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平成二十四年三月十四日提出
質問第一三七号

売電目的の農地転用(消滅)面積は農水省では「予測は困難」とした政府答弁書に関する質問主意書

提出者  山本 拓




売電目的の農地転用(消滅)面積は農水省では「予測は困難」とした政府答弁書に関する質問主意書


一 平成二十四年二月二十八日質問(第一〇四号)「農山漁村における再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律案で再生エネルギー発電設備の整備のために何ヘクタール優良農地を無くすと予測しているのか。」との問いに対する回答は「これを予測することは困難である。」であった。これは、農地転用申請数に比例して農地が転用(消滅)されるため農地喪失面積が予測困難との事。食料・農業・農村基本計画の四百六十一万ヘクタールがこれで守れるのか。政府の見解を求める。
二 「売電目的の再生可能エネルギー発電設備の整備に必要なまとまった土地確保」を図るため「優良農地までも対象」と説明していることは、農林水産省として不適切行為である。当初は耕作放棄地のみ対象としていたが、なぜ売電用発電設備設置の土地の確保のために優良農地を農地転用(消滅)させるのか。
三 優良農地と耕作放棄地の等価交換には当然費用が発生するが、耕作放棄地の所有者に「優良農地と同じ評価農地にもどす費用」を負担させることになるが、どのような認識でいるのか、予想される手法を聞く。本来農地を守る農林水産省が「農山漁村における再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律案」により発電事業者の計画次第で農地を提供せざるを得なくなる事態が、この回答(予測は困難)で明確になった。自家使用でなく売電目的事業は、経済産業省の調達価格、調達期間等が確定するまでは、この法案を審議することは困難である。売電目的の再生可能エネルギー発電設備の整備に必要なまとまった土地確保を図るための本法案の審議を急ぐ理由は何か。
四 農林水産省の「耕作放棄地を活用した発電ポテンシャル」では、耕作放棄地のうち約十七万ヘクタールが利用可能としているが、現実問題として約十七万ヘクタールのうち原野化した土地(八・六万ヘクタール)と農地への復元が不可能な耕作放棄地(五・八万ヘクタール)は、予想される売電価格では、修復造成費用まで投資する売電事業者はいない。いわゆる不適格地である。約十七万ヘクタールのうち二・八万ヘクタールは可能性があるが、送電線の費用次第では無理であると思われる。耕作放棄地のうち約十七万ヘクタールが利用可能とし、「耕作放棄地を活用した発電ポテンシャル」を発表した農林水産省は、約十七万ヘクタールについて農林水産省として再生可能エネルギー農地利用計画を立案しようともしていないのはなぜか。野田総理として農林水産省に検討に入らせるべきと考えるが、野田総理の見解を求める。
五 本来、農林水産省は売電目的ではなく「農産物の消費及び需要拡大のため非食料分野の一次エネルギー等での利用促進」「植物工場(ハウス)での農産物の生産・加工に寄与する電気の発電装置」目的の再生可能エネルギー農地利用計画を推進すべきであるが、売電事業者のために市町村を巻き込む無計画な農地利用制度の創設には理解に苦しむ。市町村からすると、再生可能エネルギー発電特区制度を創設し、内閣府が中心となり、「所有権の移転・農地法、自然公園法、温泉法等各省庁にまたがる手続きのワンストップ化」を図るべきである。全国各市町村は、政府のエネルギー基本計画の見直し・電力会社の見直し等を見極め、そのうえで、今年七月からの電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法の施行内容の継続的方向性を更に見極めなければ、全国各市町村として基本計画は立てられない。再生可能エネルギー発電特区を希望する自治体には、手続きワンストップ等現行総合特区等の法律運用範囲で、政府の方針の下、内閣府にて対応できる。経済産業省の調達価格、調達期間等が確定しない状況において、内閣府を排除してまで急いで農林水産省で行う理由は何か、政府見解を求める。
六 政府は、耕作放棄地三十九・六万ヘクタール(二〇一〇農業センサス)+原野化した土地(八・六万ヘクタール)の対策を、農林水産省に全国関係自治体と協議を始めさせ、その議事録を公開し、広く国民の協力を求めるべきである。野田総理の見解を求める。
七 「不測時の食料安全保障マニュアル」について全国の自治体、農業関係者への周知徹底を農林水産省に図らせるべきだが、野田総理の見解を求める。
八 農林水産省の発表している二〇一〇年度の耕地面積と荒廃した耕作放棄地等の農地面積は、四百八十八・五万ヘクタールである。いっぽう総務省の固定資産税の評価に係る農地の二〇一〇年度評価総地積は、五百九・三万ヘクタールである。農地面積に関して農林水産省と総務省の差は、二十・八万ヘクタールであるが、単年度の農地転用事務通知による誤差理由では説明がつかない違いである。二〇一〇年度農地面積の両省の違いの詳細な理由を政府として明らかにされたい。

 右質問する。



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