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平成二十一年六月十八日提出
質問第五六〇号

いわゆる足利事件で容疑者とされた人物が釈放された件に関する再質問主意書

提出者  鈴木宗男




いわゆる足利事件で容疑者とされた人物が釈放された件に関する再質問主意書


 一九九〇年、栃木県足利市で当時四歳の女児が殺害されたいわゆる足利事件で容疑者とされ、無期懲役が確定し、服役中だった菅家利和さんが、女児の下着に付着していた体液のDNA型が菅家さんのものとは一致しないとの鑑定結果が出たことを受け、本年六月四日、千葉刑務所から釈放された。また同月十七日、石川正一郎栃木県警本部長は、同県警を訪問した菅家さんに対し、「長い間、つらい思いをさせたことを心からおわび申し上げます」と述べ、謝罪をしている。右と「前回答弁書」(内閣衆質一七一第五〇四号)を踏まえ、再質問する。

一 栃木県警が当時菅家さんの逮捕に踏み切った経緯について、「前回答弁書」では「警察庁においては、栃木県警察から、御指摘の事件については、遺体発見現場等における鑑識活動、そこから得られた証拠品の鑑定、関係者からの事情聴取、地域住民からの聞き込み等の所要の捜査を行った上で、逮捕に至ったとの報告を受けている。」との答弁がなされている。今次、石川本部長が菅家さんに謝罪をしたということは、右の当時の栃木県警による鑑識活動、証拠品の鑑定等の所要の捜査を行った上での判断に誤りがあり、菅家さんの逮捕は誤認逮捕であったことを、同県警として正式に認めたものと理解して良いか。確認を求める。
二 本年六月十七日、石川本部長は、菅家さんに謝罪をした際、「捜査の問題点を検証していく」と述べたと承知するが、右の検証作業(以下、「検証」という。)は、誰を責任者として、いつからいつまでを目処に、どの様な方法によって行われるか、警察庁として把握しているか。
三 前回質問主意書で、菅家さんが釈放された六月四日、記者会見を開き、逮捕された当時の栃木県警による取り調べの様子について、「刑事たちの取り調べが厳しく、髪の毛を引っ張られたり、け飛ばされたりした。無理やり責められ、『白状しろ』『早くしゃべって楽になれ』と言われ、どうしようもなくなって自白してしまった」と語っていたことにつき、当時、栃木県警の警察官により、菅家さんの取り調べに際して右の様なことが行われたというのは事実かと問うたところ、「前回答弁書」では「御指摘のような菅家氏に対する暴力行為等が行われたという事実は把握していない」旨の答弁がなされている。右の菅家さんに対する取り調べの実態がどの様なものであったかは、「検証」の対象に含まれるか。
四 菅家さんのDNA型が真犯人のものと思われるDNA型と一致したとした当時の警察庁科学警察研究所の判断が妥当であったか否かは、「検証」の対象に含まれるか。
五 当時、菅家さんの取り調べを直接行った警察官は誰か、また右の警察官は現在も在職中であるか、警察庁として把握しているか。
六 当時、菅家さんのDNA型が真犯人のものと思われるDNA型と一致したとの判断を下した科警研の担当者は誰か、また右の者は現在も在職中であるか、警察庁として把握しているか。
七 なぜ足利事件という冤罪事件が起き、一人の人間が人生の貴重な時間を奪われなければならなかったのか、その真相を解明し、同じ様な事件が再び起きることを防ぐには、五の警察官、六の科警研の担当者は誰かを明らかにし、五の警察官がなぜ取り調べに際して暴力行為を働いたのか、また周囲の警察官がなぜそれを見過ごしたのか、六の担当者がなぜDNA型鑑定の判断を誤ったのかを全て明らかにする必要があると考えるが、警察庁として、「検証」において右の点を明らかにするよう、栃木県警を指導監督する考えはあるか。
八 今次、石川本部長が菅家さんに面会し、「長い間、つらい思いをさせたことを心からおわび申し上げます」と直接謝罪をしたのは、過去に例のないことであり、それによって菅家さんが失った時間が戻ることはないにせよ、石川本部長の謝罪は、大変勇気ある、意義深いものであったと思料する。しかし、足利事件の最終的な解決、更には同様の事件の再発防止を図るためには、在職中であるか否かにかかわらず、五の警察官及び六の担当者に、菅家さんへの謝罪等を含め、何らかの形で責任を取らせることが必須であると考えるが、警察庁の見解如何。

 右質問する。



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