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平成二十六年五月二十八日提出
質問第一八五号

自殺した自衛官を巡る訴訟問題に対する防衛省の対応に関する第三回質問主意書

提出者  鈴木貴子




自殺した自衛官を巡る訴訟問題に対する防衛省の対応に関する第三回質問主意書


 二〇〇四年、海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」に勤務していた当時二十一歳の一等海士が自殺した事件(以下、「たちかぜ事件」という。)につき、本年四月二十三日、東京高等裁判所で二審判決が下された。東京高裁の鈴木健太裁判長は、一等海士の自殺と上司によるいじめの因果関係を認め、「上司が調査や適切な指導をしていれば、自殺は回避できた可能性がある」とし、国と上司の元二曹に計四百四十万円の賠償を命じた一審横浜地裁判決を変更して、約七千三百万円の賠償を言い渡した。右の判決に対し、「前々回答弁書」(内閣衆質一八六第一四〇号)で政府、特に防衛省は「御指摘のいわゆる護衛艦『たちかぜ』乗員であった一等海士(当時)の自殺事案(以下「本件事案」という。)の東京高等裁判所の判決(以下「東京高裁判決」という。)において、一等海士(当時)の自殺について、二等海曹(当時)の暴行及び恐喝並びに上司職員らの指導監督義務違反との間の相当因果関係が認められたこと、本件事案に関連して実施された艦内生活実態アンケートに対する各乗員の回答が記載されたアンケート用紙(以下「アンケート原本」という。)等に関する情報公開請求に対する文書の特定作業において、海上自衛隊横須賀地方総監部監察官(当時)及び護衛艦『たちかぜ』の艦長(当時)が、アンケート原本等を保存していたにもかかわらず、これらを特定せず隠匿した行為が違法であるというべきである旨判示されたこと等を重く受け止めており、再発防止に努めていく考えである。」との見解を示している。右と「前回答弁書」(内閣衆質一八六第一六五号)並びに「前々回答弁書」(内閣衆質一八六第一四〇号)を踏まえ、再度質問する。

一 今回、遺族の主張が全面的に認められるに至った背景には、「たちかぜ事件」が起きた後に行われた、いじめ行為の有無について調査したアンケート(以下、「アンケート」とする。)の存在が、現職の三等海佐の内部告発によって明らかにされたことがある。右について「前々回答弁書」では、「これまでの防衛省の調査では、不適切な文書管理が行われていたこと、アンケート原本に関する情報公開請求に対する不適切な対応があったこと、アンケート原本の存在を認識した担当者による報告の遅延があったこと等が、アンケート原本が平成二十四年六月二十日までの間不存在とされてきたことの原因であることが判明している。」とされている。右の「不適切な文書管理」、「アンケート原本に関する情報公開請求に対する不適切な対応」、「アンケート原本の存在を認識した担当者による報告の遅延」が生じたのはなぜか、誰の指示により、右の行為がなされたのか、官職氏名を明らかにしたうえで明確に答えられたいとの問いに対し、「前回答弁書」では「(前略)指示に基づきなされたものではなく、関係職員において、行政文書の管理を適正に行うために必要な法令に関する知識が不足していたこと、情報公開業務の重要性に対する認識が十分でなかったことなどの理由により生じたものであることが明らかになっている。」とされている。右の「関係職員」とは誰を指すのか、官職氏名を明らかにされたい。
二 一の「関係職員」が、一の答弁にあるように行政文書の管理等に係る必要な法令に関する知識や認識が不足していた理由は何か。
三 一の「関係職員」によって一の答弁にあるような行為がなされたことに対し責任を負う者は誰かとの問いに対し、「前回答弁書」では「防衛省において、関係者の責任等について調査を行っているところであり、現時点でお尋ねにお答えすることは困難である。」との答弁がなされている。右の調査は誰の責任の下、どのような方法でいつまでをめどに行われるのか、それぞれ詳細に説明されたい。
四 三の調査に際し、文書による記録は作成されているか。また調査が終わった後に、当該文書は国民に開示されるか。
五 「前々回答弁書」の答弁には、「アンケート」の存在を指摘した三等海佐の処分を巡る種々報道について「承知していない」とされている。しかしその一方で、「前々回答弁書」が閣議決定された本年五月十三日夜の記者会見において、河野克俊海上幕僚長は、三等海佐について「公益通報者保護法の趣旨を踏まえ、処分するつもりはない」と述べている。閣議という重い手続きを経て決定された「前々回答弁書」に、三等海佐に関することを何も述べず、その後の記者会見で明らかにするというのは、国民から選ばれた国会議員を軽視する行為であり、国民を軽視していることに他ならない。右の経緯につき、「前回答弁書」では、「前回答弁書を内閣として決定した平成二十六年五月十三日の閣議後に三等海佐に対する調査が終了したことから、河野克俊海上幕僚長は同日の会見において、記者からの質問に応じ、三等海佐を処分する考えはない旨答えたものである。」との説明がなされている。閣議にかけられる前に、「前々回答弁書」の作成が終わった日、時、分と、右答弁にある「三等海佐に対する調査」が終了した日、時、分をそれぞれ明らかにされたい。
六 河野幕僚長が記者会見に臨むにあたり、対外応答要領は作成されていたか。
七 六の要領は、事前に記者からの質問内容が告知された上で作成されたものか。
八 「三等海佐に対する調査」にしても、「前々回答弁書」の内容にしても、最終的な段階に至る前にある程度の内容は決まるものであると思料する。それならば、「前々回答弁書」においても、三等海佐を処分する考えはない旨の答弁があってしかるべきであり、それをせず、河野幕僚長の記者会見でその話が出るのは、質問主意書を軽視し、国民の代表たる国会議員、ひいては国民を軽視する所業であると言わざるを得ないと考えるが、小野寺五典防衛大臣の見解を示されたい。

 右質問する。



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