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平成二十五年三月二十六日提出
質問第三九号

いわゆる4.28「主権回復の日」政府式典に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




いわゆる4.28「主権回復の日」政府式典に関する質問主意書


 平成二十五年三月二十一日、私の議員会館居室の郵便箱に一通の式典案内状が投函されていた。
 式典案内状には、「主権回復・国際社会復帰を記念する式典委員長 内閣総理大臣 安倍晋三」名下で、「平和条約の発効による我が国の完全な主権回復及び国際社会復帰六十年の節目を記念し、主権回復・国際社会復帰を記念する式典を左記により挙行いたします」と書かれていた。式典の日時は、平成二十五年四月二十八日、場所は憲政記念館である。いわゆる4.28「主権回復の日」政府式典の案内状だ。
 右案内状には、式典への出欠を問う返信用ハガキが同封されていた。私は、同年三月二十二日、次のような文言を添えて「欠席」の通知を行った。
 「サンフランシスコ講和条約により、沖縄はアメリカの施政権下に売り渡され、苦難を強いられ、人間としての尊厳を奪われた。『我が国の完全な主権回復』は嘘だ。沖縄にとって『屈辱の日』だ」同時に「式典に抗議し、中止を要求する」とも書き添えた。
 今、沖縄では、四月二十八日に挙行されようとしている「主権回復の日」政府式典に対し、多くの県民から違和感が表明され、式典開催に対する抗議の声が挙がっている。
 具体的には、「式典を開催することは国家のエゴイズムにほかならない」(比屋根照夫・琉球大学名誉教授)、「式典開催は国民への歴史の偽造にほかならない」(照屋寛之・沖縄国際大学教授)との学識者らの指摘(二〇一三年三月二十五日付・沖縄タイムス)だ。また、式典開催そのものが、政府による沖縄への差別、無視、迫害であるとの強い意見が県民の多数から出ている。
 以下、質問する。

一 いわゆる4.28「主権回復の日」政府式典の案内状には、「平和条約発効による我が国の完全な主権回復」との記述があるが、サンフランシスコ講和条約第三条によって、沖縄、奄美、小笠原は米国の施政権下に置かれたのが歴史の真実だ。にもかかわらず、政府は、サンフランシスコ講和条約発効によって「我が国の完全な主権回復」がなされたとの認識なのか。また、政府のいう「完全な主権回復」とは、いかなる状態を指すのか、見解を明らかにされたい。
二 政府は、主権国家における「主権」の概念、国家権力の属性としての「主権」の意味及び用法についてどのように考えるか、見解を示されたい。
三 サンフランシスコ講和条約が発効した一九五二年四月二十八日は、沖縄にとって「屈辱の日」である。以後、同条約第三条により、沖縄、奄美、小笠原は米国の施政権下に置かれ、一九七二年五月十五日の「本土復帰」が実現するまで沖縄には日本国憲法が適用されず、我が国の警察権、司法権も及ばない治外法権、「半主権状態」にあった。
 それでも政府は、「我が国の完全な主権回復」が実現したとして、政府式典を挙行するつもりか。式典挙行は、歴史の真実に対する「国家の嘘」ではないか、見解を示されたい。
四 来る四月二十八日の「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」への招待者の範囲を特定したうえで、係る招待の範囲に至った理由を明らかにされたい。
五 右式典には、予てより報道されている天皇、皇后両陛下も招待するのか、明らかにされたい。
 また、天皇、皇后両陛下の式典出席は、日本国憲法第七条が定める「天皇の国事行為」の範疇を超えた「天皇の政治利用」に該当するとの疑念もあるが、政府の見解を示されたい。なお、「天皇の政治利用」に該当しないとの見解であれば、その理由を明らかにされたい。
六 政府は、大日本帝国憲法下における「天皇主権」から、日本国憲法下における「国民主権」へと変わった意義について、いかように考え、評価しているか、見解を示されたい。
七 平成二十四年十二月十六日執行の第四十六回衆議院議員総選挙における自由民主党の政権公約「J−ファイル2012」には、「政府主催で、二月十一日の建国記念の日、そして二月二十二日を『竹島の日』、四月二十八日を『主権回復の日』として祝う式典を開催します」とある。
 政府が、来る四月二十八日の「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」から「祝う」の文言を除外し、政権公約に反して「祝う」式典としなかった理由を明らかにされたい。

 右質問する。



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