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平成二十六年三月十一日提出
質問第七三号

ウクライナ情勢に係る駐ウクライナ日本国特命全権大使の発言に関する質問主意書

提出者  鈴木貴子




ウクライナ情勢に係る駐ウクライナ日本国特命全権大使の発言に関する質問主意書


 本年三月六日付産経新聞に、「『露は世界の安保秩序揺るがす』」との見出しで、坂田東一駐ウクライナ日本国特命全権大使の発言が掲載されている。右記事(以下、「産経記事」とする。)を踏まえ、以下質問する。

一 一般に、我が国の特命全権大使が、政府、外務省の公式見解と反する内容の発言をすることは許されるか。許されるのなら、それはどのような場合においてか説明されたい。
二 政府、特に外務省として「産経記事」を承知し、その内容を把握しているか。
三 「産経記事」によると、坂田大使は本年三月五日に産経新聞と会見しているとのことであるが、右会見につき、政府、特に外務省として坂田大使より事前に報告を受けていたか。また、同省より右会見に際しての対外応答要領は作成され、それは坂田大使に渡されていたか。
四 坂田大使は「産経記事」の中で、ウクライナ情勢について触れている。現在のウクライナ情勢に対する政府、特に外務省の見解を示されたい。
五 「産経記事」の中には、「国際的な約束を破り、世界の安保秩序を脅かしている」との、ロシアに関する坂田大使の発言が掲載されている。右は、政府、外務省としての公式見解であるか。ウクライナ情勢に関連し、ロシアは国際的な約束を破り、世界の安保秩序を脅かしていると、政府、外務省は認識をしているのか。
六 「産経記事」の中には、「日本は親欧米路線にかじを切ったウクライナの改革を支援すべき」と坂田大使が述べた旨の記述がある。右は、政府、外務省としての公式見解であるか。親欧米路線にかじを切ったウクライナの改革を支援すべきであると、政府、外務省として認識しているか。
七 「産経記事」には、「坂田大使は(中略)ヤヌコビッチ前政権が『ファミリー』と呼ばれる汚職まみれの一族寡占体制を構築し」と書かれているが、右は政府、外務省の公式見解であるか。ウクライナのヤヌコビッチ政権が汚職にまみれた一族寡占体制を構築していたと、政府、外務省は認識しているか。
八 ヤヌコビッチ政権が腐敗政治を行っていたことは承知しているか。現政権もアンチ・セミティズム(反ユダヤ主義)さらにはナチス・ドイツに協力したウクライナ人国粋主義、バンデラ主義(第二次大戦中ナチスドイツに協力したステパン・バンデラの考え)の信奉者らが、武器を持たない警官らに対し火炎瓶を投げ付け治安維持部隊に暴力をふるい銃を乱射し政権を奪っている。現在のウクライナ政府には危険な民族排外主義的傾向があるが、その現政権を日本政府としてどう評価するか。
九 「産経記事」には、「坂田大使は(中略)『現実がわからなくなり国民に銃を向けたことが政権崩壊を招いた』と分析し、『その責任は(前政権の)政治にある』と断定した」との記述があるが、右は政府、外務省の公式見解であるか。ウクライナのヤヌコビッチ政権は現実を認識することができなくなり、国民に銃を向けたことで崩壊したと、政府、外務省は認識しているか。
十 「産経記事」には、坂田大使が「ロシアについては『ロシア系住民保護にしてもまずは外交で解決を目指すべきで、それをやらずしていきなり軍による圧力を強めるという常識を超えた行動は理由が何であれ、認められるものではない』と言明」との記述があるが、右は政府、外務省の公式見解であるか。今回のウクライナ情勢に関し、ロシアがロシア系住民を保護するため、外交での解決を目指すことなく、いきなり軍による圧力を強めたと、またそのような行為は常識を超えたものであったと、政府、外務省は認識しているのか。
十一 「産経記事」には、坂田大使が「独立後わずか二十二年しかたっていないウクライナの領土保全の重要性を力説し、『日本は、独立した司法や検察のあり方、汚職を防ぐ政治システム構築などの抜本的な改革で協力すべきだ』と語った」との記述があるが、右は政府、外務省の公式見解であるか。政府、外務省として、ウクライナの領土を保全することが重要であり、我が国として独立した司法や検察のあり方、汚職を防ぐ政治システムの構築等の改革で協力すべきであると認識しているか。
十二 「産経記事」に書かれている坂田大使の一連の発言は適切であるか。政府、外務省として、一連の発言に関し、坂田大使に何らかの意見を伝えているか。

 右質問する。



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