衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十三年六月八日提出
質問第二三三号

いわゆる布川事件で容疑者とされ服役させられた人物の無罪が確定した件に対する政府の見解に関する質問主意書

提出者  浅野貴博




いわゆる布川事件で容疑者とされ服役させられた人物の無罪が確定した件に対する政府の見解に関する質問主意書


 一九六七年八月、茨城県利根町布川の男性が殺害された件につき、茨城県警は別件で逮捕していた桜井昌司さんと杉山卓男さんを同事件の容疑者として再逮捕した。一九七〇年、水戸地方裁判所土浦支部により無期懲役の判決を下され、また七八年には最高裁判所により上告が棄却され、二人は刑に服することを余儀なくされたものの、二〇一〇年七月から再審公判が始まり、本年五月二十四日、同支部は、桜井さん、杉山さんが犯人と証明する証拠は存在しないとして無罪判決を言い渡した。六月七日、水戸地方検察庁は上告を断念し、二人の無罪が確定した。右を踏まえ、質問する。

一 今回、桜井さん、杉山さんの無罪が確定したことに対する政府の見解如何。
二 布川事件に関し、何の罪も犯していなかった二人が犯人とされ、四十年以上もの長きに渡り、自由を奪われ、基本的人権を著しく侵害される事態が生じてしまった。政府として、このようなことが起きた原因についてどのような見解を有し、また当時の警察、検察の対応、特に取調べの方法等には具体的にどのような問題点があったのか等、布川事件についてどのような総括をしているか。
三 当時、桜井さん、杉山さんの取調べを担当した警察官、検察官のうち、現在も現職でいる者はいるか。
四 警察庁として、桜井さん、杉山さんに対し、今回の無罪確定を受け、謝罪をする考えはあるか。
五 警察庁として、桜井さん、杉山さんを取り調べた当時の警察官に対し、三の現役の者はもちろん、既に退職した者に対しても、二人に謝罪させる考えはあるか。
六 検察庁として、桜井さん、杉山さんに対し、今回の無罪確定を受け、謝罪をする考えはあるか。
七 検察庁として、桜井さん、杉山さんを取り調べた当時の検察官に対し、三の現役の者はもちろん、既に退職した者に対しても、二人に謝罪させる考えはあるか。
八 桜井さん、杉山さんの他にも、富山県氷見市の柳原浩さんが強姦などの容疑で富山県警に誤認逮捕され、二年あまり服役した後に無罪が確定した件や、二〇〇三年の鹿児島県議選において中山信一さんと志布志市の運動員ら十五人が公職選挙法違反容疑で逮捕され、強圧的な捜査等により自白を強要され、後に全員の無罪が確定した件、そして一九九〇年、栃木県足利市で当時四歳の女児が殺害されたいわゆる足利事件で容疑者とされ、無期懲役が確定し、服役中だった菅家利和さんが、女児の下着に付着していた体液のDNA型が菅家さんのものとは一致しないとの鑑定結果が出たことを受け、一昨年六月四日、千葉刑務所から釈放され、後に無罪が確定した件等、近年、容疑者とされた人物が冤罪の憂き目に遭っていたことが次々と明らかになっている。今回の布川事件を含め、これらは警察、検察の捜査手法等に根本的な問題点があることを示しているに他ならないと考える。今こそ警察、検察の捜査手法等、その体質を抜本的に改めるべき時に来ていると考えるが、政府として今後どのような対応をとる考えでいるのか説明されたい。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.