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平成二十二年十一月一日提出
質問第一一七号

ロシア大統領による北方領土訪問に係る政府の対応等に関する質問主意書

提出者  浅野貴博




ロシア大統領による北方領土訪問に係る政府の対応等に関する質問主意書


 本年九月二十九日、ロシアのメドベージェフ大統領は「近い将来、必ずクリルを訪問する」旨の発言をし、十一月一日の日本時間午前九時過ぎ、国後島を訪問した。右を踏まえ、質問する。

一 メドベージェフ大統領が国後島を訪問する計画を立てていたことを、政府、特に外務省、更には在ロシア日本国大使館(以下、「大使館」という。)、在ユジノサハリンスク日本国総領事館(以下、「総領事館」という。)はいつ頃から察知していたか。具体的な日にちを挙げ、クロノロジーに沿って説明されたい。
二 本年十月三十日、ロシアのサハリン州に、ロシアの政府機二機が到着しており、大統領による訪問の準備が進められていたと承知するが、政府、特に外務省として、右をいつ知ったか。
三 メドベージェフ大統領による今回の国後島訪問につき、ロシア側より外務省、ひいては「大使館」、「総領事館」に対して事前に通告はなされていたか。
四 政府、特に外務省、ひいては「大使館」、「総領事館」として、今回の事態に備え、どのような働きかけをロシア側にしてきたのか説明されたい。
五 政府、特に外務省、ひいては「大使館」、「総領事館」として、今回の事態を楽観視し、十分な対応をしてこなかったという事実はないか。今回のメドベージェフ大統領による国後島訪問については、ロシア側から事前にいくつかシグナルを送られてきたものの、我が国として分析を誤り、訪問はないと楽観視していたのではないか。外務省、特に小寺次郎外務省欧州局長の答弁を求める。
六 本年十月二十六日、ロシア国営ラジオ「ロシアの声」(旧モスクワ放送)の日本語放送 http://japanese.ruvr.ru/2010/10/26/28609030.html を、政府、特に外務省として承知し、その内容を把握しているか。
七 六の内容は、ロシア政府としての我が国政府へのメッセージであったと考えるが、政府、特に外務省として、それに関する分析を行っていたか。
八 本年九月七日、尖閣諸島周辺に侵入した中国漁船が、我が国の海上保安庁巡視船に衝突する事件が起きた。右を受け、同月八日、石垣海上保安部は同漁船の(注)其雄船長を公務執行妨害の容疑で逮捕したものの、同月二十四日、那覇地方検察庁の鈴木亨次席検事は、その(注)船長を処分保留として釈放することを発表し、(注)船長は翌二十五日午前一時半過ぎに釈放され、中国政府のチャーター機で帰国した。尖閣諸島を巡っては、日中間にそもそも領土問題は存在しないが、右の衝突事件発生後、日中間に深刻な亀裂が生じ、種々の問題が発生していることは事実である。今回のメドベージェフ大統領による国後島訪問は、このような我が国と中国の混乱に乗じ、我が国が窮地に立たされているところを狙って強行されたものではないのか。菅直人内閣総理大臣、前原誠司外務大臣の見解如何。
九 政府、特に前原大臣として、河野雅治在ロシア日本国大使を本国に呼び、今回の事態に関する一連の事情を聴取する考えはあるか。
十 菅総理は、本年十月二十八日から三十一日まで、ASEAN関連会議に出席するため、ベトナムのハノイ等を訪問していたと承知する。又、メドベージェフ大統領も、右の会議に出席するため、ベトナムを訪問していたと承知する。政府、特に外務省として、その際に、日ロ首脳会談を開催し、メドベージェフ大統領による国後島訪問について話し合う機会をつくるべきであったと考えるが、それが実現しなかったのはなぜか。
十一 政府、特に外務省、ひいては「大使館」、「総領事館」として、メドベージェフ大統領による国後島訪問を防げなかったことについて、どのような見解を有しているか。
十二 菅総理、前原大臣として、今回メドベージェフ大統領が国後島を訪問したことにより、今後の日ロ間の北方領土交渉がどのような影響を受けると考えているか。
十三 菅総理、前原大臣として、今回のメドベージェフ大統領による国後島訪問を受け、ロシアとの北方領土交渉の戦略、戦術をどう練り直していく考えでいるのか説明されたい。

 右質問する。



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