質問本文情報
平成二十一年十一月十三日提出質問第七七号
ある国会議員と外務省との過去の関係が我が国の国益に悪影響を及ぼしたと同省が認識している根拠等に対する鳩山由紀夫内閣の見解に関する質問主意書
提出者 鈴木宗男
ある国会議員と外務省との過去の関係が我が国の国益に悪影響を及ぼしたと同省が認識している根拠等に対する鳩山由紀夫内閣の見解に関する質問主意書
二〇〇一年九月より監察査察担当の外務省参与の任に就いている元最高裁判所判事の園部逸夫氏を長として、外務省と鈴木宗男衆議院議員との関係に係る調査が行われ、二〇〇二年三月四日付で当時の川口順子外務大臣に調査の結果をまとめた文書(以下、「園部レポート」という。)が提出されている。その「園部レポート」で、国後島における緊急避難所兼宿泊施設の建設工事と桟橋の改修工事の入札決定の過程で、当方と外務省関係部局との間で社会通念を超えた異常なやり取りが行われていた旨報告されていることにつき、外務省は過去の政府答弁書(内閣衆質一六六第一六六号)で、北方四島人道支援事業における国後島緊急避難所兼宿泊施設の建設工事に関し、当方が
@ 入札参加資格を北海道内ではなく、根室管内に本社を有する企業と改める様、外務省職員に求めた
A 入札参加資格決定に際し、同工事の施工に地元業者を使う様、外務省職員と支援委員会事務局職員に強く要望した
の右二点を行ったことが社会通念に反するとしている。右と「政府答弁書」(内閣衆質一七一第三四号)を踏まえ、質問する。
二 国後島緊急避難所兼宿泊施設建設工事と国後島桟橋改修工事等の我が国による北方領土人道支援について、「約束」が北海道根室管内の市町と外務省との間でなされていたのにも関わらず、例えば平成五年、国際機関である支援委員会に拠出した資金を用いて、人道支援の一環として国後島にプレハブ倉庫を建設した際も、地元業者ではなく、他地域の大手業者がプレハブ倉庫建設を落札する等、「約束」が反故にされた経緯があった。このことについて、平成六年十一月七日、「約束」の履行を求める旨の要請が根室管内の市町よりなされ、その際に外務省に提出された要請書(以下、「要請書」という。)の写しを、根室管内市町も当方も、現在も保有している。前政権における答弁書では、「要請書」の存在は確認できていないとされているが、鳩山内閣が発足した今でも、右の認識に変わりはないか。
三 「園部レポート」は、調査対象である当方には何の聞き取りもなされず、外務省職員のみを対象にし、また「あなたは鈴木宗男にチャンスを与えるべきと思うか」「あなたは鈴木宗男を我が国の国益の為に必要な人間だと思うか」といった、いわば「踏み絵」とも言える内容の質問に対する回答を基にしてつくられた、あまりに公平性を欠いたものであったと考える。このことは大宅壮一賞作家で元外務省事務官の佐藤優氏も、自身の著書等の中で明らかにしている。本年十一月四日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一七三第二号)において鳩山内閣は、同省が「鈴木宗男衆議院議員からの依頼等に対する対応振り」との題の、同省職員が当方と接触する際にどの様に対応するか、そのマニュアル等について記した文書(以下、「対応マニュアル」という。)を作成していたことに関し、「現在においては、文書にまでする必要はなかったと考えている。」と、「対応マニュアル」を作成したことは行き過ぎた行為であったことを認めている。鳩山内閣として、「園部レポート」に対し、どの様な見解を有しているか説明されたい。
四 岡田克也外務大臣は、国民の信頼なくして良い外交はできないと常々述べていると承知する。「園部レポート」はじめそれに関連する一連の外務省の対応は、国民の信頼を得られる、誠実なものであったか。岡田大臣の見解如何。
右質問する。