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平成二十一年四月十六日提出
質問第三一七号

いわゆる「国策捜査」に対する森英介法務大臣の見解に関する第三回質問主意書

提出者  鈴木宗男




いわゆる「国策捜査」に対する森英介法務大臣の見解に関する第三回質問主意書


 本年三月三日、民主党小沢一郎代表が政治資金規正法に違反する形で西松建設より献金を受けていたとして、小沢代表の資金管理団体の会計責任者である公設第一秘書が逮捕された。森英介法務大臣は同月十一日の衆議院法務委員会において、右の事件に関連し、民主党幹部が「国策捜査」である等、批判していることについて「個別の事件捜査や処理について検察を指揮することは毛頭考えていない」、「国策捜査は法令上の用語ではなく、あいまいな表現で様々な発言がされていることは心外だ。検察当局が何らかの意図を持って捜査することはありえない」旨発言(以下、「森大臣発言」という。)していると承知する。右と「前回答弁書」(内閣衆質一七一第二六五号)及び「前々回答弁書」(内閣衆質一七一第二四〇号)を踏まえ、再度質問する。

一 前々回質問主意書で、平成十四年六月に逮捕された当方を取り調べた、当時の谷川宏太東京地方検察庁特別捜査部副部長は、取り調べの際、「世論に押されてやりましたが、マスコミに出たもので何ひとつ事件にすることができませんでした。しかし、それが捜査というものです」との旨話し、また、「始めから鈴木ありきの国策捜査ではないか」との当方の問いに対して、「権力を背景にしてやっておりますので、そう受け止められればその通りです」との旨答えていたことについて森大臣の見解を問うたが、「前々回答弁書」では何の答弁もなされていない。前回質問主意書で、右の当方の問いについて、検察庁として谷川氏に確認を行っているかと問うたところ、「前回答弁書」では「お尋ねは、個別具体的な事件における捜査機関の活動内容に関する事柄であり、答弁を差し控えたい。」との答弁がなされている。個別具体的な事件における捜査機関の活動内容に関する事柄について、政府として答弁ができないとするのはどの様な理由によるのか。特に、平成十四年の当方の事件については、現時点で既に審理が終えられているところ、右の様に政府が答弁を差し控える必要性はないと考えるが、政府として、個別具体的な事件における捜査機関の活動内容に関する事柄について答弁できないとする理由を説明されたい。
二 一で挙げた谷川氏の発言は、「森大臣発言」を真っ向から否定するものであり、国策捜査というものが行われた何よりの証拠であると考える。検察庁はじめ政府が、言い換えるならば権力が、何らかの意図を持って、犯罪のないところに犯罪を作り出し、ある人物を断罪するということは、我が国の民主主義を守る観点からも、または人道的な観点からも、断じてあってはならないと考える。当方と同様の事例を今後生まないためにも、一で挙げた谷川氏の発言について、政府は明らかにする義務を負っていると思料するところ、谷川氏本人に、一で挙げた発言をしたのか否か確認をし、その上で、検察庁はじめ政府が、言い換えるならば権力が、何らかの意図を持って、犯罪のないところに犯罪を作り出し、ある人物を断罪するということがあって良いのか、森大臣の見解を示されることを求める。
三 前回質問主意書で、本年三月二十一日付の毎日新聞夕刊一面に掲載されている、「西松献金事件 捜査大詰め 世論次第の『国策』批判」との見出しで、いわゆる国策捜査について報じた記事と、二〇〇五年三月二十五日に新潮社より発行された、起訴休職外務事務官の佐藤優氏の著書『国家の罠』の二百八十七頁から二百八十八頁にかけてなされている、佐藤氏と西村検事のやり取りについての記述、更には本年三月二十二日付の毎日新聞二十九面に、「『西松』献金 総選挙前の立件 検察OBも『なぜ?』 以前は影響に配慮 『金額も軽微』指摘」との見出しで、警察庁、特に東京地検特捜部として、これまである刑事事件が衆議院議員総選挙に与える影響を考慮し、選挙前の捜査を避けてきた旨報じた記事について、それぞれ検察庁の見解を問うたところ、「前回答弁書」では「特定の書籍又は新聞における個別の記述について、政府として、答弁することは差し控える」との答弁がなされている。検察庁、ひいては政府として、右に挙げた新聞記事や書籍について答弁できないとする理由は何か。
四 三の新聞記事並びに書籍にある内容は、政府の見解と大きく異なるものである以上、政府としてそれを野放しにするのではなく、それが政府の見解と異なり、必ずしも真実ではない旨、明確に述べなくては、国民にあらぬ誤解を招くだけではないのか。三の新聞記事並びに書籍に対して政府が何も意見を述べないままでいるならば、国民の多くは、検察庁として、ある事案に関する世論のあり方を捜査に踏み切る基準としている、または、ある刑事事件を社会のあり方、世相を転換する契機としている、更には、ある刑事事件が衆議院議員総選挙に与える影響を考慮し、選挙前の捜査を避けていると認識するものと思料するが、政府の見解如何。
五 「前回答弁書」では「検察当局は、常に法と証拠に基づき、厳正公平・不偏不党を旨として、適切に事件を処理しているものと承知している。」との答弁がなされている。しかし、過去に富山県氷見市の柳原浩氏が強姦などの容疑で富山県警に誤認逮捕され、二年あまり服役した後に真犯人が見つかり、無罪が確定した事件や、二〇〇三年の鹿児島県議選において中山信一氏と志布志市の運動員ら十五人を公職選挙法違反容疑で逮捕し、強圧的な捜査等により自白を強要し、後に全員の無罪が確定した事件等、検察庁として常に法と証拠に基づいて事件を適切に処理しているとは言えない事例もあると承知するが、右に対する森大臣の見解如何。

 右質問する。



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