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平成二十四年四月二十三日提出
質問第二〇八号

国民の不安を益々増幅させる野田内閣の原子力政策に関する質問主意書

提出者  木村太郎




国民の不安を益々増幅させる野田内閣の原子力政策に関する質問主意書


 本年四月十三日、衆議院経済産業委員会において、枝野経済産業大臣は、福島第一原発事故を踏まえた国内原発の今後について、「原発への依存をゼロにしたい」と述べ、翌日には前言を翻したものの、その当日は、福井県知事が「原発の重要性について、政府のぶれることのない姿勢を国民に示してもらいたい」と求め、会談直後の記者会見では、「何年後か分からないが、恒久的に原発依存度をゼロにする」と強調した。そして、四月十五日、徳島市内での講演では、またしても、「後戻りせず一直線に原発を減らしていく」と発言。さらに、国内において唯一稼動している北海道電力泊原発三号機が五月五日、定期検査に入るのを受けて、「政府は七月までに大飯原発三、四号機を再稼動させる考えであり、その間原発はゼロになる」と明言した。
 原発立地地域はこれまで、日本経済及び社会構造の安定と発展を維持するために原発は重要且つ不可欠であるとの認識に立ち、国のエネルギー政策に協力してきたものであり、今夏の電力供給を危惧することのみで俄かに再稼動への同意を得ることは、これまでにおける立地地域の努力が全く無意味であったということに等しい。民主党政権では、菅前総理が安易に、「脱原発」を標榜し、現内閣も原発の具体的な活用策を明示しない姿勢を採り続けているが、国として、その現実を見据えた将来像を明確に地元へ示す必要がある。
 従って、次の事項について質問する。

一 枝野経済産業大臣の原子力発電所に対する姿勢が二転三転しぶれ続けていること、また一連の発言により、国民の不安を益々増幅していることに対してどのように捉え責任を取っていくのか、野田内閣の見解如何。
二 一に関連し、福井県知事が「原発の重要性について、政府のぶれることのない姿勢を国民に示してもらいたい」と求めたが、どのように応えていくのか、野田内閣の明確な見解如何。
三 一及び二に関連し、本年四月十三日、衆議院経済産業委員会における枝野経済産業大臣の「原発への依存をゼロにしたい」との発言は政府としての明確な方針で相違はないのか、野田内閣の明確な方針如何。
四 一〜三に関連し、原発依存をゼロにするためにはあらゆる角度から試算した根拠があってしかるべきと考える。原発の廃炉コスト一基当たりの金額、太陽光導入のための送電網強化対策の金額、電力需要何パーセント減なのかなどの前提条件をもとに発電コストを算出した後、「国内五十四基を全廃し、原発分を液化天然ガスで何パーセント、残りを再生可能エネルギーで代替した場合、二千何年の一キロワット時の発電コストは何パーセント増(減)」になるのかそれぞれの数値を示されたい。
五 一〜四に関連し、原発依存をゼロにするためには、福島第一原発の事故処理や廃炉を担う人材確保が必須であり、廃炉から現場の片付けまで最短でも四十年かかるとしている中、この長期に亘り国としてどのような対策を講じていくのか、野田内閣の見解如何。
六 五に関連し、中国、韓国などの近隣諸国が原発を次々に増設している中、また現政府が進める原発の輸出においても、国際水準の安全規制策に通じた専門家が重要な役割を果たすことは言うまでもないが、どのように人材を確保していくのか、野田内閣の見解如何。
七 五及び六に関連し、大学などにおける原子力関連の講座や人材育成事業について、平成二十四年度予算ではどのように反映し、また今後においてはどのように取り組んでいくのか、野田内閣の見解如何。
八 本年四月十五日の御前崎市長選など、福島第一原発事故以降において、原発立地地域における自治体の首長選で、脱原発にまでは踏み込まない姿勢の現職に対して、脱原発などを掲げる新人が敗れている状況についてどのように分析しているのか、野田内閣の見解如何。
九 一〜八に関連し、資源小国の我が国が経済力を堅持し、復旧・復興に明確な道筋をつけるためには、安全確保した上、原発を利用しつつ、石油などの化石燃料や、自然エネルギーも組み合わせた、いわゆるベストミックスを目指さなければならないと考えるが、野田内閣の見解如何。

 右質問する。



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