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平成二十一年十月二十七日提出
質問第一二号

遺骨収集に関する質問主意書

提出者  浜田靖一




遺骨収集に関する質問主意書


 十月二十六日、鳩山首相は所信表明演説において、「政治には弱い立場の人々、少数の人々の視点が尊重されなければならない。そのことだけは、私の友愛政治原点として、ここに宣言させていただきます」と宣言された。
 声の出せない遺体となった国民の声はどのように聞かれるのか。
 理由の如何を敢えて問わず、不幸にして、海外で亡くなった日本国民の遺体を放置している国家は弱い立場の人々の声を尊重していると言えるのか。
 現在、先の大戦において亡くなった戦争関連死亡者は少なくとも百十五万人以上が海外に放置されている。これらは全て、時間の経過と共に遺体であったものが遺骨となり放置遺棄されているものである。
 海没などで所在不明で処理されてしまっているものも数多く存在するが、現在フィリピンにおいては既に、国家委託事業として調査し、約三万人分もの遺骨が所在確認をほぼ終え、予算さえあれば、送還できる状態となっている。
 所在が分かり、送還できる状態にあるご遺体を帰還させない国家が鳩山首相の言われる友愛国家なのか。
 我が国はそれほど貧しかったのか。
 これらの遺体を国家予算を遣って、送還することを「税金の無駄遣い」と言うのか。
 国のために自らの命を捧げ、祖国を想い亡くなられた先人たちを、彼の地に放置したままでは、我が国の平和と繁栄に未来はないことは論を待たない。
 国は、平成二十一年度に、民間団体と協力して機動的な遺骨収集をするために、現地の調査体制を強化するとともに、予算を拡充するなど、新たに遺骨のご帰還に取り組んだ。その結果、とりわけフィリピンにおいては今年度九月末時点までに三千三百六十九体の御遺骨を持ち帰るという著しい成果を得ることとなった。更に、約三万体の遺骨の所在を確認し、厚生労働省に既に報告がなされている。
 我が国そして何より現地において戦争を知る方々も高齢化し、年々少なくなっている現状を鑑みると、一体でも多く、一刻も早く、ご遺骨を収集しなければ、放置されたまま、国に見捨てられてしまうことになる。そうなる前に、一体でも多く、一刻でも早く、ご遺骨を埋葬し、供養することが国の責務と考える。
 よって、以下質問する。

一 現在、遺骨収集は厚生労働省が所管し、遺骨収集事業を行っているが、今後もその方針に変わりはないのか。根拠法がない為、昭和二十七年の閣議決定により行われてきた遺骨収集事業は何故、現在、厚生労働省だけの所管となっているのか、政府の見解を明らかにされたい。
二 国会答弁でも、遺骨収集は国家のまさに責務であり基本であると国の姿勢を前政権は明確に示しているが、政権が代わりその方針は変更されることになるのか、政府の見解を明らかにされたい。
三 遺骨収集が国の事業であるとするならば、国の責務として行われている遺骨収集事業において、予算を理由に民間団体に遺骨収集にかかる費用を押し付け、事業の継続をしている現状についての政府の見解を明らかにされたい。
四 国の情報収集委託事業により遺骨の所在及び数が明確にされたにも関わらず、予算を理由に遺骨の回収が遅々として進まない現状をどのように認識しているのか、政府の見解を明らかにされたい。
五 このままでは国家による死体遺棄であり、放置されたまま見捨てられかねない現状に対して、遺骨収集が国に何か不利益をもたらすという懸念があるのか、政府の見解を明らかにされたい。
六 祖国に帰られたご遺骨を一時的にであれ仮安置する場所について、また埋葬する場所やその手順についての政府の見解を明らかにされたい。
七 遺骨収集が国の責務とするならば、御遺骨の全量回収を国家の責任において行うという意志を明らかにした上で、全量回収の時期を手段方法と共に明確に政府の目標として示されたい。

 右質問する。



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