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平成二十二年八月四日提出
質問第三七号

「被爆体験者」に対する被爆者援護法適用に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




「被爆体験者」に対する被爆者援護法適用に関する質問主意書


 「悪魔の兵器」と呼ぶべき原爆が広島、長崎に投下されてから満六十五年の節目の日が間もなくやってくる。世界は、大勢として核廃絶へと確実に向かっている。広島、長崎の悲惨な被爆体験に照らし、人類が核兵器と共存できないことは明確である。
 昨年八月、わが国においては、「無血革命」とも称すべき歴史的な政権交代が実現した。政権交代によって誕生した民主党政権が真っ先にやるべきことは、核廃絶に向けた取り組み強化と全ての「被爆体験者」を完全救済することである。
 長崎への原爆投下から満六十五年を経ようとしている今日、「被爆体験者」は高齢化している。また、被爆地域指定にあたっては、隣接地域のほとんどを除外した極めて違法性の高い政令によって、多くの「被爆体験者」が今なお放射線後障害に苦しんでいる。かかる状況に鑑み、政令の早急な改正によって、長崎の爆心地から十二キロメートル以内で被爆した全ての者を被爆者に認定し、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(以下、被爆者援護法という)に基づく援護を行うよう求めるものである。
 なお、私が本質問主意書において「被爆体験者」とする者は、本来、政令によって被爆地域の対象となるべき地域に、原爆投下時に居住あるいは居た者を指す。
 以下、質問する。

一 政府は、被爆者援護法第一条第三号で定める「身体に原子爆弾の放射能の影響を受けるような事情の下にあった者」をいかように定義づけているのか。「放射能の影響」という概念に、いわゆる「残留放射能」「体内被曝」「微量放射能」を含むか否か、それぞれについて明らかにした上で見解を示されたい。
二 政府は、被爆者援護法第一条第一号に定める「政令で定めるこれら隣接する区域」(以下、隣接被爆地域という)を指定するにあたって、いかなる科学的、医学的根拠によって当該区域を線引き区分したのか、具体的に示されたい。また、隣接被爆地域の線引き区分にあたって、いつ、いかなる方法で、どのような実地調査を実施したのか、具体的に明らかにされたい。仮に、実地調査を実施していないのであれば、その理由を示されたい。
三 放射能の影響という観点から、原子雲の経時的、空間的存在範囲及び放射性降下物について、政府はいかなる見解を有しているのか、それぞれについて科学的根拠を示した上で明らかにされたい。
四 被爆者援護法の理念と趣旨は、「被爆体験者」を含む被爆者全員の救済である。従って、被爆者側に被爆に対する科学的、医学的根拠の立証責任を求めるのは誤りであり、放射能の影響を受ける恐れについては、これを否定する国側に立証責任があると考えるが、政府の見解を示されたい。
五 「被爆体験者」は高齢化し、今なお放射線後障害で苦しんでいる。一刻も早く政令改正を実施し、長崎の爆心地から十二キロメートル以内で被爆した全ての者を被爆者として認定するとともに、被爆者援護法に基づく援護を行うべきと考える。政府は、隣接被爆地域拡大のための政令改正を直ちに実施する考えを有しているか、見解を示されたい。仮に、政令改正を必要としないとの見解であれば、その理由を示されたい。

 右質問する。



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