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平成二十四年二月二日提出
質問第三三号

除染事業の実現性等に関する質問主意書

提出者  高市早苗




除染事業の実現性等に関する質問主意書


 平成二十三年十月二十九日に環境省が発表した「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質による環境汚染の対処において必要な中間貯蔵施設等の基本的考え方について」(以下、「中間貯蔵施設等の基本的考え方」)の「仮置場のイメージ(例)」の絵図によると、仮置場の構造は、フレコンバッグに除去土壌等を収納し、横12列程度に並べ、縦2段程度に積み上げ、紫外線や放射性物質を遮断するために土嚢を被せるものだと考えられる。
 つまり、環境省が例示した平均的と思われる仮置場1箇所あたりには約20m×20m程度の土地が必要となり、この場合、除去土壌等の収納容量は約300m3と予想される。「中間貯蔵施設等の基本的考え方」の「資料1」によると、福島県内の除去土壌等の量は、焼却前で約1500万m3〜約3100万m3と試算されている。仮置場1箇所あたりに300m3を収納できるとすると、除去土壌等の発生量が3100万m3だった場合には、福島県内には約10万箇所の仮置場が必要となり、その総面積は40km2に及ぶこととなり、福島県の面積の0.3%に相当する。
 更に、平成二十四年一月二十六日に環境省が発表した「除染特別地域における除染の方針(除染ロードマップ)について」に記されているように「除染の結果として、追加被ばく線量が年間1ミリシーベルト以下となることを長期的目標とする」のであれば、福島県内の除染対象地域面積は8000km2に及ぶとも言われ、仮に表土を5p剥ぐとすると、汚染土壌量は4億m3になる。この場合、約130万箇所の仮置場が必要となり、その総面積は520km2、福島県の面積の3.8%という驚異的な値となる。
 また、収納容器の費用も莫大だ。仮に除去土壌等の収納に高耐候性3年対応フレキシブル・コンテナ・バッグ(以下、フレコンバッグ)を使用する場合には、1袋約4500円と仮定すると、1袋の土壌収納容量は約1m3なので、「中間貯蔵施設等の基本的考え方」で環境省が試算した約3100万m3の除去土壌等の収納に必要なフレコンバッグの購入費用だけでも、約1400億円となる。汚染土壌量が4億m3に及ぶ場合には、1兆8000億円と試算できる。
 野田内閣は、「出来ないこと」を「やろうとしている」のではないかという疑問を持つものである。
 従って、次の事項について質問する。

@ 除染事業の対象となる各県ごとに、それぞれ何uの仮置場が必要なのか。
A 必要な仮置場を設置する土地の確保は、現実問題として可能なのか。
B 除染対象となる各県ごとに、仮置場の設置費用は、平均して1uあたり幾らと見積もっているのか。
C 仮置場設置にかかる費用は、誰が負担するのか。
D 除染対象となる各県ごとに、仮置場で除去土壌等を収納する容器は何個必要なのか。
E 除染対象となる各県ごとに、仮置場で除去土壌等を収納する容器の購入にかかる費用の見積りを伺う。使用を予定する収納容器の種類、平均単価とともに回答されたい。
F 仮置場で除去土壌等を収納する容器の購入費用は、誰が負担するのか。
G 除染対象となる各県ごとに、土壌等の除去作業そのものにかかる費用の見積りを伺う。
H 土壌等の除去作業にかかる費用は、誰が負担するのか。
I 除染対象となる各県ごとに、除去土壌等の運搬にかかる費用の見積りを伺う。
J 除去土壌等の運搬にかかる費用は、誰が負担するのか。
K 除染対象となる各県ごとに、前問までに挙げたもの以外に、仮置き完了までにかかる費用の種別と見積り、費用の負担者を伺う。

 右質問する。



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