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平成二十二年三月八日提出
質問第二二九号

検察庁の各種マスメディアに対する対応のあり方に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




検察庁の各種マスメディアに対する対応のあり方に関する質問主意書


 週刊朝日二月十二日発売号の二十二頁から二十四頁にかけて、「暴走検察 子ども人質≠ノ 女性秘書『恫喝』十時間」との見出しの、ジャーナリストの上杉隆氏による論文(以下、「上杉論文」という。)が掲載され、それには、東京地方検察庁特別捜査部に所属している民野健治検事が、本年一月十五日、小沢一郎民主党幹事長の政治資金をめぐり逮捕された石川知裕衆議院議員の女性秘書に対し、被疑者としての出頭を予め明確に求めることなく全く別の理由で呼び出し、不意打ちの様な形で事情聴取を行った、その際に外部との連絡を無理矢理絶たせた、同秘書に対し、事実関係云々に関係なく、検察の言いなりになることを脅迫ともとれる様な言いぶりで求め、黙秘権を否定するかの様な発言をした、当初押収品の返却との理由で呼び出しておきながら、一つの押収品も返却しなかった旨の記述がなされている。それに対し、本年二月三日、東京地方検察庁の谷川恒太次席検事は、「上杉論文」は事実でないとする抗議文(以下、「抗議文」という。)を週刊朝日の山口一臣編集長に出し、「上杉論文」における記述三点を挙げ、具体的にそれらがどの様に事実と異なるかを詳細に述べている。右と「政府答弁書」(内閣衆質一七四第一五九号)を踏まえ、質問する。

一 先の質問主意書で、過去に検察庁として、「抗議文」と同様に、ある特定のマスメディアに対して文書を送付し、抗議を行ったことはあるか、あるのなら、過去にどの様な報道に関し、どのマスメディアに対して、どの様な理由の下、どの様な内容の抗議を行ったのか、全て明らかにされたいと問うたところ、「政府答弁書」では「お尋ねの過去における文書による抗議の有無については、記録が残されていないため、お答えすることは困難である」との答弁がなされている。右答弁は、検察庁において記録の有無を調べ、また、同庁における担当者に問い合わせがなされた上で、つまり、同庁に対し、直接問い合わせた上で作成されたものか。確認を求める。
二 「政府答弁書」には「記録が残されていない」とあるが、記録はなくとも、検察庁において報道機関に対応する部署の職員に問い合わせをすれば、それなりの事実関係を把握できるのではないのか。
三 先の質問主意書で、検察庁として、「上杉論文」に対し「抗議文」を出すことが必要であると、今回判断した根拠は何であるのか、また右の判断に千葉景子法務大臣はじめ加藤公一法務副大臣、中村哲治法務大臣政務官はどの様な関与をしたのか、「抗議文」につき、法務省の政務三役はどの様な説明を受けているかと問うたところ、「政府答弁書」では「御指摘の『上杉論文』の記載が捜査・公判に対する支障となるものと考え、株式会社朝日新聞出版に対して抗議を行ったものと承知している」との旨の答弁がなされている。では検察庁として、右答弁にある様な、「上杉論文」と同程度の「捜査・公判に対する支障となる」報道がなされた場合、それらに対して例外なく、週刊朝日側に「抗議文」を送ったのと同様に、然るべき措置を講じてきているか。
四 本年一月二十二日付東京新聞に、「内部告発直前に逮捕、服役し出所 三井元大阪高検公安部長 本紙に語る 『検察、まだ自民と一体』 小沢氏周辺捜査『裏金追及で反撃せよ』」との見出しで、元大阪高等検察庁公安部長の三井環氏が、検察庁における裏金問題について発言した記事(以下、「東京記事」という。)が掲載されている。「東京記事」には、「検察はまだ、前の政権与党だった自民党と一体になっている。民主党政権が、取り調べ可視化など検察にとって都合が悪いことをしようとしているから、排除するという考えだ」、「私が逮捕される直前、新聞紙上で検察の裏金問題を実名告発した後、参考人として国会で証言し、検事バッジを外す−とのスケジュールが既に出来上がっていた。逮捕当日は、新聞報道の後にテレビで報じるという約束でジャーナリストの鳥越俊太郎氏の取材を受ける予定だった。逮捕は、組織を守るための明らかな口封じだ」との、検察庁を激しく非難する三井氏の発言が掲載されている。右の内容は、検察庁に対する国民の信頼を失わせ、結果として三の答弁にある様に「捜査・公判に対する支障となるもの」となるのではないか。法務省政務三役ではなく、樋渡利秋検事総長、谷川次席検事による説明を求める。
五 少なくとも当方が提出した法務省案件の質問主意書に対し、今国会において閣議決定された答弁書は、その一言一句が前政権におけるものと全く変わらないものが多く、千葉大臣はじめ法務省政務三役は、国政の運営を、官僚主導・官僚依存から政治主導・国民主導へと刷新することを目指すとした、鳩山由紀夫内閣の方針を全く実践できていないと考える。右につき、過去の答弁書で「政務三役は、『基本方針』(平成二十一年九月十六日閣議決定)等に基づき政治主導の国政運営を進めており、御指摘のような『指導』の必要があるとは考えていない。」との答弁がなされていることに対し、先の質問主意書で、鳩山由紀夫内閣総理大臣として、法務省政務三役が政治主導の国政運営を進めていると認識している根拠は何かと問うたところ、「政府答弁書」では「政務三役は、政務三役会議を設置し、常に国民の視点で政策の立案、調整及び意思決定を行うなど、法務省の運営に名実ともに責任を持つ体制を取っており、政治主導の国政運営を進めているものと認識している。」との答弁がなされている。本年三月二日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一七四第一五一号)では、「上杉論文」に対して「抗議文」が出され、それに対して更に上杉氏により論文が出されたことにより、石川代議士の女性秘書に対する東京地検特捜部の事情聴取のあり方について、国民は大きな疑問を抱き、国民の間に不信感が渦巻いているのではないのかとの問いに対し、「検察当局においては、常に法と証拠に基づき、厳正公平・不偏不党を旨として適切に対処するものと承知しており、『石川代議士の女性秘書に対する東京地検特捜部の事情聴取のあり方について、国民が大きな疑問を抱き、国民の間に不信感が渦巻いている』との御指摘は当たらないものと考えている。」との答弁がなされている。この様に、常に検察の正しさを信じ、あくまで検察側の目線にのみ立った答弁をする法務省政務三役の、どこが「常に国民の視点で政策の立案、調整及び意思決定を行うなど、…政治主導の国政運営を進めている」と言えるのか。少なくとも、「上杉論文」と「抗議文」の問題に関しては、法務省政務三役は、国民の目線ではなく検察側の目線に立っていると言わざるを得ないと考えるが、鳩山総理の見解を示されたい。

 右質問する。



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