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平成二十二年五月十日提出質問第四五九号
米軍普天間基地に近接する学校等の移転並びに同基地の国外移設等に関する質問主意書
提出者 山本 拓
米軍普天間基地に近接する学校等の移転並びに同基地の国外移設等に関する質問主意書
米軍普天間基地は、平成十八年の日米両国の合意に基づいて辺野古に移設するのであれば、平成二十六年に全面返還される運びであった。然るに、現在の鳩山内閣になってから、移設先の見直しが行われ、結果として、平成二十六年の普天間基地全面返還の工程に遅れが生じている。
従って、次の事項について質問する。
1 同基地に近接する学校等に対する危険除去を指摘する声があるが、これまでにこれらの学校等の移転を、国が計画したり、検討したことはあるか。また、県、市などが過去に計画したり、検討したもので国が承知しているものはあるか。さらに、それらの経過と結果はどうであったかを示されたい。
2 児童・生徒らの安全を最優先する観点に立ち、今そこにある危機を除去することが先決である。将来的に基地が返還されるにせよいずれかの年月がかかる以上は、それまでの間、一時的、緊急的に、学校移転を進め、国が必要な財政措置を構ずるべきと考える。政府において、これらの学校の移転及び財政措置を検討する考えがあるか見解を示されたい。
二 普天間基地の全面返還時期について
1 政府は、平成十八年の日米合意の通り、同基地の全面返還を図る方針に変更はないか。
2 日米合意の通り進めていれば、同基地は平成二十六年に全面返還されるめどが明確になっていた。しかし、現在はこの工程に狂いが生じている。同基地の全面返還の時期はいつ頃になるか、政府の見解を示されたい。
三 鳩山総理大臣の抑止力に対する認識と日米安全保障条約第六条第一項について
鳩山総理大臣は、五月四日の沖縄訪問の際に、米軍海兵隊が沖縄に駐留することによって抑止力の機能を果たしているという認識を示した。総理が示した認識に従えば、米軍海兵隊が抑止力を発揮するためには、国内移設の議論もさることながら、国外移設については選択肢にないものと解される。
そもそも日米安保条約第六条第一項は「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される」としている。軍事同盟を結ぶ国家間では双務的な防衛義務が定められるのが一般的であるが、日米間の場合は、日本国領域への武力攻撃には日米両国が対処するが、米国領域への武力攻撃には日本は対処しないこととされている。その代わりに、米軍に対し日本国内における基地利用をもって双務性を保っている。従って、基地について、沖縄県民の負担を国民で分かち合おうとする議論と、日本国として負担すべきものを米国に戻そうとする議論は、まったく別次元のものであり、日米安保条約の根幹に関わるものと考える。
普天間をはじめ米軍基地の国外移設に関する以上の考え方について、政府の見解を示されたい。
右質問する。