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平成二十二年十一月十五日提出
質問第一六三号

北方領土問題の解決に向けた内閣府副大臣の発言に関する質問主意書

提出者  浅野貴博




北方領土問題の解決に向けた内閣府副大臣の発言に関する質問主意書


 本年十一月十一日、末松義規内閣府副大臣は民放テレビ局の番組に出演し、北方領土問題について「今やれば(日本が求める)四島全部は取れない。タイミングをずっと延ばして一世代待ち、日本側が有利なタイミングを見るしかない」との発言(以下、「発言一」という。)をしている。また、同月十二日、北海道根室市の波多雄志市議会議長はじめ九人の議員の訪問を受けた際に、末松副大臣は以下の発言をしている。
 「(四島即時返還は)現実的に極めて考えにくい。長期的な視点が必要だ」(以下、「発言二」という。)
 「ウィン・ウィンの関係で今合意するとしたら、日本が四−〇で勝つのは想像しがたい」(以下、「発言三」という。)
 「タイミングを選んで日本が極めて有利な時に持っていくことだ」(以下、「発言四」という。)
 そして更に、パレスチナ問題を引き合いに出して次のように述べている。
 「日本人みたいに性急ではなく、孫の代も考えてやっている」(以下、「発言五」という。)
 右を踏まえ、質問する。

一 「発言一」から「発言五」に対する政府の見解如何。右は、政府の公式な見解を反映したものか。
二 第二次世界大戦後、北方領土を追われた元島民の方々は、平均年齢が既に七十代後半を迎えており、戦後六十五年がすぎた今も、北方領土問題が解決に向けて一向に前進していないことに、焦りを超えた焦燥感、絶望感を抱いている。自分たちの代で解決しなくても、子や孫の代では必ず解決してほしいという思いを持つのと同時に、自分たちが健在なうちに、かけがえのないふるさとである北方領土に帰りたいとの強い願いを抱いている。また二〇〇六年八月十六日には、ロシアの国境警備隊に、羅臼町の漁船が銃撃・拿捕されるという痛ましい事件が起きている。北方領土問題の原点の地である根室市、根室管内羅臼町、標津町、中標津町、別海町はじめ道東地域は、この問題が解決しないことにより、経済的に大変な疲弊をしており、一朝一夕に解決しないまでも、解決に向けた着実な前進を切望している。「発言二」にあるように、歯舞、色丹、国後、択捉の四島が同時に即時に返還されることは現実的に厳しく、また「発言三」にあるように、現実的な交渉論からしても、四島が我が国に帰属することをロシアが認めることを、交渉を始める前提とすると、そもそもロシア側が議論に乗ってこない可能性が高いのも事実である。しかしながら、これらのことを考慮しても、この問題が解決するまでもう一世代待つべきとした末松副大臣の発言、特に「発言一」、「発言三」、「発言四」は、解決を待ちわびてきた元島民はじめ地域住民、そして日本国民の思いを踏みにじるものであり、政府の人物の発言としては不適切であったと考えるが、いかがか。
三 パレスチナ問題に関する政府の認識如何。
四 その発端、歴史的経緯、背景、当事者による交渉等、パレスチナ問題と北方領土問題にはどのような相似点があり、また違いがあるか。政府の認識如何。
五 パレスチナ問題を引き合いに出した末松副大臣の「発言五」は適切なものであったか。政府の見解如何。
六 政府、特に馬淵澄夫沖縄及び北方対策担当大臣として、末松副大臣の一連の発言について、何らかの注意をしているか。

 右質問する。



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