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平成二十一年六月十九日提出
質問第五六八号

金融取引に対する事前および事後の規制を充実させるための施策に関する質問主意書

提出者  岩國哲人




金融取引に対する事前および事後の規制を充実させるための施策に関する質問主意書


 昨年十一月二十六日提出の質問主意書第二八七号において、下記一ないし三の質問に対する答弁を求めた。
「一 ヘッジファンド規制の必要性につき、リーマン・ブラザーズの破綻を契機とした「百年に一度」の世界的金融危機を迎えた現在においても、直接規制よりもモニタリング強化が望ましいとの認識に変化はないか。
 この点、欧州では英国、フランスが主導する形で、国際通貨基金(IMF)の役割の見直しや、金融機関とヘッジファンドに対する国際的な規制の整備をめぐる議論が進んでいるが、日本政府の見解はどうか。
 二 質問一に関連して、規制の必要性に関して調査を行った実績があるか。実績があれば、その結果をお示し願いたい。
 三 直接規制を行う場合でも、資本が外国か日本かなど、差異を設けることは可能と考えるが、政府の見解如何。」
 これに対し、「政府としては、ヘッジファンドに対する規制や監督の在り方をめぐるこうした国際的な議論に積極的に参画するとともに、これを踏まえ、適切に対応していく必要があると考えている。」旨の答弁書を受領した。
 この点、今月十六日、米国政府は、複雑な金融商品から消費者を保護することを目的として「消費者金融保護庁」を創設するほか、米国連邦準備制度理事会(FRB)に大手金融機関の監督を一元的に任せるなど、金融規制改革の大枠を発表し、これまで監督の対象外だったヘッジファンドなどにも規制対象を拡大し、金融機関の財務の健全性を確保するための自己資本の量や質の引き上げや、証券化商品の無秩序な発行を抑えるために、金融機関などに発行額の信用リスクのうち五%の保持を義務付けることとしている。
 一方、EUにおいては、欧州委員会が、EU域内で活動するヘッジファンドに対し、登録とレバレッジ情報の開示を義務付ける規制を提案しており、プライベート・エクイティー(未公開株式)の透明性強化を促す規定も盛り込まれている。
 これに関連して、以下質問する。

一 右のような世界的流れを受け、モニタリングよりも直接規制を強化すべきとの要請はさらに高まっていると考えるが、政府の見解如何。
二 米国においては、一九三三年、世界大恐慌の反省から、預金者保護や銀行経営の健全性確保を目的として銀行と証券の分離条項を含むグラス・スティーガル法が制定されたが、一九九九年のグラム=リーチ=ブライリー法によって、当該条項は廃止された。
 この「銀証分離」規定の撤廃は、昨年来の金融危機の一因ともされる。
 日本においては、本年六月一日施行の、金融商品取引法改正では、「銀」「証」の一定の分離を定めるファイアーウォール規制が見直されたが、米国における「銀証分離」規定の撤廃と昨年来の金融危機の因果関係について、政府の見解如何。
三 右改正では、課徴金制度の強化もなされている。
 また、個人を相手とする取引に関しては、消費者庁設立によって、行政により消費者保護が徹底されることとなる。
 もっとも、規制が行政権を主体とする事前規制に過度に集中することは、行政国家現象が進行し、行政権の肥大化を招来することとなり妥当でない。
 この点、日本においては「二割司法」との指摘もなされるように、司法権による事後規制・権利救済をめぐる環境が米国等に比して不十分であると考えられるが、行政権による規制の見直しと併せて、司法権による救済を充実させるための方策について具体的に検討された実績・予定はあるか。

 右質問する。



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