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平成二十二年六月九日提出質問第五五一号
我が国が抱える領土問題に対する鳩山由紀夫内閣の見解に関する再質問主意書
提出者 鈴木宗男
我が国が抱える領土問題に対する鳩山由紀夫内閣の見解に関する再質問主意書
新聞報道によると、本年五月二十七日、鳩山由紀夫前内閣総理大臣は同日に開催された全国知事会議(以下、「知事会議」という。)に出席した際、尖閣諸島に関して「帰属問題は日本と中国の当事者同士でしっかり議論して結論を見いだしてもらいたい」旨発言したとのことである。右の鳩山前総理の発言に対し、翌二十八日、岡田克也外務大臣は記者会見で「尖閣に領土問題はなく、(中国との)議論の余地はない」旨述べたと報道されている。右と「前回答弁書」(内閣衆質一七四第五二一号)を踏まえ、再質問する。
二 一で触れた様に、「前回答弁書」には「鳩山内閣総理大臣(当時)は、(中略)尖閣諸島に関する米国の従来の見解について述べた」とあるが、鳩山前総理は「知事会議」において、尖閣諸島に関する我が国の立場ではなく、あくまで米国の見解を述べただけであるのか。鳩山前総理の発言について、右の様に受け取っている者は少ないと考えるが、詳細な説明を求める。
三 「知事会議」における鳩山前総理の発言が、尖閣諸島に関する我が国の立場ではなく、あくまで米国の見解を述べただけのものであるのなら、前文で触れた様に、岡田大臣が翌日の記者会見で、鳩山前総理の発言を打ち消す必要はそもそもなかったのではないのか。
四 「前回答弁書」では、「知事会議」に外務省から出向している内閣総理大臣秘書官が鳩山前総理に随行していたことが明らかにされている。前回質問主意書で、鳩山前総理が前文における発言をした際に、正しい政府見解を知らせるべく、随行していた秘書官はメモを入れる等の対応を取ったか、その様な対応を取らなかったのであれば、それは総理秘書官としての職務怠慢、サボタージュに該当するのではないかと問うたが、「前回答弁書」では何の答弁もなされていない。鳩山前総理の発言が、例え尖閣諸島に関する我が国の立場ではなく、あくまで米国の見解を述べただけのものであったとしても、岡田大臣もそれを訂正する発言を記者会見でしている様に、世間に誤解を招くものであったことは間違いない。いずれにせよ、鳩山前総理に随行していた外務省出身の秘書官は、「知事会議」の最中に、鳩山前総理の発言を受け、後々誤解を招かない様、何らかの対応を取る必要があったと考えるが、その様な対応を取っているか。明確な答弁を求める。
五 四で、取っていなかったのならば、それは外務省から出向し、主に外交問題について内閣総理大臣を補佐する責務を負う総理秘書官としての怠慢、サボタージュに該当するのではないか。
右質問する。