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平成二十三年八月十八日提出質問第四〇四号
盗聴防止に対する外務省の認識に関する質問主意書
提出者 浅野貴博
盗聴防止に対する外務省の認識に関する質問主意書
一 元外務審議官の丹波實氏が中央公論新社より『わが外交人生』という著書を上梓している。その三四ページに、「ちなみに、当時は中国から外国に電話をかけるときは『北京長途電話台』という電話局に申し込むことになっていた。電話が終わったらまた電話をしていまのはいくらになりますか、と聞く。そのときも筆者は同じ質問をしたら先方は『…分間で…元です』と言う。支払いの額はどうでもよいことであったが、『いまの電話は最初の五分ほど、雑音が入りほとんど聞こえなかったのでもっと安くしてください』と言ったら、電話局の職員は、『そんなことはありません。最初から最後まで明瞭でした』と軽やかに答えた。明らかな盗聴を告白している。こちらも笑ってしまった」との記述があるが、外務省として右を承知しているか。
二 一の記述は丹波氏が中国に赴任した一九七三年当時のことであるが、その内容は事実か。当時外務省として、中国側に盗聴をされていたという認識を有していたか。
三 外務省として、現在も中国側に盗聴をされているという事実はあるか。またそのような認識を有しているか。
四 三で、中国側に盗聴をされているという認識があるのなら、それを防止するための方策として、どのような対応をとっているか。
五 二〇〇四年五月六日、在上海日本国総領事館の館員が自殺するという事件が起きた。右に関し外務省は、二〇〇五年十二月三十一日付プレスリリースで「在上海総領事館の館員の死亡の背景には、現地の中国側公安当局関係者による、領事関係に関するウィーン条約上の接受国の義務に反する遺憾な行為があったと考えている」と記している。四の対応は、右の元館員に対しても徹底されていたか。
右質問する。