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平成二十三年六月十三日提出質問第二四四号
ロシア副首相による日ロ平和条約不要論に対する政府の見解に関する質問主意書
提出者 浅野貴博
ロシア副首相による日ロ平和条約不要論に対する政府の見解に関する質問主意書
本年六月五日、シンガポールで行われたアジア安全保障会議において、ロシアのセルゲイ・イワノフ副首相が我が国との関係につき、「第二次大戦の古い本を閉じて平和条約を締結するのもよいが、条約なしでもやっていける」、「私の知る限り、日露間に領土問題はない。(領有権について)解釈の違いがあるだけだ」との発言(以下、「イワノフ発言」という。)をし、日ロ平和条約は必要なく、その締結にこだわらないとの見解を示している。右に対し、同月六日、伴野豊外務副大臣は記者会見において、「イワノフ発言」について、「一言で言えば、非常に残念なご発言ということでございます。ご案内のように五月二十七日の日露首脳会談におきましては、菅総理とメドヴェージェフ大統領は、領土問題につきまして静かな環境下で協議を継続していくということで一致したところでございます。今回のイワノフ副首相の発言は、このような日露首脳間の了解の精神と相容れない非建設的なものと考えているところでございます」と述べている。右を踏まえ、質問する。
二 ロシア政府より、一のような認識が公式に表明されたことは過去にあるか。
三 政府として、イワノフ副首相が「イワノフ発言」をした真意は何であると考えているか。
四 「イワノフ発言」の内容は、ロシア政府の公式な見解を示したものではないものの、そのような認識がロシア政府内でも徐々に広がっていることもまた事実であると考えるが、政府の見解如何。
五 「イワノフ発言」に見られる見解がロシア政府内、ひいてはロシア国内の世論で大勢を占めるようになると、日ロの北方領土交渉はさらに停滞し、我が国の国益が大きく損なわれることにつながると危惧するものである。外務省として、「イワノフ発言」を牽制し、ロシア政府並びに同国内でそのような世論の広がりを防ぐには、具体的にどのような手立てを講ずることが有効であると考えているのか説明されたい。
右質問する。