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平成二十三年五月二十三日提出
質問第一九五号

東京電力福島原子力発電所事故に係る原子力損害の賠償における政府の支援の枠組みに関する質問主意書

提出者  塩崎恭久




東京電力福島原子力発電所事故に係る原子力損害の賠償における政府の支援の枠組みに関する質問主意書


 本年五月十六日の衆議院予算委員会において、東京電力福島原子力発電所事故に係る原子力損害の賠償における政府の支援の枠組みに関し、枝野官房長官の東京電力に対する債権者の債権放棄に関する発言について、委員である私がその詳細について質問したところ、海江田経済産業大臣は、「この東京電力と金融機関との関係は、まさに民民の関係でございます。そこにすぐに政府が割って入るということはできるはずもない」と答弁した。

1 この答弁の意図するところは、政府として東京電力に対する債権者に対し、その債権放棄を求めない、若しくは求めることが出来ないということか。
2 「すぐに政府が割って入るということはできるはずもない」ということは、長期的には債権放棄に関し、政府が介入する可能性があるということか。
3 これに対し、本年五月十九日、枝野官房長官は記者会見で債権放棄について「国民的な理解が得られるかと言われたら、得られないでしょうねという私の見通しを申し上げた。そして国民的な理解が得られなければ、国として東京電力を支援することは民主主義社会である以上できない。」と述べているが、これは政府としての見解か。
4 債権放棄がなければ国として支援できないとの「見通し」を政府自ら表明することは、金融機関に対して債権放棄を求めるに等しいと考えるが、政府の方針としてはやはり東京電力に対する債権者の債権放棄を求める方針でいるのか。仮にそうでないとすれば、枝野官房長官が前記の「見通し」を表明したことは、不適切であり、撤回すべきでないか。
5 政府が東京電力に対する債権者に対し債権放棄を求めた場合、その主たる対象となる金融機関は、各々の株主に対し、どう理解を求めればよいか。政府の見解如何。
6 枝野官房長官の記者会見での発言「国民的な理解が得られなければ、国として東京電力を支援することは民主主義社会である以上できない」における「国民的な理解」には、東京電力に対する債権者たる金融機関の株主の理解は含まれないと考えてよいか。
 また、右の衆議院予算委員会において、委員である私が、平成二十三年五月十三日付関係閣僚会合決定「東京電力福島原子力発電所事故に係る原子力損害の賠償に関する政府の支援の枠組みについて」(以下「東電賠償スキーム」)は、他の電気事業者に対し、今回の福島原発事故の賠償について負担を求めるものかどうか尋ねたのに対し、海江田経済産業大臣は、「現在、今もう既に起こってしまったことと、それからそのほかに将来的な備えと、この二つの意味合いがある」と答弁した。
7 この海江田経済産業大臣の答弁は、東電賠償スキームが、他の電気事業者に対し、今回の福島原発事故の賠償について負担を求めるものと解されるが、そう捉えてよいか。
8 これに対し、五月十九日、枝野官房長官は記者会見において、「今回決定したスキームでは、他の電力会社に東電の今回の賠償についての負担を求めるものではない」と述べている。政府の方針としては、やはり今回の東電賠償スキームは、他の電気事業者に対し、今回の福島原発事故の賠償について負担を求めるものではないと捉えてよいか。
9 原発被害の主管大臣である海江田経済産業大臣と、政府の公式な方針を発表する枝野官房長官が、数日の間で全く逆のことをそれぞれ公の場で述べていることは、政府のガバナンス上問題があると考えるが、政府の見解如何。
10 海江田経済産業大臣は、右の衆議院予算委員会において、「こういう私どもの一言一言が、特に、社債もマーケットがございます、株主もマーケットがございます、私どもの本当に一言一言が、やはりマーケットに大きな影響を与える」と答弁しているが、原発被害の主管大臣である海江田経済産業大臣と、政府の公式な方針を発表する枝野官房長官が、数日の間で全く逆のことをそれぞれ公の場で述べていることは、マーケットに対してどれだけの悪影響を与えると考えるか、政府の見解如何。
 また、東電賠償スキームにおいて、
11 政府として東京電力に対して「全てのステークホルダーに協力を求め」ることについて東京電力に確認を求めたとあるが、ここでいう「全てのステークホルダー」には東京電力の社債権者も含まれるのか。
12 社債権者の全部または一部の債権カットは、東電賠償スキームに基づく政府の東京電力に対する支援の前提条件か。あるいは、少なくとも、政府として、社債権者の債権カットがなされることを期待しているか。
13 東電賠償スキームに基づく政府による東京電力への支援は、東京電力が今後も上場を維持することを前提としているのか。それともこれを必ずしも前提としていないのか。

 右質問する。



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