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平成二十七年八月六日提出
質問第三六九号

増税と歳出減では財政再建が出来ないのではないかという疑問に関する質問主意書

提出者  福田昭夫




増税と歳出減では財政再建が出来ないのではないかという疑問に関する質問主意書


 二〇一二年十二月に第二次安倍内閣が発足して以来日本経済はあまり成長していない。
 実質成長率は二〇一三年度二.一%、二〇一四年度はマイナス〇.九%だから、平均すると年率〇.六%の成長に過ぎない。特に二〇一四年度の消費税増税後、消費者心理は冷え込み、景気回復の足取りが重くなった。デフレ脱却にも財政再建にも失敗している。国民は将来の生活への不安が増し、内閣支持率も急落している。
 これに関連して質問する。

一 七月二十二日に内閣府より「中長期の経済財政に関する試算」が出された。これによると二〇二〇年度の名目長期金利は三.九%である。一方、量的・質的金融緩和により八月三日現在、マネタリーベースは三百二十二兆円、日銀当座預金残高は二百二十六兆円までに増加しており、さらに今後マネタリーベースは毎年八十兆円増やすとの事である。つまり、二〇二〇年度には数百兆円あるいはそれ以上もの資金が、ほぼゼロ金利で眠っていることになり、そのようなときに三.九%もの高金利の金融商品が出てくると、眠っている資金は一気に高金利の商品に大移動してしまう。その大移動により長期金利は下がってしまうのではないかと思われるので三.九%の長期金利はあり得ないと考えるが同意するか。
二 内閣府の発表する中長期の経済財政に関する試算は、毎回余りにも楽観的すぎて、現実離れしている。例えば、二〇〇五年に、七年後の二〇一二年度にはGDPは六百四十五.二兆円に達すると予測し、約百四十兆円の増加を予測した。しかし、実際の二〇一二年度のGDPは四百七十二.六兆円であったので、約三十三兆円減少であった。驚いたことに内閣府は毎年このように現実とは大きくかけ離れた楽観的すぎる予測をしている。このことについて試算を行っている担当者に聞くと「三%成長を目標としている政府の下で試算を出している限りこれと異なる試算は出せない」と答えている。つまり、政治的に歪められた試算であることを暴露したわけである。そういった事情を考慮すれば、この試算は単に「現実を無視した、はかない政府の夢」に過ぎないと言える。もっと現実の経済を正確に予測する試算を内閣府は国民に示すべきではないか。
三 内閣府発表の試算がことごとく外れたことに対して「リーマンショックは予測できなかった」ということが逃げ口上として使われることがある。しかし、世界経済は常に好況と不況を繰り返す。例えば現在失速しつつある中国経済により日本経済は深刻な影響が出る可能性があるのではないか。消費税で失速し、回復の遅れている日本経済はそのようなショックに耐えられるのか、このような状況で二〇一七年度の消費税再引き上げは無謀だと思わないか。
四 「輪転機をぐるぐる回してお金を刷ればよい。一万円札を刷るのに二十円しかかからない。九千九百八十円は国の収入になる。」と安倍首相はよく言っておられた。「お金を刷る」というのは比喩的な表現であり、実際は政府が国債を増発し、日銀が国債を買う事を意味する政策であると考えられる。この政策は実行されないのか。
五 デフレ経済が続く現在の日本のGDPは一九九七年度のGDPよりも少ない。経済を成長させ、国の債務の対GDP比を下げることを政府の目標にすべきではないか。

 右質問する。



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