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平成二十二年十月二十一日提出
質問第七六号

北方領土問題の解決に向けた菅直人内閣総理大臣の意欲に関する再質問主意書

提出者  浅野貴博




北方領土問題の解決に向けた菅直人内閣総理大臣の意欲に関する再質問主意書


 我が国固有の領土である北方領土は、第二次世界大戦後六十五年を経ても、未だ一つの島も帰ってきていない。長きにわたり望郷の念を募らせ、耐えがたきを耐えてこられた元島民の方々も高齢化している今、これ以上この問題の解決を先延ばしにすることは許されない。国家の原理原則、国家主権に関わる問題を解決するには、国政のトップである内閣総理大臣が裂帛の気合いを持ってロシアとの交渉に取り組むことが何より肝要であると考える。右と「前回答弁書」(内閣衆質一七六第四三号)を踏まえ、再質問する。

一 前回質問主意書で、北方領土問題の解決に向け、菅直人内閣総理大臣としてどのように取り組んでいくのか、その意欲、具体的方策を問うたところ、「前回答弁書」では「菅内閣としては、北方領土問題の解決のためには日露首脳間の信頼が重要であると考えており、首脳レベルの対話を深めながら、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの方針にのっとり、ロシア連邦政府との間で交渉を行っていく考えである。」との答弁がなされている。菅総理として、ロシアのメドベージェフ大統領との間に十分な信頼関係を構築できていると認識しているか。
二 本年十月一日の所信表明演説(以下、「演説」という。)において、菅総理は「東アジア地域の安定と繁栄に向けて」の中で、「この秋は、我が国において、重要な国際会議が開催されます。生物多様性条約に関するCOP10では、議長国としての重要な役割を果たします。また、私が議長を務めるAPEC首脳会議では、米国、韓国、中国、ASEAN、豪州、ロシア等のアジア太平洋諸国と成長と繁栄を共有する環境を整備します。」との旨述べている。このように、「演説」には日ロ関係はおろか、北方領土問題についての言及はなく、本年六月十一日の所信表明演説では、「日ロ関係については、政治と経済を車の両輪として進めつつ、最大の懸案である北方領土問題を解決して平和条約を締結すべく、精力的に取り組みます。」と述べている内容から大きくトーンダウンするものであった。このことについて、北方領土問題原点の地である北海道根室市はじめ別海町、中標津町、標津町、羅臼町の根室管内地域で、菅直人内閣においては、北方領土問題解決に向けた意欲の減退が表れているのではないかとする懸念がもたれ、広く我が国国民も不安に感じているところであると思料する。前回質問主意書でこのことを問うたところ、「前回答弁書」では「北方領土問題の解決に向けて、引き続き、強い意思をもってロシア連邦政府との間で交渉を行っていく考えである。」との答弁がなされていたが、北方領土問題の解決、四島の我が国への返還に向けた菅総理の裂帛の気合、断固たる決意を改めて披瀝されたい。
三 前回質問主意書で、二で触れた「演説」の内容を決定するに当たり、政府内のどの部署でどのような協議がなされたのか等と問うたところ、「前回答弁書」では、「御指摘の演説の内容については、内外の諸情勢等を勘案し、閣議で検討を行った上で、最終的に内閣として決定したものである。いずれにせよ、菅内閣としては、一についてでも述べたとおり、北方領土問題の解決に向けて、引き続き、強い意思をもってロシア連邦政府との間で交渉を行っていく考えである。」との答弁がなされている。では、日ロ関係について「北方領土問題」や「平和条約」といった言葉を一切用いないことを決定するに当たり、政府としてどのような「内外の諸情勢等」を勘案したのか、具体的に説明されたい。
四 「演説」の直前の九月二十九日、メドベージェフ大統領は「近い将来、必ずクリルを訪問する」旨の発言をしている。またその三日前の二十六日には、訪問先の中国東北部の旅順港において、日露戦争で戦死したロシア兵と、第二次世界大戦で旧日本軍との戦争で死亡したソビエト兵の墓地で献花し、「歴史的真実をねじ曲げようと試みる勢力がいるが、われわれは大戦についての真実を主張していかねばならない」と、中国とロシアが歩調を合わせ、歴史認識について我が国を責めるかのような発言をしている。このように、ロシア側が我が国に対し、特に北方領土問題について強硬な態度に出ている中で、我が国のトップである菅総理が「演説」において同問題に何ら触れなかったことは、ロシアに対して、我が国が同問題を重視していないとの誤ったメッセージを伝えてしまうことになるのではないか。三の答弁にあるように、菅総理として「内外の諸情勢等」を勘案したのなら、なおさら「演説」の中で明確に北方領土問題について言及するべきであったと考えるが、菅総理の見解如何。
五 前回質問主意書で、過去に内閣総理大臣の所信表明演説及び施政方針演説において、日ロ関係に関し、「北方領土問題」、「平和条約」といった言葉が用いられなかった事例はあるかと問うたところ、「前回答弁書」では第百二十九回国会における羽田孜内閣総理大臣、第百三十一回国会における村山富市内閣総理大臣、第百四十六回国会における小渕恵三内閣総理大臣、第百五十五回、百五十七回、百六十三回国会における小泉純一郎内閣総理大臣、第百六十八回国会における安倍晋三内閣総理大臣、第百七十回国会における麻生太郎内閣総理大臣の所信表明演説が挙げられている。では、右のそれぞれの演説の中で、日ロ関係及び北方領土問題に関し、どのような言及がなされていたのか説明されたい。

 右質問する。



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