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平成二十六年四月十七日提出
質問第一二八号

「北西太平洋における生物資源の保存、合理的利用及び管理並びに不正な取引の防止のための日本国政府とロシア連邦政府との間の協定」の効果に関する質問主意書

提出者  鈴木貴子




「北西太平洋における生物資源の保存、合理的利用及び管理並びに不正な取引の防止のための日本国政府とロシア連邦政府との間の協定」の効果に関する質問主意書


 二〇一二年九月八日、当時の野田佳彦内閣総理大臣とロシアのプーチン大統領は「北西太平洋における生物資源の保存、合理的利用及び管理並びに不正な取引の防止のための日本国政府とロシア連邦政府との間の協定」(以下、「協定」とする。)に署名をした。その後、本年二月に「協定」の二回目の説明会が水産庁により開催され、同年三月四日にパブリックコメントの募集が終了し、「協定」は本年四月中旬以降、発効される見込みであると思料する。
 右を踏まえ、質問する。

一 二〇〇七年九月八日、第一次内閣を率いていた安倍晋三内閣総理大臣とプーチン大統領の首脳会談が行われ、ロシア産カニの密漁密輸出防止の会議が開催されることが決められ、同月二十六日、二十七日に専門者会議が実施された。この会議で我が国は、日ロ二国間のみでの規制では第三国への抜け道が残る可能性があり、実効性に限界があるところ、二国間ではなく多国間での密漁密輸出防止の枠組みが必要である旨の指摘をしているかと承知するが、確認を求める。
二 我が国は輸入貿易管理令を一部改正し、ロシア政府が発効する輸出証明書を用いて輸入規制する内容の「協定」に署名していると承知するが、韓国、中国とロシアとの協定は、それぞれどのような国内法を用いての輸入規制であるのか、政府としてその内容をロシア側に確認をしているか。
三 日ロ間のみならず、ロシアは既に韓国と「協定」と同趣旨の密漁密輸出防止のための協定を締結し、発効している。中国とは、同趣旨の協定の締結に向けて協議をしていると承知する。ロシア産カニが密漁され、密輸出されることを防ぐには、日ロ間のみならず、韓ロ、中ロで結ばれた協定の内容を確認し、それぞれが同程度に厳しい規制を敷かなければ、一で指摘したように、他国への抜け道が残され、結果として密漁密輸出はなくならないと考えるが、政府の見解如何。
四 ロシアとして、我が国以外の国と密漁密輸出を防止する協定を結ぶことが可能ならば、なぜ多国間協定を締結し、複数国間で同一の規制を敷こうとしないのか、政府としてロシア側にその理由を照会しているか。
五 二〇〇二年より我が国で「外国人漁業の規制に関する法律」の適用が強化され、ロシア漁船の入港を規制する措置が講じられた。その結果、ロシア産カニは、韓国に流通することとなり、その量は約千八百トンから一万九千トンへと、十倍以上にも達している。右の規制強化は、ロシア政府の発行する貨物税関申告書による輸入規制というものであり、今回の「協定」も輸出証明での同様の書類方法による、日ロ二国間のみの輸出入規制であるところ、密漁密輸出防止の効果は薄く、ロシア産カニの輸入先がより規制の緩い第三国に移る事態が起きることが考えられる。また、ロシア産カニの輸入に依存するところの大きい我が国の各地方の経済を疲弊させることにもつながる。この様な第三国への抜け道の可能性のある規制ではなく、安倍総理が第一次内閣を率いていた二〇〇七年に実施された様な会議を開催し、効果のある密漁密輸出防止の方法をつくるべきではないか。例えばその具体的な方法の一つに、入札で決定されているロシア国内でのカニの漁獲を、非公開ではなくインターネットで公開することにより、同国内での透明性を高め、輸入側にもどれが正規の漁獲でどれがそうでないかを見極められる仕組みをつくることをロシア側に提案することが挙げられると考えるが、安倍総理の見解を示されたい。

 右質問する。



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