質問本文情報
平成二十一年五月一日提出質問第三六六号
検察庁による刑事事件に係る情報のリークに関する再質問主意書
提出者 鈴木宗男
検察庁による刑事事件に係る情報のリークに関する再質問主意書
検察庁による情報のリーク(以下、「リーク」という。)について、例えば逮捕された容疑者が自身にかけられた容疑についてどの様な供述をしているか、またその供述の結果、何らかの新たな容疑が見つかったか、更には別の人物が容疑者として浮上したか等、ある刑事事件の捜査がどの様に推移しているかに関する情報を検察庁が新聞社等の各報道機関(以下、「マスコミ」という。)に流すことと定義する。右と「前回答弁書」(内閣衆質一七一第三一四号)並びに「政府答弁書」(内閣衆質一七一第二八一号)を踏まえ、再質問する。
二 「前回答弁書」では「なお、検察当局においては、検察の活動を国民に正しく理解していただくため、あるいは、社会に無用の誤解を与えないようにするために、個別の事案に応じて、逮捕・起訴したことや、被疑事実・公訴事実の概要等について次席検事等の幹部検察官が記者発表したり記者会見したりすることがあるものと承知している。」との答弁がなされている。その一方で、本年四月二十一日の衆議院決算行政監視委員会第四分科会において、東京地検特捜部の取材対応のあり方について大野恒太郎法務省刑事局長は、
「東京地検特捜部におきましては、報道機関の取材対応について、特段定まった規定等を設けて対応しているわけではない、適宜適切に対応しているというように承知しております。
具体的に申し上げますと、…適時適切に被疑事実、公訴事実の概要等について次席検事等の幹部検察官が記者発表したり記者会見をすることがあるというように承知しております。…それ以外の場で対応することもあるわけでありますけれども、先ほども申し上げたように、特にそうしたことについて定まった規定が置かれているわけではない。」
と述べている。右答弁は、検察庁として、「西松事件」についても、右答弁にある様な次席検事等の幹部検察官による記者発表、記者会見の場以外で、「マスコミ」による取材に対応することがあるという意味を指していると理解して良いか。確認を求める。
三 「前回答弁書」でも政府は「検察当局においては、従来から、捜査上の秘密の保持について格別の配慮を払ってきたものであり、捜査情報や捜査方針を外部に漏らすことはないものと考えている。」と答弁しているが、例えば「西松事件」に関し、検察庁が二の次席検事等の幹部検察官による記者発表、記者会見の場以外で「マスコミ」による取材に対応した際、何らかの捜査情報や捜査方針が漏れることはないのか。確認を求める。
四 前回質問主意書で、「西松事件」に関し、本年三月三日、小沢代表の事務所に東京地検特捜部の検察官が家宅捜査に入ること並びに、同月十二日、石川知裕衆議院議員が参考人として聴取を受けることに関する情報が検察庁より漏れたということは一切ないかと問うたところ、「前回答弁書」では「お尋ねは、個別具体的な事件における捜査機関の活動内容にかかわる事柄であり、答弁を差し控える」との答弁がなされている。しかし、三の答弁にある様に、一般に検察庁として捜査上の秘密の保持について格別の配慮を払い、捜査情報や捜査方針を外部に漏らすことはないのならば、「西松事件」に関する当方の問いに対しても、その様なことはない旨答弁すれば良いのであるにもかかわらず、検察庁として「西松事件」に関して「リーク」はないと断言しない理由は何か、明確に説明されたい。
五 当方は、検察庁担当の「マスコミ」から、「西松事件」に関し「リーク」がなされているという話を聞いている。検察庁、特に東京地検特捜部として、天地天命に誓い、「マスコミ」に対して「西松事件」に関し予断を与える話をしたことはないと言えるか。確認を求める。
六 五で、仮に今後「リーク」がなされたことが明らかになった場合、検察庁、特に東京地検特捜部として、「リーク」した者に対して何らかの処分を下す考えはあるか。
右質問する。