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平成二十一年三月三日提出
質問第一八〇号

定額給付金制度に対する麻生太郎内閣総理大臣の見解の変化等に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




定額給付金制度に対する麻生太郎内閣総理大臣の見解の変化等に関する質問主意書


 本年三月二日、麻生太郎内閣総理大臣は、昨年十月三十日に新総合経済対策の項目の一つとして公表した定額給付金制度について、当初は給付金を受け取らないとする方針を転換し、受け取る旨の意向を示したと報じられている。また麻生総理は同日、記者団に対しても「受け取ります。直ちに消費の刺激に充てたい」と明言している。右を踏まえ、質問する。

一 先の質問主意書で、定額給付金制度は誰の発案によるものかと問うたが、昨年十一月二十五日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一七〇第二四二号、以下「政府答弁書」という。)では「定額給付金については、『生活対策』(平成二十年十月三十日新たな経済対策に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議決定。以下同じ。)において、『単年度の措置として今年度内に実施することとし、その実施方式等について早急に検討する』こととされたところである。」と、明確な答弁がなされていない。当方が問うているのは、同制度がどの場において決められたものであるかということではなく、そもそも誰の発案によるものかということであるところ、再度明確な答弁を求める。
二 定額給付金制度は、麻生総理自身の発案によるものか。明確な答弁を求める。
三 麻生総理は自身が給付金を受け取るか否かについて、「僕はもともと受け取る気ありませんから」(昨年十一月十二日、記者団に)、「多額のカネをもらっていて『一万二千円をちょうだい』と言う方はさもしい。人間の矜持の問題だ」(同年十二月十五日、参院決算委員会で)、「その時になって考えたい」(本年一月六日、記者団に)、「おれはもらわない。最初から受けとらないと決めている」(同年二月二日の自民党役員会で発言したと党幹部が証言)、「自民党として受け取ることにしようとの提言が幹事長の方からあったので、私としては受け取る」(同年三月二日、記者団に)との発言をしていたと、本年三月三日付の新聞は報道しているが、麻生総理が右の発言をしたことは事実か。改めて確認を求める。
四 麻生総理が給付金の受給について見解を転換したのはなぜか。三の新聞報道にある様に、細田博之自民党幹事長の意向を受けての転換か。
五 麻生総理が三で挙げた発言を過去にしていたのにも関わらず、今回給付金を受給することを決めたのであるならば、三で挙げた発言を撤回すべきであると考えるが、麻生総理の見解如何。「さもしい」「人間の矜持の問題」といった発言を、麻生総理は撤回するか。明確な答弁を求める。
六 これまでの答弁書(例えば内閣衆質一七一第五五号)では、定額給付金制度の趣旨について「定額給付金は、家計への緊急支援であり、あわせて、消費を増やす経済効果を有するものとして実施するものである」旨の答弁がなされている。「政府答弁書」では、同制度の趣旨について「『安心実現のための緊急総合対策』(平成二十年八月二十九日「安心実現のための緊急総合対策」に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議決定)においては、家計への緊急支援として、特別減税を『平成二十年度内に実施するため、規模・実施方式等については、財源を勘案しつつ、年末の税制抜本改革の議論に併せて引き続き検討する』こととしていた。一方、家計への緊急支援としての効果をより迅速に実現し、かつ、低所得者にも広く公平に行き渡らせるためには、減税方式よりも、給付方式によることがより適切であることから、『生活対策』において、定額給付金を、総額二兆円を限度に、単年度の措置として今年度内に実施することとしたところである。」とされており、「消費を増やす経済効果を有するもの」との文言は見られなかったが、同制度の趣旨が当初に比べて変化したのはなぜか。
七 定額給付金の受給を巡っては、麻生内閣の閣僚十七名中一名が辞退を表明し、麻生総理を含む五名が態度を明確にしていなかったと承知する。辞退を表明していた甘利明行政改革担当大臣は、本年三月二日夜、「内閣の一員として従う。わたしが違うことを言うと(閣内)不一致になる。閣僚の責務だ」と述べ、一転して受給する旨表明している。甘利大臣は右の様に、自身が給付金を受け取ることは閣僚としての責務であり、それに反した発言をすると閣内不一致になる旨述べている。しかし、例えば甘利大臣は、本年二月五日の衆議院予算委員会において「辞退をいたしますが、家族にはポケットマネーで定額給付いたします。」と、給付金の受給を辞退する旨明確に述べていたが、当時の甘利大臣の発言こそがまさに閣内不一致を表すものであり、定額給付金制度を巡り、既に閣内不一致があったのではないか。麻生総理の見解如何。
八 定額給付金制度について、給付金を受給するか否かを明確にしていなかった閣僚五名のうち、麻生総理と中川昭一前財務大臣を除く与謝野馨財務・金融・経済財政政策担当大臣、森英介法務大臣、二階俊博経済産業大臣の三名の閣僚は、給付金を受給するか否かについて、現時点でどの様な見解を有しているか説明されたい。
九 定額給付金制度の給付金を受給するか否かを巡り、麻生総理本人はじめ各閣僚の発言が当初から大きく変わったことは、同制度に関し、国民に混乱をもたらし、同制度への信頼を大きく失わせたものと考えるが、麻生総理として右を認めるか。

 右質問する。



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