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平成二十二年八月四日提出
質問第四七号

児童虐待防止の徹底に関する質問主意書

提出者  秋葉賢也




児童虐待防止の徹底に関する質問主意書


 児童虐待防止法は平成一九年に改正され、児童の安全確認等の立入調査等に関する都道府県等の権限が強化された。また平成二〇年の児童福祉法改正により、生後四ヶ月までの新生児がいる全家庭を訪問する「乳児家庭全戸訪問事業」と、健診未受診児がいる家庭等に対する「育児支援訪問事業」が法定化され、平成二一年四月から施行されている。このように、児童虐待の発生予防、早期発見、早期対応に関する法制度は整備されてきているが、依然として児童虐待による痛ましい事件が後を絶たない。そこで、先の通常国会で私が提出した質問主意書(質問第二九七号児童虐待防止に関する質問主意書)に対する答弁書(内閣衆質一七四第二九七号)を踏まえ、以下の点についてうかがう。

一 改正児童虐待防止法では、都道府県知事からの出頭要求や立入調査を保護者に拒否された場合に、裁判所の許可状を得て臨検又は捜索を行うことが認められた。しかし実際に臨検又は捜索が実施された事例は、平成二〇年度では四万二六六四件に上る相談対応件数のうち二件、平成二一年度の速報値では四万四二一〇件のうちわずかに一件のみとなっており、制度がうまく機能していないことは明らかである。
 1 制度が上手く機能していない原因としては、必要書類の作成に時間がかかることや手続が煩雑であること、客観的で明確な基準がないがゆえの判断の難しさがあると考えられる。前述の答弁書「一の1について」で、「臨検又は捜索(以下「臨検等」という。)を積極的に実施するよう、(中略)改めて周知徹底を図ったところである。」と述べているが、臨検又は捜索の実施率が極めて低いことの理由をどのように分析しているのか。また、現行制度の下で、必要な「臨検又は捜索」が行われるように取り組みは行われているのか。
 2 現行のままで運用を促進するだけでなく、制度の使いにくさを改め、より実効的な「臨検又は捜索」が行えるようにするべきではないか。より実効的な制度とするために、どのような対策が必要だと考えているか。運用の改善策を考えておられるならば、具体的な実行の工程をお示し頂きたい。
 3 同答弁書によれば、本年四月に全国の児童相談所長等を対象として臨時の会議が実施されたことになる。答弁を読むに、周知徹底を図る以外に具体的な内容は示されていないが、会議ではどのような議論がなされ、何が改善されたのか。七月末に大阪市で児童虐待の事件が発覚したが、会議の内容は十分に活かされたとお考えか。
二 児童福祉法によれば、正当な理由なく立入調査を拒否した保護者には罰則が科される。
 1 同答弁書「二の5について」によれば、罰則の適用状況については把握していないようだが、効果的な制度運用のためにも、適用状況を把握した上で保護者に適切な指導をするべきではないか。これまで適用状況を把握しなかった理由及び今後調査する見込みの有無をうかがいたい。
 2 七月末に大阪で発覚した児童虐待の事例では、児童相談所の市こども相談センターが数度にわたって現場の部屋を訪問したが、住民登録もなく、保護者と接触することができなかったという。このような事例では、同法の罰則規定は適用することができない。今後はこういった場合にも対応できる制度を設ける必要があると考えるが、政府の見解及び制度改正の見込みをうかがいたい。

 右質問する。



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