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平成二十六年五月十六日提出
質問第一六五号

自殺した自衛官を巡る訴訟問題に対する防衛省の対応に関する再質問主意書

提出者  鈴木貴子




自殺した自衛官を巡る訴訟問題に対する防衛省の対応に関する再質問主意書


 二〇〇四年、海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」に勤務していた当時二十一歳の一等海士が自殺した事件(以下、「たちかぜ事件」という。)につき、本年四月二十三日、東京高等裁判所で二審判決が下された。東京高裁の鈴木健太裁判長は、一等海士の自殺と上司によるいじめの因果関係を認め、「上司が調査や適切な指導をしていれば、自殺は回避できた可能性がある」とし、国と上司の元二曹に計四百四十万円の賠償を命じた一審横浜地裁判決を変更して、約七千三百万円の賠償を言い渡した。右の判決に対し、「前回答弁書」(内閣衆質一八六第一四〇号)で政府、特に防衛省は「御指摘のいわゆる護衛艦『たちかぜ』乗員であった一等海士(当時)の自殺事案(以下「本件事案」という。)の東京高等裁判所の判決(以下「東京高裁判決」という。)において、一等海士(当時)の自殺について、二等海曹(当時)の暴行及び恐喝並びに上司職員らの指導監督義務違反との間の相当因果関係が認められたこと、本件事案に関連して実施された艦内生活実態アンケートに対する各乗員の回答が記載されたアンケート用紙(以下「アンケート原本」という。)等に関する情報公開請求に対する文書の特定作業において、海上自衛隊横須賀地方総監部監察官(当時)及び護衛艦『たちかぜ』の艦長(当時)が、アンケート原本等を保存していたにもかかわらず、これらを特定せず隠匿した行為が違法であるというべきである旨判示されたこと等を重く受け止めており、再発防止に努めていく考えである。」との見解を示している。右を踏まえ、再質問する。

一 今回、遺族の主張が全面的に認められるに至った背景には、「たちかぜ事件」が起きた後に行われた、いじめ行為の有無について調査したアンケート(以下、「アンケート」とする。)の存在が、現職の三等海佐の内部告発によって明らかにされたことがある。右について「前回答弁書」では、「これまでの防衛省の調査では、不適切な文書管理が行われていたこと、アンケート原本に関する情報公開請求に対する不適切な対応があったこと、アンケート原本の存在を認識した担当者による報告の遅延があったこと等が、アンケート原本が平成二十四年六月二十日までの間不存在とされてきたことの原因であることが判明している。」とされている。右の「不適切な文書管理」、「アンケート原本に関する情報公開請求に対する不適切な対応」、「アンケート原本の存在を認識した担当者による報告の遅延」が生じたのはなぜか。誰の指示により、右の行為がなされたのか、官職氏名を明らかにしたうえで明確に答えられたい。
二 一で指摘した行為がなされたことに対し、最終的な責任を負う者は誰か。それぞれにつき、官職氏名を明らかにしたうえで明確に答えられたい。
三 真実を指摘した三等海佐を懲戒免職にする動きが、現在防衛省内で出ているとの報道もあるが、右は事実か。事実なら、三等海佐が処分されるべき理由に何があるのか。勇気をもって「アンケート」の存在を指摘し、公平公正を追求しようとした三等海佐を処分することは理不尽であり、防衛省という組織の良心が疑われることになるのではないのかと前回質問主意書で問うたところ、「前回答弁書」では「御指摘の報道については、承知していないが、防衛省としては、現在、関係者に対し、様々な角度から調査を実施しているところであり、判明した事実に基づき適切に対処する考えである。」との答弁がなされている。右の「関係者」に該当する者は誰か、また右の「調査」はいつまでをめどに行われるのか、それぞれ明らかにされたい。
四 三の答弁には、「アンケート」の存在を指摘した三等海佐の処分を巡る種々報道について「承知していない」とされている。しかしその一方で、同日夜の記者会見において、河野克俊海上幕僚長は、三等海佐について「公益通報者保護法の趣旨を踏まえ、処分するつもりはない」と述べていると承知する。三等海佐の件について「承知していない」とした「前回答弁書」の内容、また、そもそも前回質問主意書の内容を、河野海上幕僚長は承知していたのか。
五 閣議という重い手続きを経て決定された「前回答弁書」に、三等海佐に関することを何も述べず、その後の記者会見で明らかにするというのは、国民から選ばれた国会議員を軽視する行為であり、国民を軽視しているのではないのか。
六 三等海佐の処分について、なぜ「前回答弁書」で答弁せず、その後の記者会見の場で言及がなされたのか、その理由を説明されたい。

 右質問する。



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