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平成二十八年八月一日提出
質問第二六号

安倍内閣の憲法観に関する質問主意書

提出者  緒方林太郎




安倍内閣の憲法観に関する質問主意書


 安倍内閣総理大臣は、御自身のウェブサイトで、憲法について次のように述べている。
 「憲法改正が必要と考える理由として、次の三点を指摘します。
 まず、憲法の成立過程に大きな問題があります。日本が占領下にあった時、GHQ司令部から『憲法草案を作るように』と指示が出て、松本烝治国務大臣のもと、起草委員会が草案作りに取り組んでいました。その憲法原案が昭和二十一年二月一日に新聞にスクープされ、その記事、内容にマッカーサー司令官が激怒して『日本人には任すことはできない』とホイットニー民生局長にGHQが憲法草案を作るように命令したのです。
 これは歴史的な事実です。その際、ホイットニーは部下に『二月十二日までに憲法草案を作るよう』に命令し、『なぜ十二日までか』と尋ねた部下にホイットニーは『二月十二日はリンカーンの誕生日だから』と答えています。これも、その後の関係者の証言などで明らかになっています。
 草案作りには憲法学者も入っておらず、国際法に通じた専門家も加わっていない中で、タイムリミットが設定されました。日本の憲法策定とリンカーンの誕生日は何ら関係ないにもかかわらず、二月十三日にGHQから日本側に急ごしらえの草案が提示され、そして、それが日本国憲法草案となったのです。
 第二は憲法が制定されて六十年が経ち、新しい価値観、課題に対応できていないことです。例えば、当時は想定できなかった環境権、個人のプライバシー保護の観点から生まれてきた権利などが盛り込まれていません。もちろん第九条では『自衛軍保持』を明記すべきです。地方分権についても道州制を踏まえて、しっかりと書き込むべきです。
 第三に憲法は国の基本法であり、日本人自らの手で書き上げていくことこそが、新しい時代を切り拓いていくのです。
 憲法前文には『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した』と記述されています。世界の国々、人々は平和を愛しているから日本の安全、国民の安全は世界の人々に任せましょうという意味にほかなりません。
 普通の国家であれば『わたし達は断固として国民の生命、財産、領土を守る』という決意が明記されるのが当然です。」
 この認識を安倍内閣としても共有しているか。

 右質問する。



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