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平成二十二年六月一日提出
質問第五二四号

一九七二年の沖縄返還時における原状回復補償費の肩代わりに係る密約に関連した判決への外務省の対応に関する再質問主意書

提出者  鈴木宗男




一九七二年の沖縄返還時における原状回復補償費の肩代わりに係る密約に関連した判決への外務省の対応に関する再質問主意書


 昨年九月十六日、岡田克也外務大臣は、外務省において「いわゆる『密約』問題に関する有識者委員会」(以下、「委員会」という。)を立ち上げ、いわゆる密約(以下、「密約」という。)があったと言われている、

 @ 一九六〇年一月の安保条約改定時の、核持ち込みに関する密約
 A 同じく、朝鮮半島有事の際の戦闘作戦行動に関する密約
 B 一九七二年の沖縄返還時の、有事の際の核持ち込みに関する密約
 C 同じく、原状回復補償費の肩代わりに関する密約

の四点につき、徹底した調査を命じる大臣命令を同省に出し、本年三月九日、「委員会」による「密約」に関する調査結果をまとめた報告書を公表している。右のCの密約に関連した文書を巡る情報公開訴訟に関し、本年四月九日、東京地方裁判所は、Cの密約の存在を認めた上で、国が「関連文書が存在しない」ことを理由に情報不開示とした処分を取り消し、開示を命じる判決(以下、「判決」という。)を言い渡した。「判決」に関し、岡田大臣は四月九日の記者会見で、「控訴する可能性がある」と、控訴の可能性をほのめかし、「密約」に関して外務省内で徹底的に調査が行われたことが、「判決」には十分反映されていないとの不満を述べていたと承知する。そして同月二十二日、政府は「判決」を不服として、東京高裁に控訴を申し立てている。右と「前回答弁書」(内閣衆質一七四第四二七号)を踏まえ、再質問する。

一 「判決」に対して外務省が控訴してから、右の訴訟は現在どの様な状況にあるのか説明されたい。
二 前回質問主意書で、今回政府として控訴に踏み切った経緯はどの様なものか、また「密約」に関し岡田大臣は、外務省内で徹底的に調査をしたと述べているが、それは歴代担当者に徹底した聞き取りを行う作業も含まれていたか等と問うたところ、「前回答弁書」では「御指摘の平成二十二年四月九日の東京地方裁判所判決(以下「東京地裁判決」という。)については、関係機関において対応を検討の上、控訴相当との結論に達し、控訴期限内の同月二十二日に控訴したところである。平成二十一年九月十六日の岡田克也外務大臣の大臣命令に基づき設置された調査チーム(以下「調査チーム」という。)は、外務省の文書の徹底的な調査を行い、また、いわゆる『密約』問題に関する有識者委員会は、調査チームが作成した調査報告書の内容を検証するとともに、関係者からの聞き取りを含む調査を行った結果、外務省の文書からは、東京地裁判決で開示が命じられた文書は発見されなかった。東京地裁判決は、こうした徹底的な調査の結果を踏まえずに言い渡されたものであり、また、行政機関として保有していない文書の開示決定を行うことはできないため、控訴したところである。」との答弁がなされている。右答弁にある「関係者」とは誰を指しているのか、当方が前回質問主意書で問うた、既に外務省を退職している歴代担当者も含まれているのか、説明を求める。
三 本年三月十九日、四月二日に行われた、「密約」に関連した衆議院外務委員会での参考人質疑でも、「密約」に関連した文書が外務省からなくなっていることに大きな疑問の意見が出されていた。右につき、「前回答弁書」では「他方、岡田克也外務大臣は、いわゆる『密約』問題に関する有識者委員会報告書(以下「報告書」という。)並びに平成二十二年三月十九日及び四月二日の衆議院外務委員会における参考人(以下「参考人」という。)に対する質疑等で指摘された外交文書の欠落の問題について、その事実関係を調査・確認するため、外交文書の欠落問題に関する調査委員会(以下「調査委員会」という。)を設置した。調査委員会の構成員は、岡田克也外務大臣及び武正公一外務副大臣のほか、調査の専門性と客観性を確保するため、外部委員として、宇賀克也東京大学教授及び波多野澄雄筑波大学教授が加わっている。外務省としては、調査委員会における報告書及び参考人に対する質疑等の精査や関係者からの聞き取りを含む調査により、速やかに調査結果を公表したいと考えている。」との答弁がなされている。右の「外交文書の欠落問題に関する調査委員会」による調査は、現在どの様な進捗状況にあるのか説明されたい。
四 三の答弁には「関係者からの聞き取り」とあるが、右の「関係者」とはどの様な人物を指すのか。右に、既に外務省を退職している歴代担当者は含まれるか。
五 四で、「関係者」に既に外務省を退職している歴代担当者が含まれないのならば、それは「委員会」による調査と変わりはなく、本来同省に保管されているべき「密約」関連の文書がなぜなくなっているのかという、「密約」問題に関して最も重要な問題点を解決することには何ら貢献しないと考えるが、岡田大臣の見解如何。

 右質問する。



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