衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十一年六月二十三日提出
質問第五八四号

検察庁の信頼性に係る森英介法務大臣の見解等に関する再質問主意書

提出者  鈴木宗男




検察庁の信頼性に係る森英介法務大臣の見解等に関する再質問主意書


 本年六月十二日、森英介法務大臣は閣議後の記者会見(以下、「会見」という。)で、民主党の小沢一郎前代表の秘書が逮捕・起訴されたいわゆる西松事件を巡る同党第三者委員会の報告書に、法務大臣の指揮権発動に言及したと読める部分があるとして、「看過できないものがある」と批判している。右と「前回答弁書」(内閣衆質一七一第五四六号)を踏まえ、再質問する。

一 「会見」において森大臣は「検察はこれまで一貫して不偏不党を旨として活動してきたのであって、私は検察に全幅の信頼をおいてその独立性中立性を尊重したい」と述べている。一九九〇年、栃木県足利市で当時四歳の女児が殺害されたいわゆる足利事件で容疑者とされ、無期懲役が確定し、服役中だった菅家利和さんが、女児の下着に付着していた体液のDNA型が菅家さんのものとは一致しないとの鑑定結果が出たことを受け、本年六月四日、千葉刑務所から釈放された。同月十日、最高検察庁の伊藤鉄男次長検事は、午後三時半から開いた記者会見において、「真犯人とは思われない人を起訴し、服役させたことについて、大変申し訳ないことをしたと思っている」と、菅家さんに対して謝罪している。前回質問主意書で、菅家さんが釈放され、菅家さんを起訴した当時の検察庁の判断が間違っていたことが明らかになった今でも、森大臣として、検察庁に対して全幅の信頼を置いているのはなぜか、森大臣が、検察庁はこれまで一貫して不偏不党を旨として活動してきており、検察に全幅の信頼を置いていると認識しているのは、検察庁のなすことに一切の誤りはないということ、つまり検察の無謬性を信じてやまないという意味か、当方は、過去の自身の経験からも、検察庁の活動が厳正公平・不偏不党なものとは限らないことを承知しているが、森大臣の認識は、ただ単に検察庁の取り調べの実態を正確に把握せず、事実関係を承知していないことに基づくものではないのかと問うたところ、「前回答弁書」では「個別具体的な事件における捜査機関の活動内容にかかわる事柄については、答弁を差し控えるが、検察当局においては、常に法と証拠に基づき、厳正公平・不偏不党を旨として、適切に事件を処理しているものと承知していることから、森法務大臣は、検察に対する全幅の信頼を置いているものである。」と、同様の答弁が繰り返されているだけである。森大臣として検察が「常に法と証拠に基づき、厳正公平・不偏不党を旨として、適切に事件を処理している」と考える根拠は何か、再度質問する。
二 今次菅家さんが釈放された件について、森大臣はどう考えるか。右は検察が必ずしも「常に法と証拠に基づき、厳正公平・不偏不党を旨として、適切に事件を処理している」訳ではないことを示す一つの具体例ではないのか。
三 森大臣として、検察庁による容疑者への取り調べの実態をどの程度把握しているか。「前回答弁書」では何ら明確な答弁がなされていないところ、再度質問する。
四 森大臣が自身の部下である検察官を信頼することは当然である。しかし、信頼することと、その組織としての誤り、問題点に目を背けることは同義ではない。森大臣が検察庁について「常に法と証拠に基づき、厳正公平・不偏不党を旨として、適切に事件を処理している」とし、全幅の信頼を置いていると言うのは、検察庁という組織の問題点にきちんと目を向けていないということであり、ひいては、検察庁を指導監督する任にある大臣として、その職責を全うしていないということではないのか。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.