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平成二十四年二月二十九日提出
質問第一〇八号

八ツ場ダム建設事業の基本計画に関する質問主意書

提出者  中島政希




八ツ場ダム建設事業の基本計画に関する質問主意書


 八ツ場ダム建設事業については本体工事費が平成二十四年度の予算案に計上されたが、その執行については、藤村修内閣官房長官裁定をクリアすることが必要であり、本体の着工時期は定まっていない。また、八ツ場ダム建設事業の基本計画について、これまで完成時期と総事業費の変更を繰り返してきており、今後、さらなる基本計画の変更が必要となると考えられる。
 以上を踏まえ、八ツ場ダム建設事業の基本計画の今後の見通しと、それに付随する問題について、以下質問する。

一 八ツ場ダムの完成時期に関する前田武志国土交通大臣の答弁について
 平成二十四年二月二日の衆議院予算委員会で、八ツ場ダムの完成時期に関する質問に対して、前田武志国土交通大臣は、「本体に着工してから、七年で完成すると想定されている」との答弁を行っている。一方、本体工事の予算執行は藤村修内閣官房長官の裁定の条件をクリアしてからであり、利根川水系河川整備計画の策定後のことである。河川整備計画の策定期間は未定とのことであるが、利根川という日本で最大の流域を持つ水系の河川整備計画はしかるべき手順を踏めば、数年以上の年数を要し、八ツ場ダム建設事業の基本計画が定める平成二十七年度末よりも完成時期が延びると考えられるが、政府の見解を示されたい。
二 付替鉄道の川原湯温泉新駅付近の用地買収について
 八ツ場ダムの完成時期が遅れる他の理由として付替鉄道の完成の遅れがあると考えられる。ダムサイト予定地を現在のJR吾妻線が通っているため、ダム本体の本格的な工事を始める段階では、現在のJR吾妻線は廃止しておかなければならないが、その前に付替鉄道が完成していることが必要である。しかし、JR吾妻線の付替鉄道は平成二十三年三月末に完成の予定であったが、いまだに工事中である。付替鉄道の完成時期の遅れは川原湯温泉新駅及び駅前広場の用地買収が完了していないことによるが、@川原湯温泉新駅及び駅前広場の用地買収の進捗状況、A未買収面積、B未買収用地の地権者数、C買収完了予定時期、@〜Cそれぞれについて示されたい。
三 八ツ場ダム建設事業の総事業費について
 1 八ツ場ダム建設事業の検証に係る検討報告書には、総事業費の点検結果として、契約実績や物価変動等による減額二一億七千万円、工事中断と工期遅延に伴う増額五五億三千万円、追加的な地すべり対策の必要性の点検による増額一〇九億七千万円、代替地の安全対策の必要性の点検による増額三九億五千万円が記されているが相違はないか。
 2 これらを合計すると一八三億円の増額となるが、このほかに、総事業費の増額要因はあるか、政府の見解を示されたい。
四 基本計画の変更時期について
 上述のとおり、八ツ場ダムの完成時期が現在の基本計画の平成二十七年度末完成より延長され、総事業費も増額となった場合、八ツ場ダム建設事業の基本計画を変更しなければならないと考える。基本計画は今まで三回の変更が行われてきているため、第四回の変更となるが、その変更予定時期はいつになるか、政府の見解を示されたい。
五 関係都県の基本計画に関する見解について
 八ツ場ダム建設事業の完成時期の延長と総事業費増額に対して、関係都県はこれまでの基本計画どおりの実施を求めている。「八ツ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場(第一回)」(平成二十三年九月十三日)において、東京都知事代理は、「ぜひ基本計画どおりの二十七年度完成というのを実現していただきたいということでございます。それから、この間の、いわば虚しく過ぎた二年間の検証の結果生じた金額上の問題につきましては、これは国が責任を持ってしかるべきご努力をいただいて、全体の基本計画に定めた全体経費の中でしっかりと工事を完成させるという、この点についてもひとつよろしくお願いしたいというふうに思っております。」と述べている。さらに、他の県も検討の場及び幹事会で同様の主旨の発言を行っている。以上について相違はないか。
六 関係都県からの基本計画変更の同意取り付けの見通しについて
 八ツ場ダム建設事業の基本計画を変更する場合は、特定多目的ダム法により、国土交通大臣は関係都県等に意見を聞かなければならず、同意の意見を得なければ変更することは困難である。完成時期の延長と総事業費の増額について、関係都県は五のとおり、これまでの基本計画どおりの実施を求めており、このような状態では、基本計画の変更は難しいと考えるが、基本計画の変更について関係都県から同意の意見を得る見通しがあるか、政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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