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平成二十四年六月十八日提出
質問第二九六号

整理回収機構・預金保険機構の債権回収業務に関する質問主意書

提出者  松木けんこう




整理回収機構・預金保険機構の債権回収業務に関する質問主意書


 整理回収機構は預金保険機構が全額出資する会社であるにもかかわらず、役員の選任が不透明であり、債権回収の方法、また、預金保険機構の財産調査および、立入調査、これを受けた整理回収機構は、きわめて恣意的であると批判されたところである。
 また、預金保険機構による預金保険法附則等にもとづく財産調査、立入調査が権限を濫用していると批判も多い。
 そこで、整理回収機構および預金保険機構について以下のとおり質問する。

一 整理回収機構の納税状況について
 (1) 整理回収機構によれば、「整理回収機構では、各勘定で利益が発生すると、同額を預金保険機構に納付することになっており、納付金は、税務計算上の損金となるため、整理回収機構が発足した平成十二年度以降平成二十二年度まで課税所得は発生していない」とあるが、会計検査院の調査で、整理回収機構は、平成十一年度から平成十二年度まで、預金保険機構に納付していない利益計約一八三七億円があったことが判明している。
  会計検査院の指摘を受けたこれら預金保険機構に納付していない一八三七億円の利益について、整理回収機構はどのように処理をしたのか。
 (2) 整理回収機構は、整理回収機構が発足した平成十一年度以降、平成二十二年度まで課税所得は発生していないというが、整理回収機構が行っている金融サービサー業務による利益についても、納税していないのか。
二 二次損失について
 (1) 整理回収機構は、住専債権の最終処理にあたり、回収額が取得額を下回る二次損失は一兆四〇一七億円であると発表しているが、住専債権の取得額および住専債権の回収額ならびに二次損失の内訳を明らかにせよ。
 (2) 整理回収機構は、上記の二次損失は、預金保険機構や整理回収機構が積み立てた利益などで穴埋めし、税金による追加負担はないというが、整理回収機構が、二次損失を補てんする利益の額を勘定別に明らかにされたい。
三 整理回収機構の組織体制について
 (1) 整理回収機構の株主総会は非公開か。非公開だとすればその理由は何か。
 (2) 整理回収機構の役員の選任については、株主総会において、整理回収機構からの議案の提出を受けたうえで、預金保険機構が株主として議決することにより選任しているというが、整理回収機構はどのような選任基準にもとづいて役員候補者を提案しているのか。
 (3) 預金保険機構は、株主総会における議決権行使にあたり、財務省や金融庁とは、協議を行うのか。決算書類のチェックは、預金保険機構、財務省、金融庁のいずれが行うのか。それらのチェックは、どのように行っているのか。
 (4) これまでの株主総会、役員会議議事録の公開の必要性については如何か。
 (5) 在職七年以上の整理回収機構の役員は、志田康雄副社長、橋本聰専務、藤井保憲監査役の三名であるということだが、これら役員の在職期間が長い理由は、どうしてか。
 (6) 整理回収機構が顧問弁護士に支払っている報酬は、平成二十一年度は顧問弁護士十六人に合計二億円、平成二十二年度は十三人に一億円となっており、平均一二五〇万円から七六九万円と、一般民間会社の顧問弁護士に支払われる額に比して高額である。
  どのような基準でこのような報酬を決定しているのか。
 (7) 整理回収機構の役員報酬について取締役五名に監査役三名を加えた報酬総額は、一億一九〇〇万円であるという。
  どのような報酬基準にもとづいてこのような報酬額を算出しているのか。
 (8) 整理回収機構に社長代行をおくのはどのような場合か。
四 預金保険機構の財産調査および立入調査について
 (1) 預金保険機構が行った財産調査および立入調査について、債務者比を旧住専・破綻金融機関・健全行別に明らかにされたい。
 (2) 財務省には、これまで債務者から、預金保険機構の財産調査、立入調査に対する苦情は、どのくらい寄せられているか。
 (3) 財務省は、これらの苦情や異議申立に対して、逸脱した行為があったかどうか調査したか。
 (4) 預金保険機構は、立入調査を行う要件を定めたマニュアルはあるが、今後の立入調査の円滑な実施、ひいては債権回収業務の遂行に支障をきたすおそれがあるから、その提出は差し控えたいと提出を拒否している。預金保険機構の財産調査や立入調査は、刑事事件の捜索令状のような司法機関のチェックがないだけに、濫用のおそれがある。恣意的な財産調査、立入調査を防止するためにも、マニュアルを開示することは必要だと考える。是非マニュアルを開示されたい。
五 企業再生
 (1) 整理回収機構は、どのような要件の具備をもって「事業再生」というのか。
 (2) 整理回収機構は、事業再生の再生区分に、法的再生、私的再生とならんで債権売却等がある。この債権売却による再生というのは、具体的にはどのような方法による再生なのか。この場合、債権売却先は、どこか明らかにされたい。
六 債権回収の規制
 (1) 整理回収機構は、債権回収のために、債務者の給与、売掛金の差押(仮差押をふくむ)を行っている件数を明らかにしているが、給与、役員報酬の差押で回収している金額は、一件あたり、約一〇〇万円から二〇〇万円である。また、売掛金の差押で回収しているのも、一件あたり、七〇万円から七〇〇万円である。給与の差押も、売掛金の差押も、債務者にとっては、まさに死活問題である。整理回収機構が、債権回収する場合、給与や売掛金の差押は、原則禁止すべきではないか。
 (2) 平成十四年から平成十五年にかけて整理回収機構の役員の海外旅行に同行した債務者に対する整理回収機構の対応に比して、平成二十三年に整理回収機構が破産申立をしたのは、一件である。これは、全債権者比で〇・〇〇三パーセントである。整理回収機構の対応に問題なしと考えるか。

 右質問する。



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