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平成二十二年三月二十六日提出質問第三一五号
郵政改革による民業圧迫に関する質問主意書
提出者 後藤田正純
郵政改革による民業圧迫に関する質問主意書
亀井静香郵政改革・金融担当大臣と原口一博総務大臣は、三月二十四日に郵政改革法案の骨格を発表した。その内容は、貯金と保険の限度額拡大を含め、「官から民へ」という郵政民営化の本旨に逆行するだけでなく、二百七十兆円もの資産を抱える巨大な「官製金融」をさらに肥大化させ、「民業圧迫」は火を見るよりも明らかである。
ついては、次の事項に関し質問する。
二 郵便貯金の預入限度額の引き上げと簡易生命保険の加入限度額引き上げは、金融機関、特に地方の信用金庫や信用組合など、中小金融機関へは収益圧迫に加え、資金が「官」へ流れる構造による影響は非常に大きく、金融業界からは再三にわたって慎重かつ十分な検討を求められていたはずである。政府は、去る三月九日に郵政改革関係政策会議において、金融業界からヒアリングを開催しているが、その際の団体側からの意見を今般発表された骨格の如何なる点で反映させたのか。もしくは反映させなかったのか。明快な答えを求む。
三 民主党は二〇〇四年の参議院選挙公約において、「金融情勢を見定めつつ、郵便貯金の預入限度額及び簡易保険の加入限度額の段階的な引き下げをはじめます」と明記し、二〇〇五年のマニフェストでは、郵貯・簡保を徹底的に縮小すると題して「預入限度額をさらに五百万円に引き下げます」としている。こうした従来の民主党の政策方針と今回の骨格の内容は余りにも乖離したものである。この点、政策の一元化を掲げている政府・与党としてはどう認識しているのか。
四 ゆうちょは資金の約八割を国債で運用し、かんぽを合わせると二百兆円を上回る。この巨額な資金をどう運用されるのか。国債購入に充てる「官から官へ」の資金の流れについて、国債管理政策の観点や運用リスクを鑑みての預金者保護の観点等からも非常に問題があると考えるが、政府の考えは如何に。
五 郵政のグループ会社間の取引に係る消費税を減免する意向を亀井大臣が示したが、直後の参議院予算委員会で菅直人副総理兼財務大臣はそれを否定する旨の答弁をした。この点について、政府としての統一見解を伺う。
右質問する。