードの提出に関し、ロシア政府に何の確認もしていないということか。外務省として、昨年のうちから、出入国カードの提出に関し、ロシア政府に何らかの確認をしてきたか。
四 三で、外務省としてロシア政府に何の確認もしてきていないのなら、それはなぜか。昨年のうちにロシア側にきちんとした確認をし、ビザなし交流の意義等について再度話し合いをしておけば、今回の様な事態が生じることは防げたのではないか。
五 本年一月二十九日付の朝日新聞には、ノソフ氏が同紙の取材に答えた記事が掲載されている。右記事によると、二〇〇二年の連邦法改正により、出入国カードの記入が義務化され、ロシア内務省の移民局が同国の外務省に、連邦法の違反を厳しく指摘する警告がなされていたとノソフ氏は語っている。更にノソフ氏は、ロシア内務省移民局と同国外務省の間で、ビザなし交流の例外扱いは二〇〇八年までとする合意がなされていたと述べているとのことであるが、右のビザなし交流における出入国カードの取り扱いを巡るロシア政府部内の一連の動きを、外務省は把握していたか。
六 五で、把握していなかったのなら、それはなぜか。
七 今回の様な事態が生じたのは、外務省の見通しが甘く、十分な対応をしてこなかったこと、つまり、外務省の不作為が原因ではないのか。
八 三で触れた二件の政府答弁書は、当然閣議を経て決定されているものであると承知するが、中曽根弘文外務大臣は外務省に関連する質問主意書並びに答弁書にきちんと目を通し、その内容を十分に理解しているか。
九 八で、中曽根大臣として目を通し、その内容を十分に理解していたのなら、出入国カードの提出に関し、自身の部下である外務省職員に対して、今回の様な事態が起こることを避けるべく、ロシア政府部内の動きをはじめ、一連の情勢について調査する様指示を下したか。
十 九で、中曽根大臣が何の指示も下していないのなら、それはなぜか。
十一 「支援物資船」に積み込んだ支援物資を始め、今回の人道支援事業に要した費用は合計でいくらか。
十二 十一の費用の予算項目は何か。
十三 外務省として、今後ともビザなし交流を続ける考えでいるか。
十四 今回の様な事態が起きたのは、それが十分予見されていたのに、外務省が十分な対応をとってこなかったことが原因であると考える。外務省としてきちんとその職責を果たす意欲がなく、予見できたトラブルを防ぐことすら出来ず、十一の額の税金を無駄にしてしまうのなら、いっそビザなし交流という制度はもう廃止してはどうか。外務省の見解如何。

 右質問する。



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